衣装協力 Desigual(デシグアル 東京 銀座中央通り)

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ドラマが歴史的快挙だ。米テレビ界最大の栄誉であるでは、作品賞を含む史上最多18部門を受賞。日本とハリウッドが手を組んだ本格的な時代劇を、している。

THE RIVERは、惜しくも単独でのノミネートは逃したものの、「Fuji-sama」として海外で爆発的な人気を獲得した藤役の穂志もえかに単独インタビュー。4月に都内で開催された第9話&最終話上映イベント舞台挨拶の際には菊役の向里祐香とが、今回はソロでの再取材。エミー賞ノミネート発表後、授賞式直前のインタビューに応じた。

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海外での人気が凄まじく、新たな日本ブームの火付け役となった「SHOGUN 将軍」。ところが前回の取材時、国内で暮らす穂志と向里の二人は「あまり反響を実感していない」と語っていた。それから5ヶ月ほどがたち、エミー賞最多ノミネートという快挙も成し遂げたが……?

「反響は、あんま変わらないですね」。金髪のショートヘアとなった穂志は軽やかに答えながら、「観てくれた人は増えたかな」と手応え。お笑い芸人の間で「SHOGUN 将軍」が話題になっているらしい、と聞いて驚いたそうだ。

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元々1シーズン限りのリミテッド・シリーズとして製作された「SHOGUN 将軍」だが、大反響を受けてシーズン更新が決定。穂志もニュースを見て知ったという。「シーズン2をやるか、やらないかというのはずっと話題になっていたようですが、“真田広之がシーズン更新契約にサインをした”という海外の記事が出て、“これは確定なんだろうな”というのをネットで知りました。関係者にも確認してみたら、本当っぽいということで」。

「シーズン1の終わりが美しかったので、正直私はあそこで終わっても満足でした」と続ける穂志。「だけど、シーズン2に続くことは喜ばしいことだと思います。成功したからこそ続編が実現したわけですから。シーズン2にもまた関わりたいです」。

多くの主要人物が命を落としたシーズン1だが、穂志が演じた藤は数少ない生き残りのうちの一人。続投の可能性について尋ねてみると、「全くわからないです。」としつつ、「もちろん出演はしたいです。藤は出家したので、もし登場するのなら、どういう関わり方になるのか気になります」と答えた。

シーズン1が成功したことを受けて、「良くも悪くも期待の目で見られるのがシーズン2だと思います。気持ち新たに、イチからやるのが良さそうですね」と話す。もしも続投するのなら、シーズン1での学びをどのように活かしたい?

「芝居に関しては、“もっとああすれば良かった”と思うのはいつものことです。シーズン1での私の自然体なスタンスが、向こうの皆さんに気に入っていただけたようなので、引き続きあまり余計なことをしない方が良いのかなと思います。もっとキャラっぽく、立てるような芝居をした方がいいのかなとも思ったけれど、意外と向こうの人たちはそういうのが好きじゃなくて。芝居へのアプローチについては、脚本を読んでから考えたいです。」

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穂志には、シーズン2以降の現場で“やりたいこと”がある。それは、主演とプロデュースに奔走する真田広之を、少しでも手伝うことだ。

「ヒロにコーヒーを持っていきたい(笑)。初めてのアメリカの撮影システムに戸惑うこともあったんですけれど、真田さんはスタッフ、役者関係なく、みんなの相談に乗ってくれていました。本当に休みなく働かれていたと思います。土日も動かれていましたから。

私が考えるまでもなく、真田さんの中には『シーズン2ではこうする』という策がおありだと思いますけれど、少しでも真田さんの負担を減らすために、私にお手伝いできることが何かあれば、と思います。

真田さんのことをすごく尊敬してます。彼の仕事への向き合い方を、できるだけ近くで見ていたい。プライベートでの会話も含めて学びも多く、日々気付かされることばかりなんです。」

そう話すうち、真田への感謝の想いがつい溢れてしまう穂志。「真田さんは謙虚な方だから、あまり話しすぎると嫌がられてしまいそう」と笑いながら、エミー賞ノミネート発表時にも、思わず真田にメッセージを送ったと明かす。「真田さんはいつも通り慎ましく、“みんなのおかげです”という言葉が返ってきました」。

個人としてのノミネーションは逃したが、本人以上に、仲間たちが悔しがってくれたという。FXでヘッドキャスティングを務めたベテランのマイケル・カッチャーからは「君はノミネートされるべきだったと思う」と納得いかない様子を伝えてくれた。プロデューサーを務めたジャスティン・マークスからも、「僕たちのお気に入りのキャラクターがノミネートされず、今日はビタースウィートだ」「ライターズ・ルームのみんなは嘆いてる」とメッセージが届いた。「そんなふうに言ってもらえて、すごく嬉しかったです」。

穂志曰く、「もしかしたら」という気持ちはあった。ただ、真田や平岳大といった、海外での経験豊富な共演者たちから、「賞に固執しない」という心構えを聞かされていたそうだ。「私も『SHOGUN 将軍』以外の作品にも挑戦していきたい。ノミネートされなかったからといって、全てが終わるというわけでもないですから」。

「SHOGUN 将軍」出演後、日本での俳優活動も盛んに行なっているが、再び海外の作品に挑戦するつもりはあるだろうか。日本と海外、活動のバランスについて尋ねると、穂志は「それが、難しいんです」と実感を話す。

「この間も、突然アメリカのエージェントから“9~11月のスケジュールを教えて”と連絡があって。すぐじゃないですか!無理ですよ、って。

日本のアクターが海外を目指す時に、まず障壁になるのはスケジュールの問題と聞いていたんですが、それをまざまざと突きつけられた感じ。今度、浅野さんに相談しようかなと思ってるんですけど。どうにか両方やっていきたいという気持ちはあります。」

世界的な活躍も見込まれるが、海外に拠点を移す、という検討をしたことはある?

「今のところはないのですが、ふとタイミングが来て、パンと弾けることがあるので(笑)。事務所を抜けたのもそうだったんですけど。真田さんやLAで活動しているアクターの方達のライフスタイルを見て、健康的でいいなぁと思ったりしました。。そういう思いが重なって、いつか向こうに出張する時期が来る……かもしれませんが、今のところはわかりません。そんなに甘い世界じゃないですし、行ったからって仕事があるわけでもないですからね。」

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もしも世界に飛び出したら、穂志には一緒に仕事をしたい憧れのフィルムメーカーがたくさんいる。「ヨーロッパで言うと、アリーチェ・ロルヴァケル。『墓泥棒と失われた女神』(2023)や『幸福なラザロ』(2018)を撮っているイタリアの監督で、すごく気になっています。韓国だとイ・チャンドン。アメリカではたくさんいますが、ジョーダン・ピールやヨルゴス・ランティモス、ラース・フォン・トリアーが気になります」。一筋縄ではいかない作品が好みのようだ。「そうかもしれない。哲学的な要素が入っているのが好きなのかもしれないですね」。

最近はマーベル・スタジオ作品も追っている。前回の取材時、向里がマーベル作品の魅力を熱弁していたのだ。その後、向里から「MCU()作品の観る順番リスト」が送られてきたといい、今では毎日のようにMCUを観進めている。

「まだまだ途中なんですけど」という穂志に、どの辺まで観ましたか、と聞いてみると、「えっと、対立しちゃってる!」

『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』?

「そう!アイアンマンとキャプテン・アメリカが対立するやつ!」

お気に入りの作品やヒーローを聞いてみると、「『アントマン』は馬鹿馬鹿しくて面白いし、ホークアイも好きです。カッコいい」と笑顔。「あと、バッキー!」

ちなみに、「SHOGUN 将軍」で共演した平岳大も2025年2月公開の最新作『キャプテン・アメリカ/ブレイブ・ニュー・ワールド』に日本の首相役で出演する。「え!そうなんですか」と驚いた穂志だが、浅野忠信、真田広之、そして平岳大がマーベル映画への道を切り開いてくれたのだから、いつか彼女が出演する未来も決して夢ではない。

そんな将来を思い描けるようになったのも、「SHOGUN 将軍」での世界的なブレイクのおかげだ。改めて、「SHOGUN 将軍」を通じて今も心に残っている風景を尋ねてみた。「たくさんあります。プライベートと仕事の両方、全部いい思い出がいっぱいあって……」と、撮影の日々に思いを馳せる。

「私生活では、バンクーバーの豊かな自然にはすごく救われました。『SHOGUN』とは関係のない日本人の友達も、現地でできて、今も仲良くしている人がいます。プライベートで真田さんと話したことも思い出です。それから仲良くなったドライバーさんとの時間。現場を行き来する往復2時間、1日の中でその人とだけの空間になる。そういう時間もすごく特別でした。

現場での監督とのやりとりも面白かったですね。みんなが穏やかに自分の仕事に集中している。私の周りでは怒号みたいなものが聞こえたこともなく、本当に素敵な現場でした。

カナダも思い出深いですが、アメリカも。現地でエージェントとマネージャーを見つけられたということもあるのですが、もう一つの居場所ができたような気持ちです。行けば真田さんもいるし。『SHOGUN 将軍』を機に、救いのような場所を見つけたなと、世界が広がったように感じています。」

9月16日(日本時間)に米ピーコック・シアターで開催されたエミー賞授賞式にも出席。会場には世界中から一流の俳優らが集結するはず。刺激的な出会いもあるはずだ。「どんなことが待ち受けているのか、ドキドキです」と、輝くような笑顔を見せた穂志。「エミー賞の後も、また取材してください!現地でのお土産話、用意しておきます!」

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「SHOGUN 将軍」はで配信中。