世間を騒がせている巨人・原監督の1億円スキャンダル。ここにきてDeNA・中畑監督の名前も浮上するなど、疑惑が拡大の一途をたどっている。

そんななか、注目を集めているのが原監督の去就問題だ。過去の女性問題だけでなく、反社会的勢力との関わりも指摘されているだけに、今後の展開次第では事態が大きく動く可能性もある。

渡邉恒夫巨人軍会長は「原君は被害者」と、早くも監督続投を宣言したが、関係者の間では「今季限りでユニフォームを脱ぐ」という声も。原監督の責任感の強さから、すでに腹をくくっていると見ている。

そんな両者の“落としどころ”として関係者の間でにわかに語られているシナリオがある。それが、今季限りで巨人の監督を勇退し、来年3月に行なわれる第3回WBC(ワールドベースボールクラシック)の日本代表監督に就任するというものだ。

8月のオリンピック後にも発表される見込みのWBC日本代表監督だが、選考は混迷を極め、遅々として進んでいない。ある球界関係者が内情を明かす。

「WBCの監督選考は表向き、加藤コミッショナーに一任されていることになっているが、実際は過去2大会でアジア予選の興行権を持った読売が大きな影響力を握っています。現状ではソフトバンクの秋山監督や落合前中日監督の名前が挙がっているものの、『現役監督に任せるには時期的にも負担が大きすぎ、かといって現場を離れているOBでは勝負勘に不安が残る』と一向に進まない状況です」

そんな状況を打破する適役が誰あろう原監督なのだという。

「原監督が巨人監督を勇退してWBC監督に横滑りすれば、それらは一気にクリアできるし、何より『3連覇のために、巨人が前回優勝監督の原をWBCに送り出す』となれば、原が今季限りで辞める大義名分も立つ。読売関係者からすれば、“こんなところでWBC監督ポストが役に立つとは”といったところでしょう」(前出・球界関係者)

唯一の懸念は、原監督が早くから「WBC代表監督就任に消極的」といわれていることだが、原監督に近い関係者の見立てはこうだ。

「本音を言えば原はやりたくないだろうが、巨人の監督を辞めることの交換条件として読売がWBC監督就任を提案した場合、原がケツをまくってこれを蹴るとはとても思えない。原は03年に監督を“辞任”させられた後も、『特別顧問』という肩書で読売に残った過去がある。今回もきっとWBC監督に“人事異動”するのではないか」

プライベートはいざ知らず、野球人・原辰徳としては有終の美を飾る道が残されている。

■週刊プレイボーイ29号「来季巨人監督候補4人の名前」より