Z世代 の新たな「パジャマ」スタイルが普及、エアリーのスリープウェアは通年売れるカテゴリーに成長中

記事のポイント
エアリーはスリープウェアを成長軸に据え、既存店売上11%増を実現した。
素材設計と価格戦略により、パジャマを通年で売れる商品へ転換した。
Z世代の着こなしとSNS拡散が、スリープ需要の拡張を後押しした。
アパレル市場全体がまだらな状況にあるなか、スリープウェアはエアリー(Aerie)のもっとも重要な成長ドライバーのひとつとして浮上している。
第3四半期、アメリカン・イーグル・アウトフィッターズ(American Eagle Outfitters)は売上高13億6000万ドル(約2040億円)と過去最高を記録し、前年同期比で6%増、既存店売上高は全体で4%増となった。
決算説明会で強調された「通年ビジネス」としてのスリープウェア
12月2日の決算説明会では、経営陣がスリープウェアを際立ったカテゴリーとして繰り返し言及し、新規顧客獲得とブランド全体の勢いの双方を押し上げる役割を果たしている点を強調した。
その強さは第4四半期にも続いている。決算説明会で、CFOのマイク・マシアス氏は、エアリーの既存店売上高が10%台後半に達する見通しであり、第4四半期の業績見通し引き上げを下支えすると述べた。
アメリカン・イーグルおよびエアリーのプレジデント兼エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターであるジェニファー・フォイル氏は、同ブランドのパフォーマンスについて、「インナーウェア、アパレル、スリープウェア、オフラインを含むすべてのカテゴリーでの強さを反映したものだ」と語り、スリープウェアについては「強力な成長カテゴリーとして浮上しており、当社にとって通年のビジネスになりつつある」と付け加えた。
季節需要に依存しないパジャマ市場での差別化
エアリーの成長は、特にホリデーシーズンを中心に、ペアで着られるパジャマの拡大する市場に多くのブランドが注力している流れと重なる。
コーディネートされたセットはギフトの定番であり、ソーシャル上でのエンゲージメントを安定的に生み出す存在でもある。
AEの幹部によれば、違いは、エアリーがこうした季節的需要を持続的な販売量へと転換できている点にあるという。
「快適さ」を軸にした商品開発と素材戦略
「エアリーのスリープウェアにおける成功は、コミュニティの声に耳を傾け、快適さを最優先してきたことに由来する。それは常にブランドの中核にあったものだ」と、エアリーのCMOであるステイシー・マコーミック氏はメールで述べた。
「我々は、リアルソフト(Real Soft)のような柔らかく着心地のよい素材、心地よい質感、そしてもっとも柔らかな起毛フランネルなどに注力し、それらを快適で体のラインをきれいに見せるフィットと組み合わせている」。
リアルソフトは、初めて着た瞬間から軽く、着慣れたように感じられ、かつ繰り返しの洗濯にも耐えるよう設計された、エアリー独自の素材シリーズである。この素材ストーリーは、スリープを含む複数のカテゴリーに拡張されてきた。
価格も競争優位性のひとつだ。
エアリーのパジャマは、セパレーツで約25ドル(約3750円)から、フルセットで約70ドル(約1万500円)程度で展開されており、多くの専門店やD2C競合よりも低価格でありながら、洗練された見た目と着心地を維持している。
Z世代・アルファ世代が広げる「外でも着る」スリープウェア
このカテゴリーの魅力は、若年層のスタイリング方法によってさらに増幅されている。
ブランドによると、エアリーのスリープウェアは、Z世代やアルファ世代にとってラウンジウェアとしての役割を強めており、パジャマトップスをフーディーやジョガーパンツ、ワイドレッグジーンズと合わせることで、家での服装と日常の装いの境界を曖昧にしている。
こうした着こなしが、スリープウェアを単なる機能的アイテムではなく、文化的に意味のある存在へと押し上げている。
TikTokとインフルエンサーが生むバイラル効果
「スリープウェアの未来は、寝るときに何を着るかをはるかに超えている」と、フォイル氏はGlossyに語った。
「我々のコミュニティが、セルフケアの習慣から日常のスタイルまで、ライフスタイル全体の一部としてスリープウェアを受け入れているのを目にしている」。
ソーシャルメディアも、その可視性を高める役割を果たしている。
ブランドによれば、ストライプ柄やクマ柄のパジャマセットはTikTokで特に好調であり、スリープウェア全体におけるノベルティプリントが繰り返しバイラル化している。10月に投入されたリアルソフトのジンジャーブレッド柄は、発売から3週間以内に完売した。
インフルエンサーも、寝室の外まで広がるこのカテゴリーの魅力を後押ししている。
たとえば、インスタグラムで180万人のフォロワーを持つブルックス・ネーダーが、エアリーのパジャマセットをソーシャル投稿で着用しており、ブランドによればそれらはギフティングによるものではなかったという。
スリープを中核に据えたエアリーの統合マーケティング
スリープウェアは、サイト内のマーチャンダイジングやオーガニックなソーシャルコンテンツなど、エアリーの自社チャネルを通じて訴求され、ユーザー生成コンテンツや自然発生的なインフルエンサー着用によってさらなる露出を得ている。
ブランドは、スリープウェアを個別の集中キャンペーンとして切り出すのではなく、コアマーケティングの一部として統合している。
「我々のマーケティング戦略は、オーセンティシティ、コミュニティ、そして顧客がいる場所で出会うことを中心に据えている」とマコーミック氏は述べた。
「パジャマやスリープウェアは、過去20年間にわたり当社ビジネスの重要なカテゴリーであり続けてきた」。
セット提案と拡張アソートメントで広がる成長余地
「スリープウェアを巡る話題の盛り上がりは、特にエキサイティングだ」とフォイル氏は語る。
「エアリーでスリープウェアを購入する顧客数は前年から倍増しており、拡充したアソートメントによって、このカテゴリーをきっかけにブランドを知る初回購入者が数多く生まれている」。
持続的な需要を支えているのは、プロダクト戦略である。
「いま重要なのは、セットであること、そしてそれを遊び心ある形で着こなせることだ」とマコーミック氏は述べる。
「我々は、ブラレットやボーイショーツといった複数のアイテムを含むマッチングセットを増やすことで、スリープの品ぞろえを拡大してきた」。
さらに同氏は、ワッフルニットやリブ素材といったテクスチャー、ボタンフロントのトップスやワイドレッグパンツといった、自宅から外出まで自然に移行できる洗練されたシルエットも導入していると付け加えた。
今後について、経営陣はさらなる成長余地を見込んでいる。
「パジャマとスリープウェアは、我々にとって成長分野であり、すべてのチャネルでアソートメントを拡大していく計画だ」とフォイル氏は語る。
「お客様の生活のあらゆる場面で求められる、真の快適さ、そして楽しいスタイルと汎用性を提供することに、我々は引き続き注力していく」。
[原文:How Aerie turned pajamas into an all-day, year-round business]
Zofia Zwieglinska(翻訳、編集:藏西隆介)
