南米に旅行予定の方は要注意!感染症「リーシュマニア症」がブラジルで流行中
「リーシュマニア症」とは人獣共通の感染症で、ハエの一種が媒介して感染します。皮膚に異常を起こしたり、ひどい場合は内臓肥大や貧血を引き起こすこともあるので注意が必要です。
「リーシュマニア症」という感染症の名前を聞いたことがある人は、さほど多くないのではないかと思います。それもそのはず、インド、バングラデシュ、スーダン、南スーダン、エチオピア、ブラジルの6か国だけで90%以上の患者を抱えている、非常に局所的な感染症なのです。
リーシュマニア症は、犬と人間に共通する寄生虫が起こす疾患で、サシチョウバエというハエに刺されることで感染します。皮膚に感染する場合と内臓に感染する場合があり、特に内臓に症状が出ると、臓器の肥大や、放置すれば死に至る可能性もあります。
アジア・アフリカの途上国で起こっているのに比べ、ブラジルのケースは少し異色です。なぜなら、この国の発症例の24%(2009年調べ)が、ミナス・ジェライス州の州都、ベロ・ホリゾンテ―つまり都市部で起こっているからです。
病院で診察を受けることができ、薬も手に入る都市部で、なぜこんなに感染症がはやってしまうのか―ミナス・ジェライス大学のマリアンジェラ・カルネイロ博士は、市内でも特に起こりやすい地域を特定する研究を行いました。
この結果、特に発症例が多いのは市内北部―貧困層と感染した犬が多い地域であることが分かりました。
旅行先で動物に出会うと、つい近づいてしまう人も少なくないと思います。でも、たとえそれが都会であっても、実は危険な行為なのかもしれません。リーシュマニア症に限らず、海外に旅行する際には、その地域で注意すべき感染症がないかどうか、事前に確認するようにしてくださいね。
参考:Study Tracks Risk of Visceral Leishmaniasis (VL) Exposure in Brazil’s Urban Areas
http://www.sciencedaily.com/releases/2013/10/131031175550.htm