(左から)笑い飯・哲夫、金属バットの小林圭輔、友保隼平

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 結成16年以上の漫才師のコンテスト「THE SECOND」4年連続ファイナリストの金属バットと、M-1グランプリで9年連続決勝に進出した笑い飯・哲夫。3人の共通項は「決勝常連」であること、決勝のネタ選びで「わざと負けたのでは」と囁かれた経験を持つことだ。金属バットのツッコミ・友保隼平、ボケ・小林圭輔、哲夫による「THE SECOND最遅座談会」をお届けする。【前後編の前編】

【写真】金属バット×笑い飯・哲夫「THE SECOND最遅座談会」の様子

「無の時間が長かった」

――金属バットが「わざと負けたのでは」とも言われたのは、THE SECOND決勝の3本目に披露した「4分間、ボケなし」のネタでした。放送を観て、哲夫さんはどう思いましたか?

哲夫:違和感はなかったですね。僕らも勝手に金属には「変なことをやってほしい」と求めているところがあるし。ひねくれた視点を持つプロの芸人が審査員やったら、票が割れて面白かったんじゃないですか。

――SECONDは観客審査ですからね。金属バットは審査方法とか、そういうのを計算したりはしなさそうです。

友保:いやいや。コンピュータ漫才ですよ。

小林:すべて計算です。こういう取材が来ることも計算してました。

――笑い飯は2009年のM-1決勝の最終決戦で『チンポジ』と呼ばれる下ネタ交じりのネタを披露し、1本目に『鳥人』で最高得点を叩き出していたにもかかわらず、大失速したことがあります。あのときも「わざと負けた説」がのちに伝説のようになりました。

哲夫:そう言われるたびに真相をまた言わなあかんのかなと思ってました。いや、優勝を狙いに行ってましたよ、って。営業でもスベり知らずのネタでしたから。

――ただ、本番の空気はちょっと違いましたか?

哲夫:教室間違えたかな、みたいな感じでした。あれ、知らん子ばっかりおるな、みたいな。

――決勝の3本目をやっているとき、金属バットの場合はどうでしたか?

小林:間違えた感はなかったですよ。間違えたかどうかもわからんような展開だったし。……っていうか、僕らの体感ではウケてましたから。

――もちろん、ウケてないとは……。

友保:無の時間が長かったけどな。

――あのネタは劇場でもかけていたんですか?

友保:もちろんやってます。あっこで新ネタやるやつ、いないっすよ。

――金属バットは笑い飯が2009年のM-1で『チンポジ』を披露して、物議を醸したときのことは覚えていますか?

友保:もちろんです。

哲夫:出とったやろ?

友保:はい、2006年から出てますね。

哲夫:2010年くらいから芸人間で「金属バットはおもろいで」という噂が出始めていた記憶があるな。

友保:ほんまでっか。だいぶ鼻くそでしたけどね。

「令和のチンポジ」

――『チンポジ』が物議を醸した2009年、金属バットは2回戦敗退でした。

友保:ちょっと話が逸れますけど、みんなが当たり前に『チンポジ』って言ってるの、めちゃくちゃおもろいですね。そんなに市民権を得た言葉やったんかと。チンコの位置を変えてるだけやろ。

哲夫:あれ、最後のほうにちょっと言うただけなんやけどね。なぜか通称になってしまった。

友保:あの年、誰が優勝したんでしたっけ?

哲夫:全員、パンクブーブーに入れたんよ。俺らは1票も入らんかった。

――金属バットも笑い飯同様、わざと負けたのではないかという説が一人歩きして、「令和のチンポジ」とも言われています。

友保:ハハハハハハハ。

哲夫:言われるやろな。

友保:まあまあ、そう言うといてくれたら。

●聞き手/中村計(ノンフィクションライター) 撮影/矢橋恵一

▼▼▼後編記事▼▼▼

【つづきを読む→】金属バットは来年以降もTHE SECOND優勝を目指すのか

【プロフィール】笑い飯・哲夫/相方の西田幸治と「Wボケ」のスタイルでM-1グランプリ決勝に9年連続で進出し、2010年、王者に輝く。近著に小説『頭を木魚に』(主婦の友社)がある。

金属バット/ボケの小林圭輔とツッコミの友保隼平のコンビ。結成20年目。THE SECOND4年連続ファイナリスト。今春、上方漫才大賞奨励賞を受賞。

中村計(なかむら・けい)/1973年生まれ、千葉県出身。ノンフィクションライター。著書に『甲子園が割れた日』『勝ち過ぎた監督』『笑い神 M-1、その純情と狂気』など。スポーツからお笑いまで幅広い取材・執筆を行なう。近著に『さよなら、天才 大谷翔平世代の今』。

※週刊ポスト2026年8月7日号