ひふみ投信藤野英人氏が取締役を退任へ レオスの名物ファンドマネジャーがもたらしたものとは
資産運用会社のレオス・キャピタルワークスが、6月3日に新体制を発表。リストには共同創業者の1人である藤野英人氏の名前はなく、レオスから離れることを明らかにした。
当初は取締役としてレオスに残る予定だったが、アニメーション事業の創出やスタートアップ支援などに携わりたいとの意向を受け、任期満了のタイミングで取締役を退任することになったという。
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投資信託のひふみ投信シリーズを運用しているレオスの躍進は、藤野氏の手腕による部分が大きい。投資活動を行う傍らで、経済誌やテレビ番組などへ積極的に出演。自社商品の宣伝を兼ねながらではあるが、投資に対するネガティブな意見が世論で優勢だった時期から、投資に対するポジティブな啓発活動も請け負った。
誕生以来、ひふみ投信は緩やかに成長し続けてきた。もちろん、日本株のパフォーマンスが追い風になっている部分も否めないが、基準価額は設定来で10倍になっている。テレビ東京系「カンブリア宮殿」では、日本各地を飛び回り、現地での調査にこだわる姿を見せていた藤野氏。彼一人だけの成果というわけではないが、その投資に対する愚直な姿勢が、基準価額や運用資産残高などの形で反映されたのは間違いないだろう。
これだけの功労者がレオスを去るということは、ひふみ投信に悪影響を与える恐れがある。投資信託に強い関心を持っている人々にとって、藤野氏と言えばレオス、レオスと言えば藤野氏だと連想する人は少なくないだろう。名物ファンドマネジャーが去ることは、屋台骨を一つ失ったも同然だ。
海外では、名物ファンドマネジャーの去就によって、ファンドの運用資産などに影響を与えた例が少なからず存在する。日本国内でも、セゾン投信元CEOの中野晴啓氏が親会社との対立をめぐって、2023年に職を追われた。積立王子の愛称で知られていた中野氏は、新たになかのアセットマネジメントを立ち上げ、プロフェショナルなチームで顧客本位を追求するというスローガンを掲げて活動を続けている。
中野氏の解任を受けてか、セゾン投信に流入する資金は一時的に減少。基本的に右肩上がりだったグラフに、不自然なくぼみが生まれた。なかのアセットマネジメントは、ファンド立ち上げに際して第一生命ホールディングスやソニーフィナンシャル・グループ、楽天証券ホールディングスなどから資金を調達。好調なスタートダッシュを切ることができた。
少なくとも現時点の発表や報道では、藤野氏の場合は親会社であるSBIグループとの仲違いによるものではなく、やりたかったことを実現するための退任である。藤野氏がレオスと共に投資活動を行う、もしくはレオスにカムバックする可能性も残っているが、6月15日から生まれ変わるレオスは、投資家にどんな未来を提案するのだろうか。
文/池田聖人 内外タイムス編集部
