8月7日、8日の2日間にわたり、アメリカ・ニューヨーク州のサラトガで「ファシグティプトン・サラトガ・イヤリングセール」が開催された。同セールは1917年に創設。1世紀以上の歴史を誇る伝統のマーケットで、古くは歴史的名馬マンノウォー(Man o'War)、近年では6戦無敗の怪物フライトライン(Flightline)などが取引されている。

 今年の最高落札馬となったのは上場番号165番の牡馬で、400万ドル(日本円にして約5.7億円)で落札された。父Curlin、母Beholder、母の父Henny Hughesという血統。母の5番仔にあたる。

 父カーリンは07年に米G1BCクラシックを4馬身半差で制し、同年のエクリプス賞で年度代表馬に選出。さらに、08年には首G1ドバイWCを7馬身3/4差で勝利するなど、現役時代はG1・7勝を挙げた。また、米国史上初めて生涯獲得賞金が1000万ドルを超えた馬となった。

 一方の母ビホルダーは歴史的名牝で、全26戦のうち3着以下に敗れたのは2回のみ。G1・11勝、4度のエクリプス賞選出、3度のBC制覇など数多くの偉業を達成。半兄は米リーディングサイアーのイントゥミスチーフ(Into Mischief)、半弟は17年BCジュベナイルターフと18年UAEダービーを制したメンデルスゾーン(Mendelssohn)で、血統背景も申し分ない。

 本馬の落札価格は、セール史上3番目タイの価格で、2000年以降では最も高額となった。全体を通してセールは好況で、153頭が落札され、総売上は前年比11.7%増、平均価格も前年比4.4%増。10頭が100万ドル(日本円で約1.4億円)以上で取引された。