秘伝のたれが人気だった有名焼き鳥店、倒産に追い込んだ社長の“暴走”
そんな「ひびき」を周囲は放っておかなかった。金融機関は次々と融資を実行するほか、出資に応じる投資ファンドも。自慢のみそだれは、モンドセレクションなど数々の賞を受賞して注目を集め、店舗は国内だけでなく、イタリアなど海外にも進出。いつの間にか年商は20億円を超えていた。
だが、この話には裏がある。なぜ、この借り入れ過多の会社がここまで投資を続けられたのか。そこには不正会計があった。10年ほど前から粉飾決算に手を染め、金融機関との関係を維持。さらに複雑かつ大規模な多重リースを犯し、不正な資金調達を行っていたことが経営破綻を機に明らかとなったのだ。
積極的な投資活動に果敢な代表の行動力。その存在感の高さからメディア露出も目立っていた「ひびき」。こうした背景が関係者の目を曇らせてしまったのか。不正会計を見抜けず、会社の暴走を許してしまった典型的な倒産事例といえる。突然の民事再生法申請に、驚きと怒りを覚える債権者は多かったという。
(帝国データバンク情報部)
<企業概要>
(株)ひびき
住所:川越市霞ケ関北2―3―2
代表:日疋好春氏
資本金:1億円
年売上高:約12億2000万円(19年6月期)
負債:約77億949万円

