※この記事は2012年03月23日にBLOGOSで公開されたものです

今週、BLOGOSでは議論ページにて雇用・労働についての議題を複数作成、ユーザのみなさまからのご意見を募集しました。
学生にとっては卒業、企業にとっては新しい労働力を受け入れるこのシーズン、日本の抱える様々な問題がみなさんのコメントからも浮き彫りになっています。

根強い学生の大企業志向…どうすれば中小企業への応募は増える？（21日実施）

就活学生たち。（AP/アフロ） 写真一覧
19日、政府の「雇用戦略対話」の第七回会合が開かれ、大卒の２人に１人が無職・非正規雇用で、就職しても３年以内に退職しているとする推計が報告されました。

離職の原因として、内閣府は、学生が自らの適性や職業について十分な理解を行わないまま就職活動を行なっている可能性があると指摘、中小企業の採用意欲が旺盛であるにもかかわらず、大企業志向によって中小企業への応募が増えないことを課題としています。

今後、高校生・大学生を対象としたキャリア教育推進事業の実施やポータルサイトの開設、「ジョブサポーター」増員など、各省が対策を講じるとともに、政府、労働界、産業界の担当者や有識者による組織を設置、施策を取りまとめる方針です。

今回の報告について、ユーザの意見のうち、支持数の多かったものには以下のようなものがありました。
きわめて簡単なこと 大企業はつぶれにくい、ただですら資本が大きい方が有利なのに そのうえ、政府が救済するもの。 しかも、日本の雇用制度では、犯罪でもしない限り首にならないのだから、一生安定する。 中小企業はブラックが多いし、本人がいくら頑張っても倒産したらそこでキャリア終わり 誰が中小行くかね。

eternalwindさんのご意見
いやいや、なんで新卒学生が中小企業志向にならないといかんのですか。( ﾟωﾟ ) 普通に考えれば、卒業するまでのコスト（これは金銭的だけでなく時間的なものも含めた、本人が投資したと考える労力の総計）に見合う就職先を見つけたい、と思うのは人情でしょう。

<中略>

・・・・・・てことで、別に現状でいいじゃんと思うわけですが、それでも「中小企業に～」という方針を立てるなら、中小企業の方が大企業に入った場合よりもはるかに早く決定権を任せられる立場になれる、しかも起業と比べ給料がもらえるという安定感がある、ってとこを推しますかね。

Nagao Einosukeさんのご意見より
別に誘導する必要性を感じない。

そもそも、現実社会で大手企業に勤務することによる無形のメリット（信用力、人脈の広がり、携わる仕事のスケールなど）がある以上、そこに惹かれるのは当然のこと。
しかし、その無形のメリット以上のメリットを中小企業が提供できれば、勝手にそちらに流れる。たとえば通常の給与のほかに極端な成功報酬であるとか、株式を貰って企業のオーナーになるチャンスがあるとか、経営に携わることができるとか。

eVEjAFsUCQさんのご意見より
そりゃ中小企業より大企業に入りたいのが普通の心情だろう。

でもそれ以前に大学と中小企業にパイプがなさ過ぎてマッチングが機能してないと思うけども。 就職課に来てる情報も学校に来るリクルーターも大手ばっかりだからそもそも中小企業なんて名前も知らない。存在すら知らないい。

なんでもかんでも行政行政言うんでなくて産学協同、産学連携を進めて地元商工会だとかとかも深いパイプを築いていったりすんのが普通に現実的だと思うが。
そもそも情報や理解がない。社会ビジョンが希薄と言う部分を社会経済と接点を深める事で解決できる。
てか日本の大学の機能低下自体がここに大きな問題があるんだがね。

yahoo userさんのご意見より
そのうち新卒にも大企業だから良いのではなくて大小に関わりなく中身が大事であるということが浸透していくだろう。
上場企業の平均寿命は５０年切っているのにいまだに終身雇用幻想で就職する人はほっとけばよいのだ。

yahoo user d3ad6さんのご意見より
労働市場の流動化。
大企業と中小・ベンチャーで、労働条件に差が出ないようにすることです。
アメリカでは、最優秀層は起業かベンチャーへ就職します。

yahoo user 47d04さんのご意見より
新卒学生が中小企業に目を向けるように仕向ける方策は、短期的には困難だろう。もっとも基本的な対策は、起業をもっと自由に促進する行政だろう。大学のみならず高校からでも起業のシミュレーションを授業の一環でも行うべきである。優れたアイデアは表彰し、希望があれば実際に起業させる。大中小を問わず企業の参画もあってよい。

葛西　洋志さんのご意見より


このように、大企業志向になるのは当然だという前提に立ち、中小企業の雇用・労働条件の向上や雇用の流動化を図りながら、時間をかけて状況が変化するのを待つしかないという意見が多いようです。

・ご意見募集！根強い学生の大企業志向…どうすれば中小企業への応募は増える？

高年齢化するフリーター、どのような対策が必要だと思う？（18日実施）

ハローワーク。 写真一覧
いわゆる「フリーター」と呼ばれる人々のうち、35～44歳の層が過去最高の50万人に達したと、15日の日本経済新聞が報じました。

政府によるフリーター対策は、若年層に向けてのものが多いとされ、就職氷河期の影響を受けた35～44歳の対策が手薄になっているとの指摘があり、このままでは"高年齢"層のフリーター人口がさらに増えるのではないかとしています。

この"高年齢"層のフリーター増の問題の解決に向けて、ユーザからは次のような提案が出されました。
非正規っていうククリで行ったら、この年代の非正規は五十万人どころじゃないだろう。
どう考えたって。フリーターの定義がよくわからない。
ちなみに、私はプログラマだけど、いま、ブラックが知れ渡ってるから20代は入ってこないし
（Fラン文系とかは入ってくるが、そんなのはまともなプログラムできない）
職場は30代40代の契約、派遣社員ばっかりよ。これはフリーターとどう違うのかな。
あと、私の職業は工場のプログラマブルな生産設備のラインだけど、
コレをやる人がなくなったら、日本の製造業はどうなるのかな。
労働スキルのない人だけが非正規で救わなければ云々みたいな議論が
そもそもおかしいわ。現実見えてるのかなあ。

eternalwindさんのご意見より
多くの論者が言ってるとおり、雇用規制は無いほうが良いんだよ。
仕事なんて実際にやってみなきゃ分からない部分の方が大きいわけだから。
とりあえず雇ってみて、だめならゴメンネのほうが合理的。
シンガポールはほぼ解雇自由だけど、数ヶ月～数年でポンポン転職の世界。
中高年になってから新しいことをはじめる、って人もたくさんいる。

yahoo user 40e5fさんのご意見より
フリーターや契約社員は、雇用調整として社会に対して機能してきました。
ある意味、貢献であり寄与してきた人たちです。

では、その恩恵を受けた側は、企業というよりは正社員です。
で、その前提に立てば少なくとも自業自得と見下げるのはどうなんでしょうね。人として。

yahoo user 8ef29さんのご意見より
確信犯的にフリーターやっている人も多いと思う。フリーター＝半端者という定式を見直す必要がある。Phaさんのようにフリーター＞正社員と思っている人はいる。フリーターのまま生涯を過ごせる社会の実現を目指すべきだ。そのためには、再三言っているが、BIが有効だろう。

エビナさんのご意見より
ちなみに「フリーターでは生活が厳しい」と言うが、それは1人暮らしの場合で、しかも大体は酒やタバコなど、不要な冗費が掛かっている場合が多い。

仮に雇用面でこれ以上対策が難しいとすれば、フリーターなどの低所得者同士で共同生活をし、固定費負担を減らす方策を考えたりした方が効果的だろう。

なにせ、東京では世帯の平均人員は2人を切っている。
それに貢献している単身世帯には、ほぼ全てに電気、ガス、水道の基本料金が掛かり、エアコンも各自で設置、使用し、風呂もそれぞれが沸かしていたりするのだ。

思えば、こんな贅沢はない。
ここに切り込めば、節約も出来ると思うんだがね。

yahoo user 73bd4さんのご意見より
正社員を採用しやすいように制度をかえるしかない。
現状は一旦採用した正社員はよほどの反社会的行為でもなければ解雇できない。
そのため、採用側はつねに少なめ少なめの正社員で回して後は臨時で間に合わすことになる。
解雇に必要な条件を緩めれば採用側が正社員を増やす可能性が増える。
ただ、これだけでは弱く、正社員の場合採用側にかかる社会保障の負担も非常に大きいのでこの部分も負担軽減しないと採用数を増やす力は弱い。
いずれにしろ、現在正社員である層とフリーターの層の利益が背反するので、採用側の問題というよりは、正社員の既得権をどうするかの問題が大きいと思う。

yahoo user d3ad6 さんのご意見より
　正直、そういったフリーター層増加に対する直接的な対策をとるのは現実的に難しいしいだろう。、本来資本主義の原則からいうと「競争時に弱者や敗者は必ずでるので、それはしょうがない」になってしまう訳である。では、どうしたらいいかというと、雇用者側に対して学歴・経験・スキルのみによる判断を徹底させることで、年齢差別を法律でなくさせる事が懸命と思われる。

sjungoさんのご意見より
資本主義であること、国や産業界がこれまで取ってきた方針、また、現行の雇用制度が継続される以上、非正規雇用は生まれ続けるという前提でのご意見を多数いただきました。中でも、選択的に非正規雇用で居続ける人も多数いることや、フリーターがあってこそ社会が成り立っているという立場から、ベーシックインカムの導入や正社員雇用の在り方の抜本的な改革を提案するご意見もありました。上記、共同生活ができる環境の整備という、ユニークなご意見も頂戴しました。

・ご意見募集！高年齢化するフリーター、どのような対策が必要だと思う？

60歳～65歳の収入維持のために、どのような制度を設けるべき？（19日実施）

厚生労働省。 写真一覧
一方、今週は高年齢者雇用安定法改正案についてのご意見募集も行いました。

この改正案では、希望した人全員が65歳まで再雇用される制度の導入が企業に義務づけられることになり、新たな負担増となりかねない法改正に、経済界や企業サイドは反発の姿勢を見せています。

今回の改正案は、2013年度から2025年度にかけ、厚生年金の支給開始年齢が60歳から65歳まで段階的に引き上げられることに伴い、年金制度の維持を目的として今国会での成立を目指しています。

今回の措置、60歳～65歳の人にとっては、年金も収入もない状態が回避されるメリットがありますが、若年層の雇用への影響が懸念されるほか、経済界にとっても負担増となる側面もあります。
これについて、若者や働き盛りの世代にしわ寄せが行かない方法はあるのか、ユーザからご意見を募りました。
ほっとく。
今は若年者雇用促進に全力を集中すべき。
中高年は自力でなんとかしなさい。
いい年して甘えるな。
念のため、俺は五十代。

yahoo user d3ad6さんのご意見より
６５歳への雇用義務化には反対です。大喜びは役人だけでしょう。役人にとっては雇用延長保障に加えて、月数に比例する退職金大幅アップ。一般民間企業の大半は、世界の「変化」に対して生き延びるため事業多角化やシフトやリストラを余儀なくされ、これに伴い、人の企業間流動性があがり、また、ここ数年もみても万人単位の大幅なリストラなどが行われています。年金支給開始年齢の引き上げは、官僚政治の失敗のつけを国民になすりつけると同時にお役人天国の拡充でしかありません。世の中ＤＥＲＥＧＵＬＡＴＩＯＮ（規制緩和）でなければいけないのに、とんでもない話だと思います。

葛西　洋志さんのご意見より
年老いた正社員の再雇用義務化などと、そこまでして正社員を守る義理はないはず。

非正規になればいいだけのこと。

再雇用義務化の財政的・経済的な基盤も合理性もない。身分制のようにサラリーマン（律令制の良民）を死守しなくていい。非正規というシステムも認めた以上、会社に残ってくれといわれない人は、非正規やるか再就職するだけ。非正規が年老いて仕事はないのは仕方がないが、正社員が年老いて仕事がないと困るという発想は、特権身分的だ。

Yoshihiro Kiyonagaさんのご意見より
最前線の高付加価値労働は若年層に譲ってファストフードやコンビニといった人手が足りないサービス業はいくらでもあるわけでそっちの老年雇用を促進すべきだと思うが。
他には介護現場のサービスとかフルタイムじゃなければ入れるだろう。いずれにせよ子供も独立して夫婦の老後支える程度に雇用延長で高給取られるのは困りもんなわけで。

yahoo userさんのご意見より
一旦退職して貰う。
ただし、アルバイトとして再雇用される権利を与える。
給与は当然アルバイトと表現できるレベル。

それが嫌なら、好きに転職すればよい。



sou_shiunさんのご意見より
再雇用を法制化する必要はない。
企業が定年退職後アルバイトで高齢者を雇ったり，派遣社員で働いてもらうのは，ありだと思う。
正直な話，アルバイトや派遣社員でも，若い人の就労の機会を奪ってしまうのでやってほしくは無いけれど，アルバイトや派遣社員，契約社員までは，会社の事情もあるだろうから，やむを得ないと思う。

yahoo user a1409さんのご意見より
このように、これからも、そして今後も若い世代の負担は、高齢の世代よりも多いということを踏まえ、法制化を行うことなく、若い世代と同じ立場で退職者を扱うべきとの意見が多数を占めています。

・60歳～65歳の収入維持のために、どのような制度を設けるべき？

BLOGOS編集部では、今後もご意見、議題の提案を募集しています。