会見を行ったフィギュアスケート世界選手権代表【写真:矢口亨】

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3月の世界選手権代表が会見

 来年3月に行われるフィギュアスケート世界選手権(カナダ・モントリオール)の男女シングル代表6選手が25日、長野県内で会見に出席した。24日まで開催された全日本選手権で優勝した男子の宇野昌磨、女子の坂本花織らが意気込みを語った。

 全日本選手権では宇野、坂本が優勝。2位に入った鍵山優真、千葉百音とともに代表に選出された。男子の3枠目は同4位で、グランプリ(GP)ファイナルに出場した三浦佳生。女子は同7位で、GPファイナル3位の吉田陽菜が選ばれた。

 以下、会見の一問一答。

――代表に選ばれた心境と、世界選手権に向けた意気込みを。

三浦「選ばれて凄く嬉しい。今シーズンの目標の一つだった。出場するからには勝ちに行くつもりで頑張りたい」

鍵山「代表に選ばれて凄く嬉しい気持ちもありますが、今のままだとトップに立てないという実感も感じている。もっと構成、クオリティを上げてトップを目指していきたい」

宇野「とても光栄。世界選手権に向けて最善を尽くしたい」

坂本「優勝して決めることができて嬉しい。パーフェクトな演技で自分らしく滑れたら」

千葉「初めて世界選手権に選ばれて嬉しい。シニア1年目としてのびのび滑ってこられたらいいなと思う」

吉田「全日本の結果は悔しいけれど、他の試合が評価されたのは嬉しい。しっかり責任をもって、気を引き締めて頑張りたい」

代表発表時は…宇野「プライベートな食事を」坂本「後ろからついていった」

――代表が発表された時の状況と心境は。

三浦「昨日は隣にいる鍵山選手と、佐藤駿選手と焼肉屋にいた。食べながらずっと結果を待っていた」

鍵山「三浦選手と食事をしながら結果を待っていた。緊張感もありながら代表発表を待っていて、選ばれた時は嬉しい気持ちになった」

宇野「プライベートな食事をしていた。(発表に)気づいたのは夜12時を回っていたので、早くゲームをしたいなという気持ちでした(笑)」

坂本「ドーピング検査をしている最中、10時30分でまだ出てないなと。ちょうど検査が終わる頃、発表の紙を貼り出す人が歩いていたので後ろからついて行って、掲示されるのを見た」

千葉「お母さんと2人で車で戻る途中、Xで公表されていたので、ドキドキしながらお母さんと見ました」

吉田「10時半にご飯を食べていた時は出ていなかったので、ホテルに戻ってやっと出たときは素直に嬉しかった」

――宇野、坂本は優勝なら世界選手権3連覇。胸にあるモチベーション、思いは。

宇野「順当にいけば優勝できないと思っている。連覇している自分としていくというより、僕が今までで最高の演技をしないと優勝はない。あまり3連覇に重圧を感じている場合じゃないかなと自分の実力からして考えている。最善を尽くすことだけを考えて調整、試合に臨みたい」

坂本「世界選手権3連覇は、今季ずっと言ってきた目標。達成したい。全日本のSPはよかったけれど、フリーは細かいミスが多かったので、修正して世界選手権でもっと良いパフォーマンスができるよう頑張る」

――世界選手権で3枠を獲得できれば、翌年の五輪代表がかかる枠組みの大会を優位に進められる。初代表の3選手はどのような演技をしたいか。

三浦「本来は宇野選手、鍵山選手がいれば枠は絶対大丈夫と思っているけれど、自分も引けを取らない演技をしたい。チャレンジャーなので、のびのび滑りながら少しでも良い結果を求めてやっていければ」

千葉「シニア1年目としてのびのび演技する中で、自分の良さを十分出して、自分が満足するパーフェクトな演技ができれば結果はついてくる。来年のためにも、という思いも片隅に置いて、まずは自分のできる最高のパフォーマンスができれば」

吉田「責任はあるのでしっかり自覚して、まずは自分の力を出し切らないと結果はついてこない。精一杯練習すれば、その練習が結果に繋がると思う。まずは全力で責任をもって練習したい」

世界選手権のイメージは 三浦「羽生結弦選手のホープ&レガシー」

――初出場の3選手は世界選手権に対するイメージ、思い出の場面はあるか。

三浦「子供の頃から夢だったし、2年前に補欠選手から繰り上がりで出場予定だったけれど、怪我で出られなかった悔しい大会でもある。こうして代表の座を掴めて嬉しい。好きな名場面は、羽生結弦選手の『ホープ&レガシー』が一つ。2大会前の宇野選手の『ボレロ』も好きです」

千葉「憧れの舞台でもあり、去年もさいたまスーパーアリーナで観戦させていただいた。雰囲気的にも大きな大会って感じがして、そこに出場できることが嬉しい。シーズン終盤の一番大きな大会で皆さん良い演技をされていて、1つや2つに絞れることができない。毎年感動している」

吉田「夢の舞台でもあり、憧れの舞台でもある。自分が滑っている姿はまだ想像できないけれど、私も去年百音ちゃんと埼玉に見に行っていたので、1年前は世界選手権に出られると思っていなかった。挑戦者としてのびのび滑りたい」

――3月に向けて構成を変える具体的なプランはあるか。

鍵山「名古屋に帰ってから本当に構成を上げる練習をしないといけない。何を増やすかはまだ考えていないけれど、フリップだったり、4回転トウループをもう一本、だったり考えている。4回転を確実に増やさないと、自分の目指している演技もできない。4回転も増やしつつ、演技全体のプログラムの完成度も高められたら」

宇野「4回転サルコーを今季プログラムから外してやっているが、ステファン(・ランビエールコーチ)と一昨日話して、入れる入れないは別として、練習を少しずつやっていって、状況に合わせてやるかやらないか決めていこうと。練習で少しずつ再開していこうと思っている。状態が良ければやるし、サルコーに限らず、今跳べているジャンプをより綺麗に跳ぶことが最初にやらないといけないこと。目の前のことを一歩一歩やりたい」

――地元・仙台への関係者へのメッセージを。

千葉「私が全日本に来るまでに関わってくださった全ての方々に感謝を申し上げたい。世界選手権もいい演技ができるように練習を頑張る。仙台に新しくできるゼビオアリーナは、通年リンクということで、今まで以上に仙台にフィギュアを楽しむ方が集まってくれることはとても嬉しいこと。フィギュアの魅力をもっともっと広げていければと思う」

▼世界選手権の代表選手一覧

男子:宇野昌磨、鍵山優真、三浦佳生(補欠:山本草太、佐藤駿、友野一希)
女子:坂本花織、千葉百音、吉田陽菜(補欠:三原舞依、渡辺倫果、住吉りをん)
ペア:三浦璃来&木原龍一、長岡柚奈&森口澄士(※ミニマムスコア取得が条件)
アイスダンス:保留

(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)