満塁弾を浴びたグリーンとサンチェスのヤンキースバッテリー【写真:Getty Images】

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2連敗でインディアンスに王手かけられる、第3戦は田中が先発へ

 ヤンキースは6日(日本時間7日)、敵地での地区シリーズ第2戦でインディアンスに8-9で痛恨のサヨナラ負けを喫し、2連敗で突破に王手をかけられた。一時は5点のリードを奪いながら、6回に2番手グリーンがリンドーアに満塁弾を被弾。その直前にチゼンホールが死球で出塁したが、バットのグリップエンドに当たっていた可能性が高く、これが勝敗を分ける大きなポイントとなった。試合後の記者会見では、その場面についてジョー・ジラルディ監督に質問が集中。指揮官は、「30秒ルール」に間に合わず、チャレンジできなかったことを明かしている。

 サンチェスの2ラン、ヒックスの3ランで相手先発クルーバーをKOしたヤンキースは、5回にはバードの2ランで追加点を奪取。8-3とリードを広げ、勝利へ向かって前進していた。

 しかし、6回1死一塁の場面でジラルディ監督はまだ77球だったサバシアに代えて、ワイルドカードゲームで好投したグリーンを投入。試合後、グリーンの状態の良さを考慮しての継投策だったことを明かしたが、これが裏目に。ゴームスの二塁打、チゼンホールの死球で2死満塁とされると、リンドーアに右翼ポール直撃の満塁弾を浴び、1点差とされた。

 ただ、試合後に話題が集中したのは、この満塁弾の直前のチゼンホールの死球。2ストライクからファウルで粘られた後の7球目は、手をかすめて捕手サンチェスのグラブに収まったとの判定だったが、スロー映像で見る限り、バットのグリップエンドに当たっていた。

死球判定に30秒以内にチャレンジできず、間に合っていれば三振でチェンジの可能性も…

 ジラルディ監督はこの場面について「我々はスーパースローで確認するまでに、1分かかってしまった。遅すぎた。彼ら(審判団)は我々には30秒しかないと言ったんだ」と説明。ベンチ裏の“ビデオ班”がスロー映像で確認したものの、現在のルールではチャンレンジは30秒以内に審判に要求しなければならないため、間に合わなかったという。指揮官は「30秒後に彼ら(審判団)に言ったが、チャレンジできなかった」とも説明。諦めざるをえなかった。

 仮にチャレンジして、グリップエンドに当たっていたと判定されれば、サンチェスは捕球していたため、チゼンホールは三振となっていた。チェンジとなり、リンドーアの満塁弾はなくなっていただけに、ヤンキースにとっては痛恨のプレーだった。

 8回にはロバートソンがブルースに同点ソロを許すと、延長13回にベタンセスがゴームスにサヨナラ打を浴びて敗戦。投手交代も常に後手に回り、ジラルディ監督の采配が裏目に出たことは否めず、悔いの残る敗戦となった。

 崖っぷちに立たされた名門球団。ヤンキースタジアムに舞台を移す8日(同9日)の第3戦は田中将大投手が先発する。快投で悪い流れを断ち切り、奇跡の逆転突破へと望みをつなぎたいところだ。(Full-Count編集部)