サウナ効果をより楽しめる、「片鼻交互呼吸」について解説します(写真:sasaki106/PIXTA)

サウナブームが日本を席巻しているのは、今や誰の目にも明らかだ。「サウナ本場の国」北欧フィンランドにあやかり、「フィンランド式サウナ」を謳うサウナ施設も次々につくられている。

だが、果たしてどれだけの日本人が、フィンランド・サウナ本来の特徴を正しく把握しているだろうか。

「フィンランド・サウナ」を曲解しているのは、決して日本人だけではない。「今やサウナは世界全体で1700万もあると推定されるが、国外で『フィンランド・サウナ』を名乗るサウナのほとんどは、実際にフィンランドで体験できるサウナとは全く異なったものになってしまっている」と、話題の書『「最新医学エビデンス」と「最高の入浴法」がいっきにわかる!究極の「サウナフルネス」世界最高の教科書』の著者カリタ・ハルユ氏(サウナ・フロム・フィンランド協会代表)も憂いている。

本記事では、同書を再編集し、「サウナがより充実する『片鼻交互呼吸』の簡単なやり方」について解説する。 

「片鼻交互呼吸」で、より効果的にサウナが楽しめる


「サウナ」は、ゆっくりと「呼吸」をしながら、心を落ち着かせたり、集中力を高めたりすることで、より深く楽しむことができます。

「サウナ」には決まった入り方があるわけではなく、基本的には自分の好きなような形で楽しむものですが、より「サウナ」を効果的に楽しみたいときには、「片鼻交互呼吸」を取り入れてみましょう

サウナは「気道」をよりよく開く手助けをしてくれます。そのため、「片鼻交互呼吸」、すなわちヨガの呼吸法の1つとして知られる「ナディショーダナ」(気道の浄化)とは非常に相性がいいのです。

「片鼻交互呼吸」は、サウナ浴中はもちろん、クールダウン休憩の間やサウナ浴のあとにもおすすめです。では、「片鼻交互呼吸」はどのような「呼吸法」でしょうか。

「片鼻交互呼吸」のやり方は、次のとおりです。

片方の鼻孔で交互に呼吸をする「片鼻交互呼吸」

「片鼻交互呼吸」のやり方

【1】左親指で左の鼻孔を押さえ、右の鼻孔だけで呼吸をします。


左親指で左の鼻孔を押さえ、右の鼻孔だけで呼吸をする(イラスト『究極の「サウナフルネス」世界最高の教科書』より)

【2】右の鼻孔だけの呼吸の後は、右親指で右の鼻孔を押さえ、左の鼻孔だけで呼吸をします。


右の鼻孔だけの呼吸の後は、右親指で右の鼻孔を押さえ、左の鼻孔だけで呼吸をする(イラスト『究極の「サウナフルネス」世界最高の教科書』より)

【3】「どちらかの鼻孔から空気を吸い込んで、もう片方の鼻孔から出す」という呼吸を左右交互に続けてみましょう。


どちらかの鼻孔から空気を吸い込んで、もう片方の鼻孔から出す呼吸を左右交互に続ける(イラスト『究極の「サウナフルネス」世界最高の教科書』より)

【4】【1〜3】を5〜10回ほど繰り返すか、2〜3分間続けてみましょう。

「片鼻交互呼吸」は「副交感神経系」の活動でストレス軽減

「片鼻交互呼吸」では、右と左の鼻孔で交互に呼吸をします。鼻腔が開くので、呼吸がラクになるはずです。

片鼻ずつで行う呼吸は、「副交感神経系」の活動を活発にします。その結果、ストレスを軽減させて右脳と左脳の働きを安定させてくれます。

もちろん、サウナのない環境で実践しても構いませんが、「サウナ浴」と連動させることで、より効果が期待できます

サウナ時間がより有意義になる「片鼻交互呼吸」、ぜひみなさんも身につけて、ストレスのない生活を目指してください。

(カリタ・ハルユ : サウナ・フロム・フィンランド協会代表)