「ニッケ」と「ユニチカ」/(C)日刊ゲンダイ

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【ライバル企業の生涯給与】

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 9月半ばにさしかかろうかというのに、真夏の暑さが続きます。それでも朝晩はいくらか過ごしやすくなったでしょうか。

 あと少しすると肌寒さを感じるようになり、日が沈んだあとは羽織るものが欲しくなるかも……。薄手のウールなんかがいいかもしれません。

 今回は繊維業界の「ニッケ」と「ユニチカ」の社員待遇を比較してみます。

 ニッケの正式な社名は「日本毛織」ですが、通称のニッケで親しまれています。設立は1896(明治29)年。毛織物の製造からスタートし、現在は「衣料繊維」「産業機材」「人とみらい開発」「生活流通」の4事業を展開しています。繊維分野では学生服や企業の制服などの分野で知られます。高品質のウール製品を主力に技術革新、環境保護にも注力しています。

 ユニチカは1889(明治22)年に設立された総合化学メーカー。現在は繊維、化学品、プラスチック、機能材料など多岐にわたる製品を提供しています。特にナイロンやポリエステルといった合成繊維、フィルム、特殊紙が強み。新型コロナ禍では医療用ガウンの供給に貢献した企業のひとつです。

 業績はどうでしょうか。売上高はニッケ(2023年11月期連結)が1135億円、ユニチカ(24年3月期連結)が1183億円。営業利益は110億円とマイナス25億円、純利益は76億円とマイナス54億円です。ユニチカは円安の影響を大きく受けました。

 有価証券報告書によると、社員の平均年収はニッケが561万円、ユニチカが562万3000円です。役員報酬は1人あたり平均で2110万円と1190万円となっています。

 年代別の推定年収は、30歳時はニッケが412万円、ユニチカが448万円。40歳時は512万円と557万円、50歳時は578万円と629万円です。

 生涯給与はこうなります。

▽ニッケ…1億8200万円
▽ユニチカ…2億800万円

 両社の社員がこの収入に応じた平均的な支出を続けた場合、65歳時の推定資産(貯蓄可能額)はニッケ4161万円、ユニチカ4779万円です。85歳時は452万円と652万円。どちらも安定した老後が待っていそうです。

(データ提供「Milize」=https://milize.co.jp)