NTTは8月30日、サービス利用者や提供者がサービスに求める要件(インテント)がサービスごとに異なることに注目し、体感品質・データ通信量最適化技術「Mintent」を確立したと発表した。

「Mintent」は、各サービス利用者の数十秒程度将来の体感品質が適正品質を満たすための送信映像データ通信量を、Web会議サーバから得られるビットレートなどの映像情報から計算し、適正品質を維持可能なデータ通信量を利用端末に指示する(図1)。これにより、適正品質を満たしつつ、データ通信量を低減することができ、途切れにくいWeb会議を実現するという。

図1:体感品質・データ通信量最適化技術(Mintent)

NTTとNTTコムウェアは2021年3月より、MintentをWeb会議サービスに組み込んで実証実験を行った。その結果、従来技術では、サービス利用者の端末が高速な通信回線に接続すると、適正品質以上の過剰な体感品質で、かつデータ通信量も多い結果が得られたのに対し、Mintentでは、サービス利用者が、適正品質でサービスを体験しながら、従来技術と比較してデータ通信量を最大で63%低減できることを確認したとのことだ。

NTTコムウェアは今回の共同実験で得られた結果を踏まえ、Mintentを資料共有型のWeb会議サービス「letaria」に組み込み、Mintentを活用した初めての商用サービスとして8月3日に提供を開始している。

NTTは体感品質・データ通信量最適化技術(Mintent)がデータ通信量を低減することで、利用端末の電力消費量の低減にも役立つことが期待されるため、その確認を進める予定としている。

NTTコムウェアは2022年度中に、Mintent(インテントAIメディエータ)の後続技術として、NTTが確立済みのクラウドサーバ制御技術であるサーバリソース最適化技術(Mintent)もletariaに組み込み、システムの安定性とスケーラビリティを最適なリソース量で実現することを計画している。