三菱重工、防衛株は調整完了か イラン紛争終結で需給転換

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■紛争終結で防衛関連株が買われる理由

 2月28日(金)、アメリカとイスラエルがイランへ先制攻撃を開始したことで、イラン紛争が始まった。紛争勃発で防衛関連株の時代がきた、そう考えた投資家も少なからずいたと思われる。

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 ところが、防衛銘柄大本命の三菱重工の株価は、翌営業日の3月2日(月)に5,208円の最高値を付けたものの翌日からは下落に転じ、6月11日3,404円まで売られた。

 6月11日とは実質的にイラン紛争が終結した(トランプ大統領がイラン攻撃中止と和平合意の接近を発表)した日だ。ニューヨークダウ平均はこのニュースを受けて929ドル高となり、三菱重工の株価もこの日より6日連続高と、どうやら反発の可能性を見せている。

 時系列でみていくと、三菱重工などの防衛関連株は紛争勃発で売られ、紛争終結で底値を付けて反発に向かっている。つまり、イラン紛争が始まると利確売りに押され下落トレンドが始まり、紛争終結で買いが集まりだしてトレンドが転換したのだ。

■株式投資とは噂で買って事実で売る

 金相場にも同じことが言えそうだが、有事に備えて買われた金は実際に有事が始まると換金売りで現金化される。ある意味では保険と同じようなものである。

 同様に、防衛関連株も紛争が始まりそうだという噂で買われ、実際に紛争が始まると売られるということだ。

 では紛争終結で三菱重工の株価はどうなるのか?売られすぎた反発のみで上昇しているのか、それとも新たな噂で買われていくことになるのか?おそらく答えは後者のほうであろう。

■防衛・攻撃ドローンで注目を集める三菱重工

 イラン紛争終結のタイミングで出てきたのが、三菱重工による防衛ドローン開発のニュースだ。ニュースによると、同社は飛来してきた敵ドローンを味方のドローンで撃ち落とす「迎撃ドローン」の量産型試作機を開発したと報じられ、小泉防衛大臣は攻撃型も開発中であるとSNSで投稿した。

 イラン紛争では、コストのかかるミサイルによる攻撃・防衛ではなく、低コストで活躍するドローンが脚光を浴びた。AI活用により、ますますこの風潮は高まるであろう。

 つまり、これまでの防衛システムの見直しが急務となり、その中核を占めるのがドローン戦略となるわけだ。

 イラン紛争は一旦は終結したものの、このまま終わると考えている投資家はほとんどいないだろう。来るべく戦争に備えて防衛関連株が注目を集めることになるわけだ。

■7週連続陰線からの大陽線

 三菱重工の株価は3月2日の週から7週連続の陰線(週足)となった。このタイミングで始まったAI爆上げ相場の影響を受け、半導体関連株を買うために利確されたと考えるのが妥当であろう。そして、紛争終結となった8週目に大陽線を付け、一時4,000円台も回復している。

 日銀は0.25%の利上げ、FRBの年内利上げも確実視されており、インフレとともに金利上昇の時代が迫っている。グロース株には相当なダメージがありそうだが、防衛関連など国策銘柄である三菱重工にとってはかえってプラスに働く可能性もありそうだ。