ロータス本社に新拠点! 他社の車両設計、開発を支援し、生産ラインも提供 既にゼノスなど製造決定
技術と設備を他社にも開放
ロータスは、英国ノーフォークにある本社に「ヘセル・パフォーマンス・ハブ」を新たに開設した。他の自動車メーカーの車両設計・開発を支援し、さらには敷地内の生産ラインも提供する。
【画像】カーボンボディの軽量2シータースポーツカー! 復活した英国メーカー【ゼノスE10 RZを詳しく見る】 全20枚
これは、歴史あるヘセル工場の収益性と持続可能性を向上させることを目的とした取り組みだ。従来のロータス・エンジニアリング事業の延長線上にあり、その拡大を目指している。同社はこれまで、自動車メーカー各社に対し、車両開発の特定の分野、とりわけダイナミクスにおいて支援を行ってきた。

ロータスのマット・ナイス副社長(左)と英国のクリス・マクドナルド産業大臣(右)
副社長のマット・ナイス氏は新サービスについて、「1つの拠点に、エンジニアリング、デザイン、製造、モータースポーツの専門知識、サプライチェーン能力、技術開発、そして車両ダイナミクスを集約しています」と述べた。
ハブの開設式には、英国のクリス・マクドナルド産業大臣も参加した。
新サービスの鍵となるのは、スポーツカー『エミーラ』の組立ラインの柔軟性だ。このラインは固定式ではなく、自動トロリーにエミーラを乗せて各作業ステーション間を移動させる形式だ。
すでに複数メーカーと協業
そのため、プラットフォームやアーキテクチャーが大きく異なる異なるモデルでも、エミーラと同じライン上で順次生産することが可能となり、同ラインの年間生産能力は最大1万5000台に達する。現在、1シフトあたりの年間生産台数は約2500〜3000台(エミーラのみ)となっている。
また、高電圧に対応したホールもあり、そこでは現在、ハイパーカー『エヴァイヤ』が生産量と自動化レベルを抑えた状態で生産されている。

英国ノーフォーク州ヘセルにあるロータス工場
一時期、ロータスを傘下に持つジーリー・グループ(吉利集団)の別ブランドのポールスター6が、ヘセルで生産される予定だった。今回、主に元ロータスのエンジニアからなるゼノス(Zenos)が、新型の軽量2シーター・ロードスターをヘセルで生産すると発表した。
ゼノスによれば、この工場には、ロータスの生産ノウハウの活用やコスト削減といった利点があるほか、『エリーゼ』、『エキシージ』、『エヴォーラ』、『エスプリ』などの伝説的なスポーツカーを生み出してきた歴史を顧客にアピールできるという。
初代フォード・マスタングのボディを使用した電動スポーツカー、チャージ67のメーカーであるチャージ・カーズ(Charge Cars)も、ヘテル内にチームを配置する予定である。同車はエヴァイヤと同じ棟で生産される見込みだ。
柔軟で幅広いサービス展開
これまでヘセルではロータス車の生産に注力しており、外部向けのエンジニアリング事業は後回しにされていた。現在、拠点内には600人の従業員が在籍し、エミーラの初期生産ラッシュも落ち着きを見せていることから、ロータスは拠点の価値を高めるために再び視野を広げつつある。
ヘセルは、昨年だけで550人の雇用削減に迫られるなど苦境に喘ぎ、将来も不透明な状況にあったが、今回のハブ拠点の設立により、新たな目的と可能性がもたらされることとなった。

ロータス・ヘセル工場での生産を決めたゼノスのスポーツカー
ノーフォーク州におけるロータスの強みは伝統的に車両ダイナミクスにあるが、現在ではニッチな自動車メーカー向けのエンジン制御システムなども手掛けている。
個々の部品からサブアセンブリやモジュール(ノーフォーク州にはエミーラのシャシーを生産する金属加工工場がある)に至るまで、あらゆるものを提供できる。さらには新しいプラットフォームや自社プラットフォームのバリエーションを用いた完成車も実現可能だ。
ヘセル工場に新しい未来
ロータスはオペル・スピードスター(ヴォグゾールVX220)や初代テスラ・ロードスターの開発・生産実績があり、こうした分野での専門知識をすでに有している。
かつてロータスは、ゼネラルモーターズ、ブガッティ、プロトンなど複数の企業によって所有されてきた経緯がある。そのため一部の競合メーカーは同社のサービスを利用することに消極的だったが、今回はそのような躊躇が少なくなっているという。

ロータス・ヘセル工場での生産を決めたチャージ・カーズのチャージ67
エミーラの生産もヘセルで継続されている。一方、ロータスのフェン・チンフェンCEOは、2028年の登場が予定されている新型ハイブリッド・ハイパーカー、コードネーム『エスプリ』の生産拠点としてヘテルを優先的に検討していると述べている。

