中国・北京のメディア新京報は28日、Jリーグ初代チェアマンの川淵三郎氏へのインタビュー記事を掲載した。川淵氏は中国サッカーの現状について「日本視察は効果なし」「能力ある者が管理せよ」など、厳しい意見を述べた。

 インタビューでは、Jリーグの今後の課題のほか、中国サッカーの現状と管理者に関する問題に話題が集中した。

 川淵氏は「アジアで最も早くW杯で優勝するのは中国だと思っていたが、20年間観察してきて非常にがっかりした」と語った。また、13億の人口がいながら「親が学業優先で子どもにサッカーをやらせない」ためにサッカー人口が増えないというのは「中国サッカー関係者の言い訳だ」とし、日本も同様の風潮の中で学業とサッカーの両立を実現したことを明かした。

 中国サッカーやナショナルチームのレベルについて「個々の能力は悪くない」としたうえで「反則によるディフェンスを好む選手たちを、コーチや管理者が叱らない。これでは永遠にレベルは上がらない」と問題点を指摘した。

 中国サッカー協会による度重なる日本視察に対して「隠すことはないし、教えられるものは教える」との姿勢を見せたが、「視察はほとんど何の効果もない」とも語り、海外視察に頼る方針に疑問を呈した。

 川淵氏は90年代に中国サッカー発展の基礎を築いた王俊生氏のマネジメント能力を高く評価した上で、「サッカー出身者でなくてもいいが、能力がある人物が管理すべき。ただのサッカー好きでもダメ。一部の中国サッカー管理者たちに果たしてマネジメント能力があるのか」と語った。(編集担当:柳川俊之)