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知的障害のある男性(28)が、職場のいじめで退職を余儀なくされたとして、元勤務先のスーパーマーケット「いなげや」と指導役の女性従業員を相手に、損害賠償など約585万円を求めていた訴訟は、東京高裁で11月6日、和解が成立した。和解金の有無は非公表。

いなげやは、障害者雇用に積極的に取り組んでおり、男性は特別支援学校卒業後の2008年に就職、2013年まで被告の女性従業員と働いていた。

男性の弁護団によると、今回の和解で、会社側はいじめの有無には触れていないものの、「不適切な言動があった」ことや、業務内容の見直しなど「適時に適切な対応ができなかった」ことを認め、再発防止策を取るとしている。

代理人らは、障害者を「採用」するだけでなく、就労の「継続」にも配慮のある社会になってほしいと話している。いなげやは「今後とも障がい者(編注:ママ)の方々の職場環境の整備などに一層の努力をして参ります」と文書でコメントした。

一審では、男性側が主張した暴言や暴行のうち、「あんたの仕事は幼稚園児以下なんじゃないの」「馬鹿でもできるでしょ」という2つの発言が認められ、会社と従業員に計22万円の支払いが命じられていた。

(弁護士ドットコムニュース)