「歯が欠ける」原因はご存知ですか？医師が徹底解説！
歯が欠けたり折れたとき、どのように対処したら良いのでしょうか？Medical DOC監修医が対処法や応急処置・考えられる病気・原因などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
監修歯科医師：
上之郷 奈菜 歯科医師
2020年東京医科歯科大学病院臨床研修医修了
神奈川県開業医にて勤務後、
愛知県医療法人正翔会
岡崎エルエル歯科・矯正歯科
葵デンタルデザインオフィス
名古屋みなみ歯科・矯正歯科に勤務中
「歯が欠けた」ときの対処法と考えられる病気･治療法
歯が欠けてしまったことはありませんか？歯が欠けてしまう原因はさまざまありますが、歯ぎしりや食いしばり、硬いものを思い切り噛んでしまったり、顔面をぶつけてしまったりする外傷やむし歯などで歯が欠けます。それぞれの原因や対処法について説明していきます。
歯が欠けたときの対処法と考えられる原因・治療
歯が欠けてしまった場所が前歯の場合には、見た目や滑舌にも関わります。欠けた部位が大きいほど、しみたり、痛みが出やすくなり、治療回数が増える可能性があります。早めに近くの歯科医院を受診するようにしましょう。
歯が欠けて痛いときの対処法と考えられる原因・治療
歯が欠けて痛みを感じるときは欠けている範囲が大きく、歯の内部にある、痛みを感じる組織がむき出しになっていると考えられます。鎮痛薬で痛みを抑えるのは厳しく、治療をしなければ解決はできません。早めに歯科医院を受診することを強くお勧めします。
歯が欠けたが痛くないときの対処法と考えられる原因・治療
歯が欠けても痛みを感じないときは、欠けた範囲が小さい場合、もしくは、失活歯(神経を取った歯)である場合が考えられます。痛くない場合は緊急を要することはありませんが、欠けたことによって清掃性が悪くなり、汚れが溜まりやすくなることが考えられます。歯科医院で治療するようにしましょう。
歯が小さく欠けたときの対処法と考えられる原因・治療
歯が小さく欠けるのは、主にむし歯による場合か外傷による場合が考えられます。外傷により小さく欠けた場合であれば、その部分をレジンとよばれる樹脂などで埋める簡単な処置で済みます。むし歯で小さく欠けた場合の多くは、中でむし歯が広がっています。むし歯の大きさによっては、歯を残すことが困難になることもあります。早めに歯科医院で治療するようにしましょう。
歯が欠けて中が黒いときの対処法と考えられる原因・治療
歯が欠けて中が黒い場合はむし歯である可能性が高いです。小さなむし歯で歯が欠けることは少ないですが、むし歯が中で広がり大きくなると、歯が欠けます。また、神経が死んでいる歯は痛みを伴うことなくむし歯が進行します。歯科医院でむし歯治療を早めに行いましょう。
奥歯・親知らずが欠けたときの対処法と考えられる原因・治療
奥歯が欠けたときは、食いしばりや歯ぎしり、むし歯による影響が考えられます。歯ぎしりや食いしばりは、ストレスや噛み合わせ、生活習慣などにより無意識な場合が多く、簡単には治りません。歯科医院でマウスピースを製作するのも効果的です。奥歯のなかでも、最も後ろに生える親知らずは、歯磨きが難しくむし歯になりやすいです。むし歯の場合には、むし歯治療や抜歯をする必要があります。
すぐに病院へ行くべき「歯が欠けた」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
歯が欠けて痛い、しみるなどの症状がある場合は、歯科へ
歯が欠けた場合、一度は歯科医院を受診することをお勧めします。特に症状がある場合には早めに受診するようにしましょう。放置すると神経が死んでしまい、状態によっては治療期間が長くなったり、抜歯になる可能性があります。
「歯が欠ける」症状が特徴的な病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「歯が欠けた」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
虫歯
歯に汚れがたまり、その中にいる細菌が、酸を出し、歯を溶かすことでむし歯が発生します。むし歯は一度できると、自然に治ることはありません。むし歯は大きさにより、(ＣＯ)、Ｃ１～Ｃ４と評価されます。Ｃ２以上になるとむし歯治療が必要になります。Ｃ４まで進むと治療方法は抜歯しかありません。歯科医院で診断し、Ｃ１までであれば定期健診での経過観察、Ｃ２以上であればすぐに治療しましょう。
歯ぎしり・食いしばり
ストレスや習慣、噛み合わせなど原因は様々です。これらは、無意識な場合が多く、すぐに治ることはありません。日中は意識して防げることもありますが、寝ているときは気づくことができません。よくある対策としては、ナイトガードと呼ばれるマウスピースです。ナイトガードは、寝ている間の食いしばりや歯ぎしりによってかかる力を弱め、歯や顎を守ってくれます。ナイトガードは、歯科医院で一度型取りをすれば、次回には完成します。
「歯が欠けた」ときの正しい対処法･応急処置は？
歯が欠けると自然に回復することはありません。早めに歯科医院で治療するようにしましょう。場合によっては、神経をとる治療が必要になることもあります。
症状がなくても一度は歯科医院を受診してください。欠けた歯がもしあるのであれば、歯科医院を受診するときに持っていくことをお勧めします。
どうしても歯科医院を受診できない場合は、なるべくその部分で噛まないようにし、しっかりお掃除をして汚れを溜めないように気を付けましょう。
「歯が欠けた」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「歯が欠けた」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
歯が欠けてすぐに歯医者に行けないとき応急処置はどうすべきですか？
上之郷 奈菜 歯科医師
市販の鎮痛薬などで、痛い、しみる等の症状を抑えることは厳しいです。なるべくその部分で噛まないようにして、早めに歯科医院を受診しましょう。
歯が欠けたとき、歯医者ではどのような治療をするのでしょうか？
上之郷 奈菜 歯科医師
欠けた大きさによってさまざまですが、小さい場合には、レジンで埋める簡単な治療で済みます。欠けた範囲が広く、むし歯が大きい場合、In(インレー)やCr(クラウン)といって、型取りが必要な被せ物によって治します。さらにむし歯が進み、保存困難な場合には、抜歯をします。
前歯が欠けた･折れてしまったら治療費は高額になりますか？
上之郷 奈菜 歯科医師
前歯が小さく欠けている場合には、レジンで埋める簡単な治療で済みます。治療期間は1回、費用は保険（3割負担）で数千円程度です。しかし、欠けている範囲が大きい場合には、型取りが必要な被せ物で治していきます。保険治療であれば、１万円前後、セラミックなどの自費の被せ物ではより高額になります（金額は医療機関ごとに異なります）。
歯が小さく欠けて痛くない・しみない場合放置しても大丈夫ですか？
上之郷 奈菜 歯科医師
欠けた場合、自然回復することはありません。また、欠けたことにより、清掃性が悪くなるため、欠けた部分を埋めたり調整が必要です。一度は歯科医院でみてもらいましょう。
まとめ
歯は一生ものです。欠けて手遅れにならないよう、歯科の定期健診などでチェックすることをお勧めします。
「歯が欠ける」症状で考えられる病気
「歯が欠けた」から医師が考えられる病気は2個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
歯科の病気
歯が欠けて痛い
歯が欠けたが痛くない
歯が欠けたとき、特に虫歯による場合には原因に対する治療をしっかりと続けることが大事です。
「歯が欠けた」と関連のある症状
「歯が欠けた」と関連している、似ている症状は2個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状
歯石が取れた歯ぎしり「歯が欠けた」他に、これらの症状が見られる際は、「むし歯」や「失活歯」などの病気の存在が疑われます。
痛みがひどい場合やなかなか治らない場合は、早めに医療機関への受診を検討しましょう。
