涙の“再出発”宮田笙子は両足首が「骨折に近い状態」で奮闘 恩師の田野辺氏は安ど「原点に返って歩き出したんじゃないかな」

　「国民スポーツ大会・体操」（７日、ＳＡＧＡサンライズパークＳＡＧＡアリーナ）

　成年女子が行われ、７月に未成年飲酒・喫煙騒動でパリ五輪代表を辞退した宮田笙子（１９）＝順大＝が、騒動後初の実戦に挑んだ。福井県代表として３種目に出場し、チームの合計２１３・０９６点での優勝に貢献。演技前から涙ぐんでいたが、演技が終わると号泣して喜んだ。

　鯖江高の恩師の田野辺満氏は、教え子の“再出発”を見守り、「よく試合したという状況」と振り返った。元々調子がよくなかった両足首の状態が「骨折に近いぐらいの状態」で、５日の段違い平行棒の練習でぎっくり腰も発症したことを明かした。

　「１種目目でいろんな思いもあって、大会出るか出られないか、これまでの思いも本人も心配だったと思う。ずっと一緒にやってきた深沢こころがそばにいて心強かったと思う」と心境を思いやった。今後については「分からない」としながらも、「体操競技が好きかどうか、そこまで原点に返っていろいろ考えて歩き出したんじゃないかな」とうなずいていた。

　宮田は未成年ながら６月末から７月にかけて飲酒と喫煙を行ったことで、日本オリンピック委員会が定める「国際総合競技大会派遣規程」と日本体操協会の「日本代表選手・役員の行動規範」に違反。五輪開幕直前の７月に代表を辞退した。今大会が騒動後初の実戦で、５月のＮＨＫ杯以来４カ月ぶりの大会となる。