このところギリシャ問題が投資家の話題に上らない日はありません。

今回のユーロの問題はこれまでに起きた通貨危機、具体的には1992年に起きた英国のEMS危機、タイランドのバーツ危機、メキシコのペソ危機、ロシアのルーブル危機、アルゼンチンのペソ危機などと共通する要素もありますが、違う点もあります。

この相違点を理解することが今後どのようなシナリオでユーロ圏が立ち直ってゆくのかを考える上で極めて重要だと思いますので少し解説します。

【危機の前段階としてのブーム】
先ず通貨危機が起こる前には何らかの理由でその当事国への投資がファッショナブルになり、外国から投機のお金が押し寄せるという現象が見られます。

たとえばメキシコの場合、ハーバード大学のケネディー行政学研究所で博士号を取得したカルロス・サリナスが大統領になり、ウォール街にウケるやり方でメキシコの経済を立て直しはじめたことがきっかけとなり、ブームになりました。

このように外人投資家の資金が入って来ると不動産や株が騰がり、景気が良くなります。

その反面、物価や賃金の上昇、ならびに為替レートの上昇はその国の輸出競争力を削ぎます。

つまり海外からお金が押し寄せることから生まれる好循環は知らず知らずの間にマイナス要因として足を引っ張り始めるのです。続きを読む

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