「壊れていいからそこにいてぇ〜!」 カラーコーンの“誘拐”じつは深刻!? 首都高職員の“捜索”を劇的改善したアイテムとは?
「ハイウェイテクノフェア2024」の首都高速ブースでは、「ステイコーン」という名のカラーコーンが置かれていました。この製品は、多発するカラーコーンの「連れ去り」を抑制する効果があるそうです。
コーンの“誘拐”を防止する“柔軟”な構造
2024年9月26、27日に東京ビックサイトで行われた「ハイウェイテクノフェア2024」の首都高速ブースでは、「ステイコーン」という名の特殊コーンが置かれていました。
展示されていた「ステイコーン」(乗りものニュース編集部撮影)。
首都高メンテナンス神奈川の担当者によると、この製品は、工事規制の際に置かれているコーンを「持ち去られる」ことを防止する素材でできたコーンとのことです。
持ち去りといっても、人が盗むというわけではなく、クルマ、特にトラックの車体下部に巻き込まれて、そのままの状態で運ばれてしまうことを避けるためのコーンになります。
担当者によると、コーンが持ち去られた場合、首都高の備品であるほか、落下物などになると危険が生じるため、パトロールスタッフなどが探しに行かないといけないそうです。
「首都高全体で10日に一度くらいのペースで起きています。本当に何km先までも持っていかれるんです! どこにあるかなんて分からなくて、『どうしても見つかりませんでした……』となって、後で『圏央道でありました!』と連絡がくることもあります」と担当者は話します。
そうした事態を防止するため、「ステイコーン」はコーン部分が柔らかい素材でできており、つぶれたり曲がったりすることで、衝撃力を逃がし、車体の下部に巻き込まれることを防ぎます。
「『壊れてもいいからここにいて!』という思いから『ステイコーン』なんです」と現場の切実な思いが込められた製品であると担当者は明かしました。首都高では5年ほど前から使用されているそうで「(コーンを)探しに行くことはかなり減りました」とのこと。職場環境の劇的な改善につながったといいます。
なお、ステイコーンのベース部分には滑り止めの突起もあり、強風時の滑りや転がりも防止も考えられているそうです。