領空を侵犯したロシア軍の哨戒機「IL38」=航空自衛隊撮影

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 タス通信によると、ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は2日、日本の防衛省が9月23日にロシア軍の哨戒機が北海道・礼文島北方で日本の領空を侵犯したと発表したことについて、事実関係を否定した。

 防衛省は、哨戒機「IL38」1機が3回にわたり領空を侵犯したと発表。航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)し、航空機から強い光と熱を発する「フレア」で警告した。当時の岸田首相が露政府に抗議し、再発防止を求めた。

 ザハロワ氏は記者会見で、「日本側は外交ルートで抗議しようとしたが、ロシア側は拒否した。我々は日本側の抗議の妥当性を裏付ける情報を持っていない」と述べ、領空侵犯を否定した。

 一方、ザハロワ氏は、石破内閣が2016年から経済産業相が兼務してきた「ロシア経済分野協力担当」の設置を見送ったことに、「日本政府がロシアとの経済対話の発展の必要性を感じていないことを意味する」と語った。「日本は米国の圧力で対露経済制裁を採用し、日露経済関係は日本側に完全にブロックされている」と一方的に主張した。