都営住宅に住みながら「裕福な生活」は可能? 収入制限があっても贅沢できる“グレーな現実”
都営住宅の入居条件と収入制限について
東京都が管理している都営住宅は、主に低所得者や高齢者、ひとり親世帯など、住宅に困っている人を支援するために設けられた公的な住宅です。
入居には「収入制限」が定められており、世帯構成によって基準は異なりますが、たとえば2人世帯の場合、月収がおおむね15万円前後を上限としています。
ただし、この収入制限は“入居時点”の収入を基準にしているため、入居後に収入が増えたとしても、すぐに退去を求められるわけではありません。
毎年1回の「収入申告」で上限を超えると家賃が段階的に上がる仕組みにはなっていますが、「退去」よりも「適正な家賃を課す」ことを目的としています。
グレーゾーンにある生活実態
こうした制度の隙間を利用して、実際には裕福な生活を続けている入居者もいるといわれています。
たとえば、名義上はパート収入しかない妻が契約者となり、実際の生活費は別居している夫や家族が負担しているケースがあります。
また、親族からの援助や申告していない副業収入、ネットビジネスなどで生活を豊かにしている人も存在します。
SNSでは、「都営住宅に住んでいるのに毎年ハワイ旅行に行っている」「子どもを全員私立に通わせている」といった投稿が話題になることもあります。もちろん、すべての入居者が不正をしているわけではありませんが、制度の公平性に疑問を感じる声が多いのも事実です。
なぜ不正が見逃されるのか
都営住宅の入居者は20万人以上といわれており、行政側がすべての世帯の収入や生活実態を細かく把握するのは容易ではありません。
税務情報は自治体間で共有されていますが、家族からの仕送りやネット収入、仮想通貨などの“グレーな収入”までは追跡しきれないのが現状です。
さらに、入居後に収入が増えたとしても、すぐに退去させる法的な根拠が弱い点も課題です。
家賃を「応能家賃」として引き上げることはできますが、それでも民間の賃貸住宅に比べれば格段に安く、結果的に「お得に住み続けられる」状況が生まれてしまいます。このような制度の仕組みが、不公平感につながっているのかもしれません。
制度の本来の目的を考える
都営住宅の目的は、「住宅に困っている人を支援し、安定した生活を保障すること」です。
そのため、本当に生活に困窮している方々も多く入居しています。一部の不正利用者が注目を浴びることで、真に支援が必要な人への理解や共感が薄れてしまうのは残念なことです。
今後は、マイナンバー制度や行政のデジタル化を活用し、収入や資産、同居実態をより正確に把握する仕組みが求められます。
また、都民の税金によって運営されている以上、「公平な利用を守る」という意識を社会全体で持つことも大切です。
必要な人に届く支援”のために
都営住宅に住みながら贅沢な生活を送る人たちが批判される背景には、社会全体に広がる「不公平感」があります。真面目に働き、高い家賃を支払って生活している人たちからすれば、「なぜ自分だけが苦労するのか」と感じるのも無理はありません。
本当に必要な人に支援が届き、誰もが納得できる公営住宅制度を築くことが、私たちの社会の課題といえるのかもしれません。
出典
東京都 都営住宅の入居資格
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
