電車にスマホを落としたらメール通知、MAMORIOと忘れ物センターの連携で実現
MAMORIOは、鉄道路線で紛失されたスマホの所有者にメール通知する「お忘れスマホ自動通知サービス」を6月中旬より提供します。MAMORIOアプリをダウンロードし、ユーザー登録をすれば無料で利用できます。

MAMORIOはもともと、紛失防止タグを販売しています。そのサービスの一環として、鉄道路線の忘れ物センターにMAMORIO製品を検知するアンテナ「MAMORIO Spot」を設置。忘れ物センターに届いたことをMAMORIOタグをユーザーのスマートフォンアプリに通知します。

これまでのMAMORIOサービスでは、紛失したことを通知するのはスマートフォンに対して。スマートフォン自体を紛失した場合には(そのスマホにMAMORIOタグを貼り付けていない限り)検知することはできませんでした。今回の新サービスはアプリを入れさえすれば、MAMORIOタグを購入していない人も使えます。

「お忘れスマホ自動通知サービス」の提供により、スマホをなくしてしまった場合も、MAMORIOアプリが入っていたら検知できるようになります。鉄道駅の忘れ物センターでMAMORIO Spotが検知した際に、ユーザーが指定したメールアドレスに自動で拾得報告を送信します。

スマートフォンの拾得では、通知を届けるという仕組みが存在しますが、駅などで拾得された場合、忘れ物センターから警察へ移管され、警察をから携帯電話キャリアに連絡が送られ、携帯電話キャリアから郵送でユーザーに通知するという形を取るため、時間がかかっていました。今回のMAMORIOの仕組みでは、駅に届いた瞬間に、どの駅の忘れ物センターにスマホが届いたのかピンポイントで通知する点もポイントと言えます。



サービス対象路線はMAMORIO Spotが設置されている全国約700路線。鉄道会社ではJR東日本、JR西日本、JR九州、東京メトロや首都圏の主要私鉄、名古屋鉄道(名鉄)、福岡市営地下鉄などが導入しています。今回の発表にあわせ、6月中旬より新たに京阪電車(京阪電気鉄道)および大阪メトロでもMAMORIO Spotのサービスが提供されることも発表されました。

また、鉄道以外では、高島屋や東京スカイツリー、東京中央郵便局といった一部の商業施設でも、MAMORIO Spotが導入されています。これらの施設でも6月中旬以降順次、「お忘れスマホ自動通知サービス」が提供されます。
関連記事:
落とし物はスマホに知らせる、「MAMORIO」がJR東日本の駅で本格展開スタート



なお、今回のスマホ検知の仕組みは、既存のMAMORIOサービスとは多少異なります。カギなどにつけるMAMORIOタグはいわゆるBluetoothビーコンで、つねにBluetoothの弱い電波を発信していますが、今回のお忘れスマホ自動通知サービスは「スマホをBluetoothビーコン化する」ものではありません。駅などに設置されるSpot側のソフトウェアを更新し、Bluetoothビーコンとしての機能を追加。スマホのアプリからMAMORIO Spotの電波を検知すると、拾得報告メールが送信される流れになっています。

▲MAMORIOの忘れ物防止タグ

MAMORIOとしては、スマホ検知サービスの利用を導入として、タグのユーザーを増やす点に狙いがあります。また、「みんなで探す」機能は、MAMORIOアプリを入れたユーザーが多いほど精度が向上する仕組みとなっているため、MAMORIOにとっては、タグを購入していないユーザーであっても、アプリを導入して起動しているだけでメリットがあると言えます。

▲MAMORIOユーザーの分布をしめしたマップ。地方都市にも広がりを見せています
関連記事:
なくし物防止タグMAMOROにAR機能「カメラで探す」、新型は3割値下げ