「芸人へのリスペクトがない仕事は断る」M-1決勝常連・エバースが明かすブレイク後の本音
コンビ名は、野球用語でバントの構えからバットを引き、投球を見送る動作を意味する。その名のとおり、エバースの漫才は絶妙な“すかし”で笑いを生む。ブレイク後も、そのスタイルは変わらない。2人は何を「すかし」、何を決して「見逃さない」のか。その答えは、漫才との向き合い方そのものにあった――
◆勝ち続ける漫才には理由がある
優勝、優勝、また優勝――。近年、賞レースを総なめにしてきたお笑いコンビ、エバースの佐々木隆史と町田和樹。今年は(※1)『上方漫才協会大賞』で“東京勢初”となる大賞を獲得。漫才の本場すら凌駕する喋りを持ち、“国民的芸人”になる寸前の2人が、エッジの利いた現代お笑い論を語った。
佐々木:今は関西がそこまでアウェーって感じもしないというか。特に最近の『ABC』は、東京の芸人のほうが多く決勝に進出してたりするので、若手の全国大会という感覚のほうが強いですね。’24年の(※3)『NHK新人お笑い大賞』で初めて大賞を取るまでは、自分が優勝できる芸人人生だとは思っていなかったので、単純にうれしかったです。
町田:僕も同世代の中で一番になりたいと思って『ABC』に出ていました。関西の賞レースではありますけど、デビュー10年目以内ならネタのジャンルも人数も関係なく、面白ければ勝てる大会。そのラストイヤーで優勝できたのは、本当にうれしかったですね。
佐々木:10年ぐらい前までは、東京でウケていたニューヨークさんが『ABC』決勝で散々な目に遭う、みたいなこともあったらしいですけど(苦笑)。でも最近は大阪の芸人さんも東京でライブをやる機会が増えていて、一緒になることも多い。芸人もコンクールも、東西の壁はほとんどないんじゃないですかね。
◆「リスペクトがないな」と感じた仕事は断る
――’24年、’25年と2年連続で『M-1グランプリ』決勝に進出し、昨年からテレビへの露出も一気に増えました。知名度が上がった実感はありますか?
町田:決勝に行く前は、劇場の周りでしか声をかけられなかったですからね。それが去年から大阪のおばちゃんとかにも「見てるよ」「頑張って」って言ってもらえるようになって、本当にうれしいです。
佐々木:すごいことですよね。テレビで見ていた芸能人が自分たちを認識してるなんて、普通はあり得ないじゃないですか。でも今はテレビ局で声をかけられても、当たり前みたいに対応してる自分がいる。「もう慣れちゃってない?」って。
町田:多少はありますね。
佐々木:そういうのは良くないなと思います。もう少し緊張感を持とうと思います。
――直近では、マクドナルドのCMにも出演しました。最初は町田さんだけでしたが、2回目はコンビでの出演でした。
佐々木:まぁ、本来は僕を使いたかったけど、一旦町田で様子見したんだろうなって(笑)。
町田:様子見って何だよ(笑)。どこでそう感じたんだよ。
佐々木:“あのちゃん”とも共演したんですけど、町田はパーソナルスペースがバグってるから、あのちゃんに顔を近づけすぎて引かれてましたね。
町田:まぁ、バグったもん勝ちなところもありますから(笑)。あのちゃんは本当にかわいくて、久しぶりにドキドキしました。
――バラエティだけでなく、劇場や地方営業など多忙だと思います。ネタはどこで考えているんですか?
佐々木:移動中とか、本当に隙間時間ですね。劇場の出番まで2時間くらい空くこともあるので、その時にカフェで作ったりします。昔より考える時間は減りましたけど、舞台数が増えた分、本番のアドリブから生まれたくだりをそのままネタに入れることもあるので、一長一短ですね。あと、何より重要なのは、町田がやる気を失わないようにケアすることですね。
