【山本 昌義】もう「専業主婦志望の女性」は見向きもされない…男女で「決定的に異なる」認識

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前編『「高望み女性」と「専業主婦志望」どちらが男性にとって絶望的か…30代年収800万円の男性の本音』でお伝えした通り、最近の男性は自身が高年収であるほどに、結婚相手を選ぶ際には、女性にも相応の年収を求める傾向にあります。そして結婚後は共働きして支え合いたい、これが最近の男性にありがちな願望といえます。また最近の男性は、これが叶わないなら「ムリに結婚したくない」とも考えがちです。

一方で日本仲人協会のアンケートによると、女性の多くは未だに高望みを含めた上昇婚を希望しています。誰しも、より好条件の相手と結婚したいですから、内面が見えにくい結婚相談所において、上昇婚を望むのはある意味で当然のこととも言えます。

しかし、どのような相手を望むかは相手男性も自由。客観的に見て、婚活における自身の市場価値を考えながら活動することが必要です。

山崎隼人さんは、都内の大手企業で営業として働く30歳で年収800万円の独身男性です。彼は周囲の男性の多くが才色兼備な女性と結婚する姿を見て、「自分もそういう女性と結婚して支え合いたい」と思い、婚活を始めました。しかし婚活を始めたところ、多くの女性から連絡はきたものの、その大半は容姿は美人な方がいたものの、低年収女性ばかりだったのです。

隼人さんは「相手の年収は交際してから、結婚してからでもいいかな」と考え直し、何人かの女性と会ってみることにしました。

専業主婦希望

隼人さんが実際に何人かとデートしてみると、その女性たちは悪い意味で想像以上でした。

彼女たちは総じて、「専業主婦になって自分を支えたい」というのです。また働く意思があっても、「パートでなら」という女性も多かったといいます。少なくとも、共働きで支え合いたいと考えている彼には、とても受け入れられる姿勢ではありませんでした。

彼の周囲の既婚女性のほとんどは、結婚後も正社員として働き続けています。出産しても保育所や時短勤務を使って働いていて、中には旦那を専業主夫にしている女性もいたほどです。彼自身、共働きの両親に育てられたこともあり、仕事にも熱心に取り組む女性にこそ魅力を感じていました。それに比べて、明らかに「働く意思」を感じられない女性たちに、落胆してしまったといいます。

彼はその後も婚活を続け、彼が望むような女性との出会いも少なからずあったそうです。

しかし、そういう女性でさえも、「いざとなれば専業主婦になれるから」という理由で彼を選んだらしく、その考え方がどうにも受け入れられなかったといいます。頼りがいのある年上女性とも会いましたが結果は変わらず、彼は少しずつ女性への嫌悪感を募らせていきました。

アプリではダメだと思った彼は結婚相談所にも入ったものの、それでもダメで、出会うことができるのは総じて「一方的に支えて欲しい女性」ばかりだったといいます。

その願望は彼からすると重荷にしか感じられず、次第に彼は結婚自体に価値を見出せなくなっていったのでした。

「もはや結婚は不要」と強い決意をする

最終的に婚活を始めて3年で、隼人さんは結婚を断念しました。婚活自体、けして楽しいものではなく、むしろ苦しみの連続で、精神的にも経済的にも、これ以上は続けていられないと判断したそうです。同時に女性不信が高まり、ムリに結婚しても、かえって不幸になるだけと考えたといいます。

そうして婚活を止めてからは、解放感で一杯だったと言っていました。同時に結婚を考えなくなったからこそ、ヘンに意識せず女性とも会えるようになり、かえって日々が充実しているともいいます。またこの頃には、うらやましいと思っていた周囲で離婚する方も出たらしく、改めて結婚のリスクと、自分の判断も間違いではなかったと考えたとのことでした。

最近では結婚を諦めたからこそ、今まで以上に仕事と貯金にはげみつつ、資産運用も始めたといいます。まれに女性から言い寄られることもありますが、きっぱり結婚はしないと言い切っているそうです。

「今となっては、結婚を断念して本当に良かったと思っています。自分だけが一方的に一生支えるなんてまっぴらですからね。幸い、最近では周りで同じように考える方もいますし、未婚でもヘンな目で見られることもありません。私なら一人でも十分な貯金もできますし、今後は仕事と趣味人生を充実させていきます!」

男性側の専業主婦希望はわずか数%

国立社会保障・人口問題研究所の2021年「第16回出生動向基本調査」によると、結婚する女性に専業主婦を望む男性は、わずか6.8%という結果です。また同調査によると、男性が女性に経済力を求める項目が、ここ30年で約2倍(48.2%)になっています。少なくとも最近の結婚は、男性が女性を一方的に養うような形では成立しにくくなっているのが現実です。

この理屈は、パート希望などでも同じといえます。男性にとっての共働きとは「互いに正社員」が基本であり、だからこそ支え合うことが可能です。パートでは、男性が働けなくなっても支えられません。子どもが小さかったり職場環境が悪かったりなら、相応の理解を示す男性は多いですが、愛情が後回しの婚活においては、やはり難色を示す傾向にあります。

本編の隼人さんは少しこだわりが強い男性でしたが、男女の立場を逆にしてみると理解できるのではないでしょうか。恋愛結婚の場合はともかく、最初から働く意欲のない、パートナーに依存する男性と結婚したい方は中々いません。人並み以上に仕事に取り組む女性なら尚更です。

幸い、大抵の男性は正社員なら、年収の高い低いを気にすることはありません。ひいては、高望みも相応に受け入れてくれる可能性があります。しかし、専業主婦希望などの「なるべく働きたくない姿勢」だけは控えることがおすすめです。

また、未来の子どものため、そして旦那さんが働けなくなった時のためにも、結婚後も働き続ける姿勢は必要です。

男女比率を見ると意外にも女性多数

地域差もありますが、今や東京などでは婚活男女の比率が4:6とも3:7とも言われています。この理由は様々ですが、本編の隼人さんのような経験をした男性が結婚を避けるようになったのも一因です。

また女性の50歳時未婚率(旧生涯未婚率)も今や20%近くに達していますし、仮に結婚できても今や3組に1組が離婚するのは有名な話といえます。筆者の予測では当面、女性にとってこの状況が有利に変わることはないでしょう。

男性の考えの変化も合わせて考えれば、もはや「男性に生涯を養ってもらう」という前提の人生設計は極めて危険です。そのような男性とは結婚できたらラッキー程度に考え、できないことを前提に考えたほうが無難といえます。そして、そういう男性と結婚できないということは、女性も少なくとも自活できる程度に、生涯働くことが必要といえるでしょう。

前編の末尾でも触れた通り、最近では「高年収同士・低年収同士」の結婚が主流です。見方を変えれば、女性も年収を上げるほどに、ハイスぺ男性と結婚できる可能性が高まります。年収を上げるほどに、ムリな結婚を狙わなくて良くなりますから、結果的に少なくとも結婚できる可能性は高まるはずです。

特に正社員経験のない方からすれば、正社員として働くことに強い抵抗を感じる方も珍しくありません。とはいえ結婚せずに生涯を自活するなら、最終的には正社員になることが必要という結論になるはずですし、結婚するにしても正社員のほうが有利です。結婚して支えて欲しい気持ちはほどほどに、まずは女性も生涯を通して働き続ける気持ちを持ちましょう。

男性も女性に「高年収」を求めていた…42歳の女性がハイスぺ男性と結婚できた「納得の理由」