カフに敗れた田中恒成(カメラ・小林 泰斗)

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◆プロボクシング▽WBO世界スーパーフライ級(52・1キロ以下)タイトルマッチ12回戦 プメレレ・カフー田中恒成(14日・有明アリーナ)

 世界4階級王者の田中恒成(畑中)が自身初の王座陥落となった。判定で敗れ、無敗の同級5位・プメレレ・カフ(南アフリカ)からベルトを守れず、スーパーフライ級での初防衛に失敗。田中はこれまで3階級のミニマム級、ライトフライ級、フライ級では、すべて防衛と王座返上を繰り返してきたが、挑戦者に王座を奪取される屈辱を初めて味わった。世界戦勝利数は10のまま。

 ▽田中恒成の試合後の会見は以下の通り。

 ―試合を終えて。

 「そうっすね。今はちょっと何にも。どうこう頭回ってない感じです」

 ―内容については。

 「ダウンを1回奪われて、その後ボディーもダメージを与えながら、ちょっと距離をつぶす形での攻防にはなったんですけど、『届かなかったかあ…』っていう思いですね。悔しいです」

 ―判定を聞いた時の心境。

 「こういう負け方は初めてなので、初めての経験というのか、なんかとても悔しいですね」

 ―7月の初防衛戦が中止となっていた。

 「僕はその辺は気持ちが大変なことは何もなくて、フラットにこの試合に臨みました」

 ―今後について。

 「今後は、この先はちょっとわかんないっすね」

 ―リマッチへの思い。

 「それは僕が言葉にするアレじゃないと思うんで、今後はまだ本当に分からないとしか言えないっすね。考えてもなかったです」

 ―試合をしていた時の感覚。

 「ダウンも取られてましたし、こっからまくらなきゃなっていう思いは途中はあって、届いてると思いながら、届くと思いながらやってたのも確かですから。それでも巻き返そうと思って、全てのラウンドを取りに行ったのも確かです」

 ―ダウンを奪われたカウンターはどこに問題があったか。

 「しっかり記憶というのか、覚えてはいるんですけど、どのパンチっていうのがあんまり分かってなくて。何が原因でとかは覚えてないけど、きれいに合わされたなっていう感覚はありますね。ダメージは少しありました」

 ―プロ初黒星を喫した20年12月の井岡一翔戦とも違う心境か。

 「そうですね。全然違う負けだと思います。悔しさしか残らない負け。納得はしてないとか、判定に納得しないとかはなくて、ただ、ここで負けてる自分を納得というのか、悔しさしかないですね」

 ―判定が出るまでの間に相手の手を掲げるアクションをしていた。

 「判定が出る前なんで勝つか負けるか、それには関わらず、正々堂々思い切り戦った相手をたたえたというのか、感謝。相手あってのボクシングなんでっていう気持ちですね」

 ―最終ラウンドのラッシュはどんな思いで仕掛けていたのか。

 「今回の試合、気持ちで戦うことはすごく意識して、自分のグローブにもちょっと入れてた文字とか、あと昨日の試合でたくさん同級生たちも含めて見てて。(岩田)翔吉がチャンピオンになって、(ユーリ)阿久井も防衛して、堤(聖也)と(井上)拓真の試合。堤は崩しにくい拓真に勝って、あの気持ちの強さ、本当におめでとうって思ったし。拓真にはそうですね。この試合勝って、伝えたいこととかもあったんですけど、とにかく今日はそういう意味でも気持ち込めて戦おうと思ってたんで。何としても勝ちたい思いはあったんですけど、残念です」