スシライス、バナナと合わせる…日本と全然違う!?世界の「お米」事情について調べてみました

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日本人の食生活に欠かせない「お米」。海外の方はどのように食べているのでしょう?今回はアメリカ、ブラジル、イタリアのお米事情を現地の方にインタビューしました。

アメリカ在住日本人に聞いた!アメリカのお米事情



Kitano Annaさん


フローリスト。東京、ロンドン、ニューヨーク、ヒューストンで活躍。幼少期よりアメリカを中心として様々な国の世界観に触れながら感性を養った。生花、食器、紅茶を基にロンドン/NY にて数々のラグジュアリーイベントやリッツカールトンホテルなどの装花を行い、東京ではフラワーレッスンを主宰。

アメリカでは「スシライス」という概念がある⁉️


−アメリカではお米はどれくらい親しまれているんでしょうか?

Annaさん:「お米はかなり一般的に食べられています。メキシコなどヒスパニック系の方々は、主食に近い形でお米と豆を食べていますね。例えばアメリカの食文化で定番のメキシカン料理には、お米が欠かせません。 ブリトーにはお米が入っている場合が大半、一品料理やエンチラーダ(トルティーヤに具をのせて巻いたものに、サルサソースをかけて焼いた料理)などでの付け合わせにお米が付いています。メキシコ料理においてのお米は、ただの白米ではなく、若干酸味のあるケチャップライスのようなもので、ごく少量のミックスベジタブルが混ざっています」




スーパーで売られている、メキシコ料理・ファヒータのボウル

−Annaさんはどれくらいの頻度でお米を食べていますか?

Annaさん:「私自身は毎日お米を食べるので日系スーパーで買ったお米をストックしています。スーパーの寿司、ファーストフードのポケ丼、ギリシャ料理のお米メニューなど広く食べていますよ」




「錦」というブランドは、アメリカで手に入りやすいお米。日本米の中では安めなのだそう

−アメリカで食べられているお米は、日本のお米と違っていますか?

Annaさん:「アメリカのお米はおいしくなさそう、というイメージがあるかもしれません。しかし近年は、品種や調理法も発達し、日本米も数多く存在しているので、『アメリカのお米はおいしくない』というのは変わってきていると思います。白米と寿司用のお酢入りの米の違いも認識としてスタンダードになってきています。寿司用のお米は、スシライスと呼ばれ、アメリカでも浸透しています」




コシヒカリは約7kgで39ドル。およそ6200円

アメリカで流行中!お米を使ったあのスイーツ


Annaさん:「お米そのものではないですが、アメリカではもちアイスが大流行しています。お餅単体では認知度はほとんどありませんが、もちアイスとしてかなり知られていて、アメリカのどこのスーパーでも大抵販売されています。あと、ポピュラーとまではまだ行きませんが、『おにぎり』も少しずつ出ては来ています」

−海外で人気のお米料理といえば、寿司のイメージがあります。

Annaさん:「お寿司はアメリカで認知度100パーセント。本当に定番の料理です。ただ私たち日本人は、寿司=握り寿司ですが、海外ではSushi =のりまきという認識になります。一般的にSushiが好きだと言っても、握り寿司はあまり食べたことがないor苦手という方は多いですね」

アメリカ料理だけで考えると、スープにお米が入っていたり、リゾットだったり、ちょっとした付け合わせなど、お米を使ってる料理は限られるのだそう。しかしアメリカはいろんな人種が住んでいるので、料理も多国籍。お米を使っている料理は多く、アメリカ人もみんなそれを当たり前のように食べているようです。

(画像提供:Annaさん)

ブラジル人シェフに聞く、ブラジルのお米事情


モレーナ・レイテさん



1999年にパリのル コルドン ブルーを卒業し、その後サンパウロで、 18年間レストラン「カピンサント」のオーナーとして活躍。 シェフとしてだけでなく、市立劇場、ブラジル邸博物館、大竹富江研究所などのレストランでブラジル料理の普及をしている。

ブラジルで米は「3つの主食」のひとつ


日本ではお米を主食として食べていますが、ブラジルでお米はどのような位置づけなのでしょうか。まずはブラジルの主食についてうかがいました。

レイテさん:「ブラジルには3つの主食があります。ひとつめは米、そして豆、あとはファロファです。この3つは食卓で同じ皿に盛り付けられ、各自が好きなものを食べます。この組み合わせはブラジルの5つの地域で食事のベースとなっています」

−日本と同じく、お米が主食になっているのですね。主食が3種類あるというのは驚きです!「ファロファ」というのはどのような食べ物ですか?

レイテさん:「ファロファはキャッサバのでんぷんからできている粉状の食べ物です。パン粉とクスクス(モロッコで食べられている粒状のパスタ料理)を合わせたようなものをイメージしてもらうと近いかもしれませんね。」

−なるほど、わかりやすいですね!この3つの主食は、それぞれどのような味付けがされているのですか?

レイテさん:「米にはにんにくや玉ねぎを入れて、塩味をつけます。豆は煮込みにすることが多いです。ファロファには、干し肉やソーセージ、バナナを入れることもあるんですよ」




ファロファ(画像提供:AdobeStock)

−バナナを入れるんですか!塩味のお米と一緒に食べるとどんな味がするのか、とても興味があります。
ブラジルではこの3つの主食だけで食事が完了することもあるそう。豆はタンパク質が豊富なので、炭水化物の米やファロファと組み合わせると、栄養のバランスが成立するということですよ。

レイテさん:「私は学校の給食にかかわる仕事もしています。子どもたちが肉や魚を食べたがらなくても、豆のタンパク質があれば安心です。また、裕福な家庭なら、3つの主食に肉や野菜をプラスすることもありますよ」

−米、豆、ファロファのセットは、家庭でも学校でも食べられているのですね。この料理は、週に何回くらいのペースで食べているのでしょうか?

レイテさん:「世界の米料理というと、スペインのパエリアやイタリアのリゾット、インドのビリヤニなどが有名ですね。しかし、これらの料理は現地で毎日食べられているわけではありません。一方、ブラジルでは毎日お米を食べていますよ」

−毎日お米を食べているという点は、日本とブラジルで共通しているのですね。お米がブラジルの食生活に欠かせないことがわかりました。

ブラジルのお米は日本とどう違う?


ブラジルの食生活にお米が欠かせないものであるということをレイテさんから教えてもらいました。日本で私たちが普段食べているお米と、ブラジルのお米の食感や味は同じなのでしょうか?お米の品種について教えてもらいました。

レイテさん:「日本のお米は、もちもちとした食感の品種(うるち米)ですよね。ブラジルのお米はパラパラとした食感です。日本米はお米の粒どうしがくっつきますが、ブラジルのお米はくっつきません」

ひと粒ずつがパラパラに離れているというブラジルのお米。パラパラ食感のお米はイタリアやタイにもありますが、それらとはまた違う品種だそうです。

レイテさん:「豆の煮込みと一緒に食べるとき、豆の煮汁をご飯が吸収して、少しふやけたようなやわらかい食感になります。それを煮込みと一緒に食べます」

豆の風味を吸収したご飯、どんな味がするか食べてみたくなりますね。

ブラジルには、お米を使ったソウルフードがある!


ブラジルは、地域によってお米を使ったさまざまな料理があるそうです。レイテさんに2つのお米入りソウルフードを教えていただきました。

レイテさん:「まず1つめは『カンジャジガリーヤ』です。鶏ガラだしのスープにご飯と鶏肉、いろいろな野菜が入っています。家庭では家族の体調が悪い時に、お母さんがいつも作ってくれる雑炊のような料理です。とても栄養価が高くて、女性が出産した後、最初に病院で出てきます」

− 出産後の体をいたわるメニューとしても採用されているくらい、栄養価が高いスープ料理なのですね。

レイテさん:「2つめは『ガリニャーダ』です。煮込んだ鶏肉をフライパンで焼き、割いてお米に加えた、リゾットのような料理で、すぐに作りやすいです。ブラジル人は週末に焼いた丸鶏を食べるのが好きで、残った鶏肉を翌日にガリニャーダにして食べます」

− こちらも鶏肉入りでおいしそうです!丸鶏から作ると、いろいろな部位の肉が入って鶏肉のうまみが濃く感じられそうですね。レイテさんにレシピを教えていただきました。


ブラジル人シェフが直伝!ガリニャーダ

by クックパッド編集部

ブラジルで定番のソウルフード。鶏肉入りトマトリゾットのようなレシピです。

お米に合うのは何?ブラジルの「お米メインの献立」


お米の入ったメニューの次に、お米と一緒に食べる料理についても教えてもらいました。

レイテさん:「ブラジルでは、お米と一緒にシチューを食べます。エビを使ったシチューや牛肉のストロガノフをかけて食べたりします。あとは焼き物を添えることもありますよ」

− シチューやストロガノフと一緒にお米を食べることが一般的なのですね。この場合のお米は、どんな味付けをするのでしょうか?

レイテさん:「ご飯に何かをかけて食べる時は、お米にはほとんど味付けしません。一緒に食べるシチューを引き立てるためです」

− 日本の丼料理のようなイメージでしょうか。あえて主張するような味をつけていないご飯が、シチューのおいしさを引き立ててくれるのですね。

ブラジルの若者層に日本食が人気!?


お米が主食、という共通点があるブラジルと日本。いま、ブラジルの若者の間では、日本食がブームになっているそうです。人気のメニューについて教えてもらいました。

レイテさん:「ブラジルの若者は日本の文化が好きで、サンパウロ(ブラジルの都市)には日本食のレストランがたくさんあります。寿司やオムライスが人気なんですよ」

− 海外での寿司の人気はよく知られていますが、オムライスも人気が高いのですね!少し意外でした。

レイテさん: 「オムライスは価格が手頃で、多くの人が食べられるところが人気です。お寿司や手巻き寿司は現地の12〜16歳の子どもたちの間で本当にフィーバーになっています。みんな本当に大好きで、私もよく『学校で日本食を出して』と言われます」

学校給食にリクエストが来るほどの人気とは、すごいですね!

これをぜひ食べてみて!おすすめブラジル料理を聞きました


最後に、レイテさんにクックパッドニュースの読者の方へメッセージと、ぜひ食べてみてほしいおすすめのブラジル料理をお聞きしました。

レイテさん:「ブラジルの代表的な作物・キャッサバを使った料理はぜひ食べてみてほしいです。また、先ほどご紹介したエビのシチューもおすすめですよ。さらに、ブラジルではお米に甘い味付けをして食べることもあるんですよ!ココナッツミルクを入れたり、シナモンを入れたりします。これもぜひ食べてみてくださいね」

− レイテさん、ありがとうございました!

リゾットが人気のイタリアのお米事情は?


イタリアの米料理といえば、日本でもリゾットが人気ですね。その他にもお米を食べる習慣はあるのでしょうか?

イタリア北部のロンバルディア州に本社を置くEURICOM社に勤務する西條功太郎さんに、イタリアの食文化とお米についてうかがいました。

EURICOM社プロフィール


イタリア随一の米どころである北部ロンバルディア州・ヴァッレロメッリーナに本社を構えるEURICOM社は、地元のイタリア米はじめアジア産米や米を原材料とする各種製品を取扱う欧州主要国に拠点を構える製造・販売会社。

イタリアの主食はパスタだけ?


−日本では、イタリアの主食で真っ先に思い浮かぶのはパスタという方が多いと思います。

西條さん:「イタリアの主食はパスタだけでなく、お米も主食の1つです。一般的にはイタリア南部はパスタを食べる機会が多く、北部はリゾット等のお米料理を食べることが多く、レストランのメニューも北部の方がお米料理のバリエーションが豊富です。やはりお米の主要産地が北部にあるせいかと思います」

−北部と南部で、メインとなる主食が異なるんですね。レストランや一般の家庭では、それぞれどんな時間帯やシチュエーションでお米を食べているのでしょうか。

西條さん:「イタリアでは、朝食はシンプルにブリオッシュやクロワッサンとカプチーノというのが一般的なので、お米やパスタは昼食や夕食に食べることが多いです。レストランでは、アンティパスト(前菜)の後のプリモピアット(第一の皿)として、お米料理あるいはパスタを食べるのが普通で、パスタかリゾットどちらかを選びます。昼食ならプリモピアットだけで済ますことも多いですが、夕食はさらにセコンドピアット(メイン料理)を注文して、肉か魚を食べます」

−朝からお米を食べる習慣はあまりないのですね。一般の家庭ではお米をどのように食べているのでしょうか?

西條さん:「日本ですとリゾットはレストランで食べるもので、家で作ることはあまりないと想像しますが、イタリアではリゾットもパスタと同じくらい家で普通に作ることが多いです。週末に家族親戚が集まって、大きな鍋で大量にリゾットを作って、皆で取り分けて食べるのもよく見られる光景なんです。リゾットもパスタ同様、各家庭で独自のレシピがあって、代々受け継がれたマンマ(おふくろ)の味を皆でワインと共に楽しみます」

−確かに、日本の家庭ではリゾットを作ることはあまりないかもしれませんね。イタリアの家庭で、パスタと同じくらいリゾットが作られるというのは驚きました。大きな鍋で作ったリゾットを家族や親戚と食べるのはとても楽しそうです!

日本米とイタリア米の特徴の違いとは


−次に、リゾットなどの料理に使うお米の種類について教えてください。

西條さん:「リゾット用の品種は、日本のお米と同じジャポニカ種(短粒種)やその亜種でジャバニカ種に分類されるお米です。代表的なイタリアの品種は、リゾット用で最もポピュラーなカルナローリ種はじめ、アルボリオ種、ローマ種、ヴィアローネナーノ種などがあり、それぞれ少しずつ大きさや歯ごたえが変わります。リゾットを作る時、お米に出汁を吸わせることが大切ですが、水分を含んでも形が崩れにくいように日本米よりも粒がやや大きめです」

−いくつもの品種のお米が使われているんですね。




イタリア米のリゾット(画像提供:AdobeStock)

西條さん:「日本米と大きく異なるのはでんぷん質の部分で、日本米よりも粘り気が少なく、調理後も歯ごたえを残す(アルデンテに仕上げる)ことができます」

−パスタ同様、リゾットもアルデンテに仕上げるのですね!日本米と同じ短粒種に分類されているお米ですが、日本米と違う点もいろいろとあることがわかりました。日本のご飯とは、調理方法はどのように違うのでしょうか?

西條さん:「日本のお米の調理法との主な違いが3つあります。1つめは洗わずに直接炒めること。2つめは、炒めた後に『ブロード』という出汁を吸わせて調理・仕上げをしていくこと。3つめは歯ごたえよくアルデンテに仕上げるということです」

−日本の「炊く」調理方法とはだいぶ違うのですね。

西條さん:「イタリアのお米は日本のように『炊く』ことを想定していないので、今お話ししたでんぷん質の違いがイタリアの調理法にフィットします。日本では炊いた後のお米の粘り気が重要になってきますが、イタリアは出汁を含ませていくことが大切なので、お米自体は粘り気が少ない方が好ましいんです」

−お米に粘り気がないほうが、出汁の含みがよいということですね。イタリア米の特徴を活かす調理方法だということが、お話からよくわかりました。

地方ごとの名産を使ったリゾットがある


−イタリアのリゾットには、どのような種類がありますか?

西條さん:「シンプルにお米の歯ごたえを味わえるのは、サフランで香りを付けてチーズで和えた黄色いミラノ風リゾットや、パルメジャーノチーズで和えたリゾットです。それらに季節の食材を混ぜることもあります。各地方で名物リゾットも多く、例えばヴェネツィアではイカ墨のリゾット、南イタリアでは海老や貝の出汁をふんだんに使った魚介のリゾットがおすすめです。また赤ワインの産地では、赤ワインを加えたリゾットも地元のレストランで食べられます」

−チーズやワインなど、日本でイメージするイタリア食材を使ったリゾットがポピュラーなのですね。赤ワイン入りのリゾット、どのような味わいなのか興味があります。他にはどのようなリゾットをご存知ですか?

西條さん:「秋限定のメニューで、フレッシュポルチーニ茸のリゾットや白トリュフのリゾットは格別です。特に米の産地に近いピエモンテ州の赤ワイン(バローロやバルバレスコ等)と合わせるとすばらしいハーモニーとなります」

−秋限定のキノコのリゾット、おいしそうですね!リゾットについての面白いエピソードや豆知識があれば、教えていただけないでしょうか。

西條さん:「白トリュフの季節(9-12月)には、白トリュフを1グラムいくらの量り売りでリゾットに振りかけてくれるレストランが多くありますが、量り売りと知らずに、ストップをかけずにどんどんかけてもらうと会計の時にとんでもない値段になるということが起きます。最初に『何グラムかけて』と言って、足りなければ後から増やしてもらうのがおすすめです」

−白トリュフの量り売り!そんなシステムがあるんですね。知らずにレストランに入ったら、確かにたくさんかけてもらってしまいそうです。これからイタリアに行くことがあれば、ぜひおすすめの方法でオーダーしたいと思います。

リゾット以外にも色々。イタリアのお米料理


−お米を使った料理は、リゾット以外にどのようなものがあるのでしょうか。

西條さん:「夏はハムや野菜などと一緒に、さっぱりと冷たくした『Insalata di Riso(インサラータディリーゾ − お米のサラダ)』もレストランのメニューに載ってきます。お米のサラダが始まると、夏の到来を感じます。夏の日差しを浴びながら、テラスでキンキンに冷やしたロゼのスプマンテと合わせると最高です」

−サラダ仕立てのお米というのは日本では馴染みがないので、どんな味わいなのか興味深いです。イタリアの夏の風物詩なのですね。

西條さん:「また、シチリアやナポリではお米をトマト味で味付けし、チーズ等を包み込んで揚げた『Arancini(アランチーニ - ライスコロッケ)』も名物です」

−ライスコロッケは、日本でもレストランで提供している場所が多い印象です。熱々のコロッケの中からとろりと出てくるチーズがたまりませんね!




ライスコロッケ(画像提供:AdobeStock)

イタリア国内、ヨーロッパ圏内の米の需要は増加している


イタリアの食生活に欠かせない存在となっているお米。西條さんによると、近年イタリアでは米の需要が増加傾向にあるとのこと。今後の増加予想を教えていただきました。

西條さん:「金額ベースで、イタリアの米市場規模は2024年に23億ドル、2029年までに30億ドルに達すると予測されています」

−どのようなことが理由で、増加していると考えられるでしょうか。

西條さん:「健康志向の高まりやグルテンフリー嗜好が重なったことが主な理由と考えられます。また、生のお米はもちろんのこと、リゾットをはじめさまざまなReady to cook商品(※)、冷凍食品が多くのブランドで製造されています。さらに、お米を原材料とした健康志向のスナックやお菓子も、イタリアのみならずヨーロッパ全体で人気が高まっているんです」

※下ごしらえが済んでいる半調理品、ミールキットのこと

−人々の健康志向の高まりが米の需要アップにつながっているんですね。ヨーロッパ全体のお話が出ましたが、ヨーロッパ圏での近年の米の需要について、傾向があれば教えてください。

西條さん:「自国の食文化や食の歴史に誇りを持ち、欧州の中でも相対的に食にコンサバなイタリアでも、食の多様化の波は来ています。お米もイタリア産のお米のみならず、インドやパキスタンからのバスマティ米や、タイ等からのジャスミン米等の長粒種や、日本食や寿司の市場拡大に合わせた日本米に近い短粒種の伸びが米の消費をけん引しています。そして、その動きはイタリアだけでなく欧州全体で見られる傾向で、お米を主食とする主にアジア諸国からの移民の増加もその要因の一つとされます」

−食の多様化や移民の影響で、ヨーロッパ圏内のお米の品種多様化と需要アップが起きているということですね。今後も世界のお米人気の行方が楽しみです!西條さん、ありがとうございました。