60代ひとり暮らしが「やめてよかった習慣」4つ。“当たり前”を見直したら家計も心もすっきり整った
新しい生活を始めるにあたって直面するのが「暮らしの見直し」。成人した3人の子をもち、現在はひとり暮らしをしている著述家の中道あんさん(60代)は、この夏、住み慣れた土地から富山県に移住することになったそう。今回、中道さんが移住準備に際して、「手放したもの」「見直した習慣」について詳しく教えてもらいました。

富山への移住にあたり「やめたこと」「見直した習慣」
2025年1月、自宅を離れてひとり暮らしを始めました。ようやく新しい暮らしにも慣れてきたと思った矢先、今度は富山県黒部市への移住が決まりました。自然が豊かで大変魅力的な場所です。
移住と聞くと、「地方へ行けば家賃も生活費も安くなる」と思われがちです。
ところが、私の場合は逆でした。黒部で借りる家は、今の住まいより家賃が3万円少し高くなります。やっと家賃を払う生活に慣れてきたのに、今度は値上げです。
●1:サブスクサービス
そこで引越しを機に、毎月当たり前のように払っていたお金を見直してみることにしました。まず手放したのは、いくつかのサブスクリプション(サブスク)サービスです。
「解約したら困るかもしれない」
「今は使いこなせていないけれど、そのうち活用できるようになるかもしれない」
そんな理由で続けているものが意外とありました。けれど、今の段階であまり使いこなせていないのなら、「一度やめてみて、本当に必要なら再開すればいい」そう考えて整理してみると、なくても困らないものが少なくありませんでした。
●2:ウォーターサーバー
その中のひとつがウォーターサーバーです。私は水をあまり飲まないので、おいしい水なら飲めるだろうと契約していました。
ところが、移住先の富山は水がおいしいことで有名です。「まずは、富山の水を飲んでみよう」そう思い、契約期間の途中でしたが解約しました。
●3:スマホやWi-Fiなどの固定費
さらにスマホ会社を見直し、Wi-Fiも変更。すると驚いたことに、毎月1万5000円ほど固定費が下がることに。
●4:レンタル畑
趣味で借りていたレンタル畑も解約しましたが、黒部では市民農園を借りる予定です。
こちらは年間利用料でも、今までの月額利用料より安いのです。
移住前は、「家賃が上がるから大変だな」と思っていました。でも実際に見直してみると、家賃が上がった分はほぼ回収できました。私が手放したのは、お金そのものではありません。「なんとなく続けている契約」でした。
ただ今、ひとりでコツコツと引越しの荷づくりをしているところです。
家を契約するときには、家賃だけでなく、礼金・敷金や保険料などもまとめて費用がかかってきます。わが家のようにペットを飼っていると、その分敷金を上乗せして払うことも。
なので、引越し費用を下げるために、荷づくりくらいは自分でしようと決めました。
10年ぶりに「大事にしていた靴」を出してみたら…

荷物を片付けていると、靴箱に入ったトレッキングシューズがクローゼットの奥から出てきました。
以前、友人に誘われて山歩きをしていたことがあり、トレッキングシューズやスティックをそろえました。その後、山に行く機会はなくなりましたが、「いつか登ろう」「いつか使おう」「いつか再開しよう」そう思っているうちに、気づけば10年が経過。
前回の引越しでも捨てきれずに持ち続けていたのは、山歩きの楽しかった記憶が消えなかったからだと思います。
ところが今回、黒部への移住を前に久しぶりに取り出してみると、トレッキングシューズのかかとはカチカチに硬くなっていました。「これは、もしかして山を歩いたら途中で壊れるかもしれない」。そう思った瞬間、処分を決めました。
10年以上、「いつか」のために取っておいたものが、結局一度も使われないまま寿命を迎えました。ものは使わなくても残っているように見えますが、時間は確実に流れていました。
私が黒部に移住すると知って、「遊びに行きたい」と言ってくれる人がいます。黒部に暮らせば、立山連峰は日常の風景になります。季節ごとに表情を変える山々を眺めながら歩く日もあるでしょう。
いつか友人たちと立山アルペンルートを訪れたり、黒部の自然の中をゆっくり歩いたりするかもしれません。けれど、まずは今の自分に合ったスニーカーで、新しい暮らしを歩き始めようと思っています。
大切なトレッキングシューズを処分した日、「いつかやる」の「いつか」は、カレンダーには存在しない日なのだと実感。
そして、60代になった今は、「いつか」より「今」を選びたいと感じるように。
黒部への移住準備は「暮らしを小さくする」作業というより、自分にとって本当に大切なものを選び直す時間になっています。
