ウルグアイ戦では2度のリードを奪うなど奮闘。優勝候補に推される相手を追い詰めた。(C)Getty Images
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 あと一歩。ただそれが大きな差なのかもしれない。

 日本が国際Aマッチで一度も勝利を挙げたことのない南米の地は、やはり鬼門だった。1999年以来、2度目の出場を果たしたコパ・アメリカで、チリ、ウルグアイ、エクアドルと対戦した森保ジャパンは、2分1敗の成績でグループリーグ敗退。目標だった南米での初勝利にはまたも手が届かなかった。
 
 ただし、すべてがネガティブな結果だったかというと、そうではない。少なくとも今後の森保ジャパンの転機にはなる大会になったのではないか。
 
 森保一監督も「チリ戦は0−4の完敗でしたが、ウルグアイ戦(2-2)、エクアドル戦(1-1)は勝てる可能性が大きくあったことは自信にしていこうと選手には伝えました。一方で(スコアは)ほんの少しの差ですけど、そこには大きな埋めなければいけない差があり、力をつけるという意味では、厳しくそれぞれが成長しなくてはいけないとも話しました」と大会を総括する。
 
 確かにぶっつけ本番に近かったチリ戦は、序盤こそ奮闘したが、大会連覇中の王者に決定力の差を見せ付けられて完敗。もっともここからが、森保ジャパンの真骨頂だった。続くウルグアイ戦へ中2日と準備期間が短い中で、チームとしての約束事を整理し、選手たちも自信を持って臨んだのだ。
「やるしかないという感じでした。ラインが下がってしまったチリ戦に比べて、皆で強気に守れました。チリ戦の反省をしっかりチームとして修正できたのが大きかったです」(杉岡大暉)と、ウルグアイ戦ではチャレンジ&カバーを徹底し、前からの組織的なプレスも敢行。CB植田直道のシュートブロックがVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)によるやや可哀そうな判定でPKとジャッジされ、後半にはCKからホセ・ヒメネスに見事なヘッドを決められて2度のリードを守れなかったが、エディンソン・カバーニ、ルイス・スアレスを擁するウルグアイに果敢に挑んだ。
 
 また攻撃面では「チリ戦ではチャンスを作れたという想いは共有していました。だからこそ、そこはいけると思ってプレーしていました」(三好康児)と、ショートカウンターを軸に、中島翔哉の突破力、柴崎岳のパス能力を活かしつつ、三好が流れの中から2ゴール。勝ち切れなかった点は課題だが、攻守にアグレッシブに戦っただけに、今後の指標となるゲームと言えただろう。
 
 また続く第3戦のエクアドル戦も決して悪い内容ではなかった。序盤こそ相手のハイプレスに苦しんだものの、前線の中島、三好、久保建英らが上手く相手の守備網のギャップを突いてボールを引き出し、攻撃を展開。15分には久保、中島と縦につないで、相手最終ラインの裏へ走り込んだ岡崎慎司はシュートを打てなかったものの、中島がこぼれ球に詰めて先制ゴールを奪った。
 
 ただ、「隙を見せてしまった」(冨安健洋)と、35分に同点に追い付かれると、後半は再三のチャンスを活かせずに1-1のドロー。勝てば決勝トーナメント進出(12か国が3つのグループに分かれた今大会は、各組上位2か国と、3位チームの成績上位2か国、計8か国がベスト8へ進出)、そして準々決勝では開催国のブラジルと本気の勝負をできるチャンスが待っていただけに、相当に悔しい引き分けとなった。ウルグアイ戦を含め、あと1点を奪い切れなかった点、リードをしっかり守れなかった点は今後への大きな反省材料である。
 
 それでも今大会の収穫としては、まず月並みではあるが、選手、そしてチームの成長が挙げられる。

 招待国としての参加で、主力メンバーの招集が叶わず、「東京五輪世代18人+クラブが派遣を認めた海外組5人」という、フレッシュな構成(平均年齢は今大会で最も若い22.3歳)で臨んだが、森保監督は「若い選手、経験の浅い選手が多く参加しましたが、彼らはこの短期間の中ですごく変わった。ひとつの経験で思っていた以上に急成長するんだなと、これからが楽しみだなと感じました」と目を細める。