「3日以内に治療しないと失明します」益若つばさ 骨盤骨折から復帰間近で帯状疱疹を発症「今もドーナツクッションが欠かせない生活」
2022年5月に骨盤を骨折し長期休業中に、今度は帯状疱疹も発症した益若つばささん。復帰の話を進めていた最中、予想だにしない激痛が続いたといいます。(全4回中の3回)
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「この赤いの、なんですか?」と先生が急に慌てて

── 2022年5月、仕事で滞在していたアメリカで仙骨を骨折。当初は歩くこともできなかったため、現地の知り合いの家で療養生活を送ることに。骨折から1か月後に帰国して引き続き療養されていましたが、同年12月には帯状疱疹を発症します。まず、どのような状況で異変を感じて、病院に行こうと思いましたか?
益若さん:骨折から徐々に回復し、立っていられる時間が伸びてきたので、友達にステーキの焼き方を教えていたんです。友達が肉をひっくり返したら油がはねて「アツっ!」って私の腕に飛んできて。翌朝鏡を見たら右のおでこも赤くなっていたので、ここにも油がはねたのかなと思っていたら、赤い水ぶくれみたいなのが顔の右半分から、目からおでこにどんどん出てきて、さすがにちょっと心配に。友達に話すと「年末年始でそろそろ病院は休みに入る。顔だし、モデルの仕事もしているから病院に行ったほうがいいんじゃない?」と言われ、翌日、皮膚科に行くことに。病院で診察してもらうや否や「この赤いの、何日目ですか?」と先生が急に焦り出して、「帯状疱疹です。目から上にできてるし、3日以内にステロイド治療しないと失明しますよ。今すぐ眼科にも行ってください!」と言われ。先生が眼科を予約してくれて、そのまますぐに眼科も受診しました。まさか自分が帯状疱疹を患うとは思っていなかったんですけど、早期治療が推奨されるなかで、発症からギリギリ3日以内に受診できました。
── 帯状疱疹は激しい痛みを伴うことがあると聞きます。いかがでしたか?
益若さん:受診しても1、2か月はかなり激しい痛みが続きました。痛みで皮膚が裂けるような、頭に電気器具をつけて電流をいっぱい流されているような感じ。毎日うなされて眠れませんでした。自分のなかでは出産・骨折・帯状疱疹とトップ3に並ぶくらいの痛みでしたね。
2022年の5月に骨折してから、2023年の復帰を目指してスタッフと話をすすめていましたが、やっぱり免疫が落ちていたのか、ワクチンの影響なのか…いまだにわかりませんが、元気になったつもりでもまだまだ心身にストレスがかかっていたんだと思います。
── 痛みがストレスとなり、メンタルにも影響しそうです。
益若さん:私、こう見えてもともとすごく元気なんですよ。メイクの雰囲気では病んでそうに見えるかもしれませんが(笑)、基本的に悩まないし、めちゃくちゃポジティブです。でも、さすがに骨折と帯状疱疹に関してはメンタルがやられて、病院でも骨折のダメージによるうつ症状だと診断されました。今はもちろん元気ですが、メンタルが落ちているときは体の調子が悪いし、体の調子が悪いときはメンタルも落ちるし、メンタルと体は繋がっていたんだなと実感しました。以前も何度か骨折していますが、改めてそう思いますね。
今もドーナツクッションは敷いています

── 仙骨のほかにも骨折されていたのですね?
益若さん:結構やってます…。左手首、肩甲骨、今回の仙骨、事故で歯をぐちゃぐちゃに折るとか。左手首は息子とアイススケートをしているときに、息子が転ばないようにと思って手を繋いでいたら、私がバランスを崩して転ぶっていう。肩甲骨は、高校生のときに自転車に乗っていたら、私の自転車の前輪と前からきた男の子の前輪がぶつかった衝撃で肩から豪快に落ちて折りました。歯は、10代のときに交通事故にあって…しばらく笑うのが苦手で、今でも治療やマッサージを続けていますね。
── お体をご自愛ください…。仙骨の骨折から帯状疱疹を発症し、9か月休業した後、2023年2月に映画『翔んで埼玉』の撮影で復帰されました。久しぶりの仕事はいかがでしたか?
益若さん:正直不安でした。痛みがまだ残っていたし、骨折した影響でしばらく頭がボーッとしていて、記憶が飛び飛びなこともあったんです。また、休んでいた9か月はすごくゆったりしていたので。その間に仕事の流れが変わってしまったんじゃないか、周りのスピードについていけるのか、セリフを覚えられるのかなど、いろいろ気になりました。でも、いざ撮影が始まるとスイッチが入るというか。痛みを感じることはありましたけど、病院の先生が「骨はもうくっついてるし大丈夫だよ」って言ってくれた言葉が励みになり、無事に撮影を終えることができました。
── 大病や大ケガをした人は人生観が変わる人もいます。益若さんはいかがでしたか?
益若さん:すごく変わりました!今までは「気力だけでなんとかなる」と仕事を詰め込み、限界まで働いてから休日に病院で点滴を打つようなことがあったんです。でも、今は休むときは休むし、しっかり睡眠もとるようにしています。今の働き方が、この先何十年か後の自分に返ってくるし、休むことでまた迷惑もかけてしまうので。これからは自分のことも大切に、ていねいに暮らしたいです。
ケガから約3年経ちますが、今は95%くらい回復している感じです。ただ、今でも座るときはドーナツクッションを敷きますし、長時間の移動で痛みが出るなど、まだまだ支障はあります。ただ、おおむね生活は普通にできているかな。たぶん走ることもできると思います。骨折、帯状疱疹となかなかハードな経験をすることになりましたが、予防も含めて心身を見直すきっかけにもなりました。また、こうやって誰かに伝えることもできるし、とてもいい経験になりました。
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長期休業を経て見事に仕事復帰を果たした益若さんは、今年で40代に突入します。年齢を重ねることに不安を覚える人がいるなかで「早く40代になって、自分の価値を上げたいです」と明るく話してくれました。
PROFILE 益若つばささん
ますわか・つばさ。1985年埼玉県生まれ。『Popteen』の読者モデルとしてブレイク。現在はモデル業のほか、アパレルや美容関連商品のプロデュースも行う。1児の母。
取材・文/松永怜 写真提供/益若つばさ