Yahoo! JAPANやLINEアプリの運営を行うLINEヤフー(LY)が、発行済みの自社株の5.13%(1500億円)を上限に公開買付け(TOB)を実施すると発表しました。

当社子会社(LINEヤフー株式会社、証券コード4689)による自己株式の取得および自己株式の公開買付けならびに当社子会社(Aホールディングス株式会社)による応募に関するお知らせ | ソフトバンクグループ株式会社

https://group.softbank/news/press/20240802



SoftBank and Naver to Sell Down Stake in Japan’s Line App - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-08-02/softbank-and-naver-to-sell-down-stake-in-ly-s-1-billion-tender



Line app operator announces buyback, SoftBank, Naver voting rights to fall | Reuters

https://www.reuters.com/technology/softbank-naver-jv-tender-minor-stake-line-operators-1-bln-buyback-2024-08-02/

2024年8月2日、ソフトバンクが子会社であるLINEヤフーが自社株のTOBを行う予定であると発表しました。これは、LINEヤフーの流通株式比率を、東証プライムでの上場を維持するために必要な「35%以上」に引き上げることを目的としたものです。2024年3月時点でのLINEヤフーの流通株式比率は34%で、東証プライムの上場基準を満たしていませんでした。

LINEヤフーは日本のソフトバンクと韓国のNAVERによる合弁会社であるAホールディングスから発行済み株式の最大5.13%を1株388円で買い戻す予定です。これによりAホールディングスの議決権比率は最大で62.50%まで低下する見込みですが、TOB後もAホールディングスは引き続きLINEヤフーの親会社にとどまることとなります。



LINEはNAVERのクラウドサービスをユーザー情報管理に利用しているため、2023年にNAVERがクラウドサービスにサイバー攻撃を受けたことで、LINEユーザーの個人情報が大々的に漏えいする事態が発生しました。これを受け、総務省はLINEヤフーに対して行政指導を実施。LINEヤフーへの出資比率がソフトバンクとNAVERで50対50になっていることが、LINEをサイバー攻撃に対して脆弱(ぜいじゃく)にしていると指摘していました。

しかし、韓国国内での世論の反発を受け、当面は折半での出資が継続するものと見られていました。

LINEヤフーの資本見直し当面断念 韓国・ネイバーの出資継続へ:朝日新聞デジタル

https://www.asahi.com/articles/ASS7J2PBZS7JULFA00QM.html



LINEヤフー “韓国企業との資本関係見直し 短期的には困難” | NHK | 通信

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240701/k10014498521000.html



LINE生みの親・ネイバー「支配」 政府が異例の口出しをした背景 | 毎日新聞

https://mainichi.jp/articles/20240701/k00/00m/020/251000c



なお、資本関係の見直しなどで懐疑的な目を向けられてきたLINEヤフーですが、2024年8月2日に2024年度第1四半期(4〜6月)決算を発表しており、売上高は前年同期比で7.6%増の4630億円、調整後EBITDAが前年同期比で21.7%増の1217億円を記録しています。これは決済サービスのPayPayや、オンラインショッピングサイトのZOZO、事務用品通販のアスクル、Yahoo!ショッピングなどの好調によるものです。