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"テレビ界のアカデミー賞”とも呼ばれる、第76回プライムタイム・エミー賞授賞式が2024年9月15日(現地時間)に開催された。ハリウッド製作の時代劇ドラマは最多25ノミネートを受け、ドラマシリーズ部門の作品賞・主演男優賞(真田広之)・主演女優賞(アンナ・サワイ)受賞を含む史上最多の18冠を達成。一方、助演男優賞では、浅野忠信と平岳大が受賞を逃す結果となった。

「SHOGUN 将軍」で浅野が演じたのは、伊豆地方の領主・樫木薮重。平が演じたのは、虎永(真田広之)と天下獲りを争う敵将の石堂和成だ。すべて日本語のセリフでありながら、2人の演技は世界中の批評家・視聴者から称賛を浴びた。特に、二面性がありながらも憎めない藪重役を演じた浅野の人気は強く、製作者からも「魂の演技が見られた」といた。

事前予想では、助演男優も「SHOGUN 将軍」勢が最有力とされていたが、授賞式当日に賞を手にしたのは「ザ・モーニングショー」のビリー・クラダップ。当記事では、「ザ・モーニングショー」がどのようなドラマなのか、ビリー・クラダップとはどんな俳優なのかを紹介していきたい。

画像提供 Apple TV+

Apple TV+のドラマ「ザ・モーニングショー」は、アメリカの朝のニュース番組『ザ・モーニングショー』を舞台に、看板キャスターの不祥事を発端とする人間模様を赤裸々に描いた物語。「フレンズ」ジェニファー・アニストン、『キューティー・ブロンド』シリーズのリース・ウィザースプーンが主演・主演総指揮を務める意欲作だ。3シーズンを通して、エミー賞、ゴールデン・グローブ賞、SAG賞などに多数ノミネートされており、賞レースの常連となっている。

ビリー・クラダップが演じるのは、テレビ局UBAのCEOであるコリー・エリソンだ。傲慢で大胆だが、時に鋭い洞察力をもって冷静な判断を下し、時にユーモアを発揮する。複雑で、カリスマ的で、まぎれもない存在感を放つキャラクターだ。この複雑なキャラクターを好演するクラダップは、2年連続で助演男優賞を受賞する結果となった。

画像提供 Apple TV+

さて、クラダップといえば、数々の名作に出演してきたベテラン俳優だ。名前を知らなくとも、他の作品で見たことのある人は多いだろう。1996年の映画『スリーパーズ』で、ブラッド・ピットとともに不良少年役を演じて映画デビュー。その後、『世界中がアイ・ラヴ・ユー』(1996)、『秘密の絆』(1997)に出演し、アニメ映画『もののけ姫』英語版のアシタカの声を担当するなど、着実にキャリアを積んでいった。2000年代以降は、『あの頃ペニー・レインと』(2000)『ビッグ・フィッシュ』(2003)、『M:i:III』(2006)、『グッドシェパード』(2006)、『ウォッチメン』(2009)、『エイリアン: コヴェナント』(2017)、『ジャスティス・リーグ』(2017)など、ここには書ききれないほど様々なジャンルの話題作にする活躍ぶりである。ちなみに、現在の妻は俳優のナオミ・ワッツだ。

日本人としては、浅野か平がエミー像を持つ姿を見たかった――そんな思いもあるが、「ザ・モーニングショー」のクラダップも、間違いなく賞に値するものだ。「ザ・モーニングショー」を見たことのない人は、これを機に鑑賞してみてはいかがだろうか?

「ザ・モーニングショー」シーズン1~3はApple TV+で配信中。
「SHOGUN 将軍」はで配信中。