不動産投資で物件を買い進めるうちに、銀行から突然「融資はちょっと……」と言われてしまう。そんな経験をした投資家は少なくない。
 
不動産投資アドバイザーの木村洸士氏は、この状況に陥る理由を二つに絞って説明する。一つは投資家のキャッシュフロー、もう一つは物件の積算評価だ。利回りが低い物件を買い続けると、収入に対する返済の比率が知らず知らず上昇していく。銀行はその全体像を見ており、「返済比率が高すぎる」と判断した時点で融資の蛇口を閉めてしまうのだ。
 
融資を止められると、多くの人が「年齢のせいだ」「今は融資が出にくい時代なんだ」と自己完結してしまう。しかし木村氏はそれを「受け止め方の間違い」と指摘する。本当の原因を理解しないまま諦めてしまうのは、最初の物件選びで判断を誤っていたとすれば、特にもったいない話だという。
 
では、銀行が嫌う物件とはどんなものか。木村氏は「危険な物件5選」を挙げている。新築ワンルームマンション、サブリース物件、新築アパート、地方の高利回りボロ再生系物件、そして法定耐用年数を大幅に超えた物件だ。なかでも新築ワンルームマンションについては、「赤字経営者が店舗を増やしたいと言っているようなもの」と厳しく評する。キャッシュフローが出ない状態で物件を増やそうとすること自体、金融機関には「経営としておかしい」と映るのだ。
 
一方、融資を止められずに規模拡大を続けている投資家には共通点がある。木村氏はそれを「買う力ではなく、借りる力がすごい」と表現する。路線価を調べ、土地の価値が残る物件を選び、バランスシートを意識した買い方をしているということだ。土地の価値は建物のように年々減っていくわけではない。残債が減るほど、将来の売却時に手元に残るお金が大きくなる仕組みもそこにある。
 
金融機関ごとに評価基準が異なる点も、木村氏は重ねて強調する。法定耐用年数を厳しく見る金融機関がある一方で、経済的耐用年数を柔軟に捉えてくれる金融機関も増えている。実際、木村氏のもとには新潟県で利回り29%・価格約1,000万円の物件をフルローンに近い形で路線価が7割で取得した事例も報告されており、適切な金融機関と物件の組み合わせ次第で、想像を超える数字が現実になることを示している。

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