3大クラシック課題と呼ばれるボルダーを登ろう! コツと攻略方を紹介

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ボルダリングを始めてアウトドアクライミングをやるようになると、この3大クラシック課題 「忍者返し」「デッドエンド」「エイハブ船長」 というのがクライマーとしての一つの目標になってくるかと思います。

なぜならこれら3つの岩を登るということは、一級クライマーになったという暗黙の証でもあるからです。

ただ、それぞれのルートが違った特徴を持っており、デッドエンドは登れたけれど他の2つができないということなどがよくあります。

なので今回は、これら3つのクラシック課題を登るためのコツとキーポイントを紹介したいと思います。3つすべてを制覇し、一級クライマーになりましょう!

そもそも3大クラシック課題とは?

3大クラシック課題とは、 「忍者返し」「デッドエンド」「エイハブ船長」 の3つのことを指し、すべての課題が一級で統一されています。まず忍者返しとデッドエンドは、東京都奥多摩の御嶽山にある岩で、エイハブ船長は長野県の小川山という山にある岩なので覚えておきましょう。

個人的にはデッドエンドが一級マイナスで、忍者返しがジャスト一級ぐらい、エイハブ船長は少し難しい一級といった体感です。ただ当然個人差があり、違った見解を持つ人がいますが、これが一般的な意見です。

なぜ3大クラシック課題と呼ばれているか?

基本的に、外の岩は人工物ではないので、ホールドが欠けることや、川の近くだと下地の高さが変動してグレードが変わることはよくあります。

ですがこれらの3つは、下地の変化やホールドの欠損があったのにもかかわらず、誰がやっても一級と感じるほど安定した岩なのです。またアウトドアボルダリングの醍醐味でもある高さが比較的あり、一定の技術も必要なので、アウトドボルダリングの良さが詰まっていると言えます。

ですので、これら3大クラシック課題を登ったということは、ボルダリング技術としてもメンタル的にも一級クライマーと呼んでふさわしいということになります。

3大クラシック課題の特徴

【忍者返し】

まず忍者返しの岩質は、チャートという 滑りやすい性質 を持った岩です。高さはトップで約4.5メートルほどで、けっこう高めです。ちなみに、一般的なボルダリングジムの高さが約3〜4メートルなので、いつも登っている壁より少し高いぐらいの感覚です。

また、他の2つと比べて下地が平らではなく、一つ尖った岩が地面から隆起しているのが特徴なので、 リスクマネージメントがかなり必要な課題 になります。

【デッドエンド】

岩質は、忍者返しと似ている赤チャートで、 忍者返しより滑りやすい印象 です。高さは、約3.5メートルと他の2つよりは低めで、ボルダリングジムの壁と同じぐらいなので、高さへの恐怖感はあまり感じません。下地もかなりフラットで、そこまで危険度が高いルートではありません。

【エイハブ船長】

エイハブ船長は、他の2つと違い花崗岩という岩で、ザラザラとした表面で フリクションがかなりあるのが特徴 です。またエイハブ船長ではシビアなスタンスはで出てきませんが、花崗岩のスラブや垂壁などでは、数ミリの結晶に乗らなければならないこともあります。

チャートよりもかなりグリップはいいのですが、その分 指の皮の消費が激しい です。私も初めて花崗岩に触ったときに、登り始めてからすぐに指の皮が剥けてしまい、花崗岩の洗礼を受けたのをよく覚えています。

岩自体の高さもトップで5メートル近くあり、3大クラシック課題の中で最も高さに対して恐怖を感じるはずです。幸い下地は比較的フラットなので、マットは敷きやすいです。

3大クラシック課題のコツとポイント

【忍者返し】

忍者返しの核心(一番難しいポイント)が中間部のガストンのホールドに飛ばすムーブなのですが、ここのポイントは 左後方に体を引き、勢いをつけて取りに行くこと です。同時に、右足にしっかり力が伝わっているか意識しましょう。

多くの人の登りを見ていると、ガストン取りのときに左手をかなりロックして、勢いをつけずに取りに行っている印象です。ですので、できるだけ左手は脱力して、右足に乗り込むイメージを持ちましょう。

私が初めてトライしたときにやっていたのは、ガストンのホールドをタッチしてどのホールドなのか確かめるということです。というのも、忍者返しは多くの方がトライする人気課題なので、ガストンのホールドが地面からだと非常に見にくいです。またホールドの形状も少し独特で、どれが一番いい持ち感なのかわからないのです。

ですので、初めは右足に乗り込むイメージで、後左後方に勢いをつけてガストンのホールドを触る練習をしましょう。

【デッドエンド】

デッドエンドは、中間部の三角ポケットを右手で取るところが核心で、多くの人が悩まされています。キーポイントは、左足の乗り込みにあります。それもただの乗り込みではなく、 可能な限り乗り込む といったものです。

イメージとしては、左足がスタンスホールドに対してほぼ垂直になるぐらい乗り込みます。スタンスがフラットで滑りやすいのですが、意外とグリップするので可能な限りカカトを上げて立ち込みましょう。

またポケットの形状があまり良くないので、 「俵持ち」 という持ち方を試してみてください。これは、薬指と人差し指をつけてその上に中指を乗せて持つホールディング方法で、見た目は3本の指でピラミットを作るように持ちます。

こうするとポケットが苦手な人でもより力を入れることができ、かつデッドエンドのポケットにスタックするような持ち方なので非常にグリップが良くなります。

【エイハブ船長】

第一核心であるリップ手前のスローパー取りは、サイファー(踏んでるスタンスとは逆の手を伸ばす技)気味にあるので、 左足のスタンスに意識を集中させてください 。また左手のホールドは、小指を抜いた3本で持ちカチ持ちをしてあげるとよくグリップします。

第2の核心であるマントル返しでよく見かけるのが、右膝をリップ手前のスローパーに乗せて奥にある左手を取りに行くムーブで、これが一般的な登り方ですがかなりリスクの高いムーブです。

ですので、私が推奨しているムーブは、左ヒールをスタートから2手目にかけてリップの中間部を抑えてから、さらにその左ヒールを3本指で持つと、推奨したホールドにかけ直して、左奥のリップを取りにいくやり方です。

このムーブをやっている人をほとんど見たことがないですが、とても効果的で、私は膝を使うムーブと2段階左ヒールのムーブを試して登りましたが、断然2段階にヒールをかける方が登りやすかったです。

どういった体格やスキルを持った人が合ってるのか?

【忍者返し】

忍者返しは、中間部でガストンの遠い一手が核心なので、肩が強いクライマーに向いています。核心を超えた後のクラック取り(岩の割れ目)が少し遠くて、ちょうど落ちるであろう地面には隆起した岩が一つあるので、落ちたらケガの可能性もあり、メンタルの強さが必要になります。

【デッドエンド】

実はデッドエンドだけ身長があるとかなり体感グレードが下がるので、高身長の人は比較的あっさり登っていきます。だいたい175センチぐらいあるクライマーなら体感グレードはアウトドアボルダリングの3級ぐらいに感じます。

デッドエンドは岩質でとてもツルツルしていて、中でもこのルートはそれが顕著なので、スタンスを踏むのが得意なクライマーに向いているルートです。

【エイハブ船長】

このルートは最後のマントル部分(岩の上に乗り上がる所)が難しく、身長が高かったり股関節が硬かったりする人にはかなり難しく感じるはずです。ですので、柔軟性があり身長もさほど大きくない人だと比較的登りやすいです。

また3つの中で一番高さもあるので、メンタルの強さが試されます。

まとめ

いかがだったでしょうか?

これで3大クラシック課題の糸口は掴めたと思います。後はジムでしっかりトレーニングをして、外岩に向けて調整していきましょう。そして早く3大一級を登り、周りと差をつけましょう!