8馬力のマイクロEV フィアット・トポリーノ(1) シトロエン・アミをイタリアンに クーラーなしでハンディファン前提のダッシュボード
シトロエン・アミへイタリアンなマインド
フィアットを率いるオリヴィエ・フランソワ氏は、「マイクロ・モビリティを発明したわけではありません。しかし、誰もが利用しやすいものへ進化させたのはわれわれです」と説明する。3000年前に、古代ローマ人が設計した街で暮らす人にも。
【画像】思わず欲しくなる愛嬌と面白さ フィアット・トポリーノ オリジナルのトポリーノとアミも 全112枚
ミニの開発へ貢献した技術者、アレック・イシゴニス氏は、異議を唱えるかもしれない。それでもフィアットは、500やパンダなど、数多くの傑作コンパクトを提供してきた。フランソワの主張は、過大なものではないだろう。

フィアット・トポリーノ(欧州仕様)
ただし、今回試乗したトポリーノは、フィアットが開発したわけではない。AUTOCARの読者ならご存知かと思うが、ベースとなったのは、ステランティス・グループのシトロエン・アミ。ここへ、イタリアンなマインドが降り注がれている。
トポリーノは、2023年にイタリアなどで発売済み。だが遂に、2026年に英国上陸を果たした。8995ポンド(約189万円)からと、多くの人が利用しやすい価格で。
インスピレーションの元は1936年の初代500
アミのフィアット版を作ろうと考えたのは、ステランティス・グループの前CEO、カルロス・タバレス氏。当初は、ブランドのバッジを貼り直す程度が想定されていた。だがフランソワは、フィアット独自のスタイリングが必要だと、主張したという。
果たしてトポリーノは、フロントもリアも、アミと異なるボディパネルを獲得。丸いヘッドライトや、縦に長いテールライトが、絶妙なレトロモダン感を醸し出している。インスピレーションの元になったのは、もちろん1936年の初代500「トポリーノ」だ。

フィアット・トポリーノ(欧州仕様)
左右のドアは、コストを削減する目的があり、モジュール構造でまったく同じ。助手席側はフロントヒンジだが、運転席側はリアヒンジで開く。ボディカラーは、樹脂製のパネルそのものの色。塗装されているわけではない。
5.5kWhのバッテリーに8psのモーターで最高速は45km/h
アミと、技術的な違いは殆どない。全長2530mm、全幅1390mmというボディサイズも同値。車重は487kgと軽く、英国では自動車ではなくL6規格のマイクロカー扱いで、クワッドサイクルに該当する。しかし、公道での運転には普通免許が必要になる。
駆動用バッテリーは5.5kWhで、フロントに載るモーターの最高出力は8ps、最大トルクは4.0kg-mと小さく、前輪が駆動される。停止状態から約10秒で到達できる最高速度は、45km/h。1度の充電で、最長74kmが走れると主張される。

フィアット・トポリーノ(欧州仕様)
英国仕様が左ハンドルなことも、アミと同じ。2ピン充電ケーブルの他、急速充電用CCSアダプターも付属するが、充電は最大2.3kW。約4時間で満充電になる。
ダッシュボードへ前提のスマホとハンディファン
インテリアも、概ねアミのまま。シートが2脚ぴったり並び、クッションは薄め。それでも買い物の足として、不満はないだろう。スライドできる運転席側が、ボディへ固定された助手席側より若干前寄りにあり、肩や肘がぶつかるのを防いでいる。
助手席側は、つま先の空間に余裕があるが、荷物置き場も兼ねている。バックミラーはなく、ドアミラーの角度調整は手動。サイドウインドウは、下半分が跳ね上がる。

フィアット・トポリーノ(欧州仕様)
ダッシュボードにタッチモニターはないものの、スマートフォンのホルダーがあり、ナビに利用できる。キーを挿してひねると、パワーオン。車載機能と、そのスイッチ類は必要最低限しかなく、冷間時のヒーターはジェットエンジンのようにうるさい。
クーラーは備わらず、ハンディファンを設置できるよう、マウントが備わる。夏場には、かなり重宝するはず。バッグのような、「ドルチェ・ヴィータ・ボックス」という名の収納がフロントガラス付け根にあり、グローブボックスを兼ねている。
気になる走りの印象とスペックは、フィアット・トポリーノ(2)にて。

