トヨタ「小さなミニバン」に強敵登場! シエンタと双璧のホンダ「新型フリード」公開! どんな人が検討? 販売店への影響は?
新型フリード登場!ライバルトヨタ「シエンタ」への影響は?
2024年5月9日、ホンダは同年6月販売予定の新型「フリード」を同社ホームページにてより先行公開しました。
ライバルモデルである、トヨタ「シエンタ」へはどのような影響があるのでしょうか。
フリードはコンパクトミニバンとして、シエンタと双璧をなすモデルです。
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両車ともミニバンとしては扱いやすいボディサイズながら、2列シート&3列シートを設定し、広い室内空間や多彩なシートアレンジなどを特徴とし、国内で高い人気を誇ります。
日本自動車販売協会連合会の統計によると、2023年度の国産乗用車の販売台数はシエンタが12万2706台(全体3位)、フリードが7万4681台(全体10位)とどちらも高い数字を出しています。
シエンタは2003年に初代が登場していますが、現行モデルは2022年8月に登場した3代目となるモデルです。
現行のシエンタは「シカクマル」とシンプルなモチーフで愛着のわくデザインとなり、多くのユーザーから親しまれています。
また、室内高が上がったことや、水平基調の低いベルトライン、サイドガラスを立てた意匠によりさらなる広く開放感ある室内空間が創出されました。
一方、フリードは2008年に初代が誕生し、2016年に2代目、そして今回8年ぶりとなるモデルチェンジが行われ3代目が登場。発売は2024年6月の定です。
3代目となる新型フリードでは、上質でシンプルなデザインである「フリード エアー」と、遊び心と力強さを兼ね備えた「フリード クロスター」の2タイプが設定されました。
「“スマイル” ジャスト ライト ムーバー」がグランドコンセプトに掲げられました。
人びとの暮らしだけではなく、使う人の気持ちにも寄り添い、日々の暮らしに笑顔をもたらすクルマとなることを目指して開発されているとのことです。
両タイプとも3列シート仕様(7人乗り/6人乗り)で、クロスターには2列シート仕様の選択も可能です。
ボディサイズはフリードエアーが全長4310mm×全幅1695mm×全高1755mm。フリードクロスターが全長4310mm×全幅1720mm×全高1755mmとなっています。
ライバルとなるシエンタは7人乗りと5人乗りのみの設定で、6人乗りの仕様は用意されていません。
なおシエンタのボディサイズは全長4260mm×全幅1695mm×全高1695(E-Fourは1715mm)です。
新型フリードのエクステリアでは、水平基調のベルトラインにより上質な印象を与えつつ、ボディサイドが張り出されており、存在感を発揮します。
また、フロントフードやバンパーもボリューム感を出すことで力強さも演出。
フリードクロスターでは、ボディの下部の黒基調のガーニッシュやロアガーニッシュ、ルーフレースによってアウトドア仕様な外観となりました。
一方、シエンタは1タイプのみの設定で、前出のとおり丸みを帯びた外観が特徴的です。
アウトドア感あるシエンタの外観は、フリードクロスターにより近い印象があります。
そして、フリードのインテリアは、ユーザーがストレスなく使えるように大容量の収納や取り出しやすさが重視されたインパネが配置されています。
また、3列目シートでは座り心地の良さを維持しながらシートの軽量化と構造物が薄型化しています。
さらに荷室としての機能性が考慮され、跳ね上げ時のシートの固定位置を低く、よりすっきりと収納できるつくりとなりました。
対するシエンタの内装は、ファブリックを用いた薄く軽快な水平基調のインストルメントパネルに加えて、アッパー部前端から左右のドアベルトラインへのシームレスな繋がりによって、室内空間の広がりと車両感覚のつかみやすさをサポート。
330mmと低いフロア地上高や段差のないフラットなフロアを踏襲しつつ、パワースライドドア開口部の高さを1200mm(従来型比+60mm)に広げ、後席への優れた乗降性を実現するなど、細かな部分も配慮されています。
なお、パワートレインではフリード、シエンタ共にガソリン車とハイブリッド車を設定しています。
ユーザーはドコを比較? どんな人が興味を示す? トヨタ販売店への影響はある?
コンパクトミニバンとしてライバル車ともいえるフリードとシエンタですが、今回の新型フリードの登場によりシエンタへの影響はあったのでしょうか。
関東圏のトヨタ販売店担当者は次のように話します。
「現状、新型フリードの登場によってシエンタに影響が出ている印象はありません。
比較検討されるお客様は、やはりファミリー層が中心となっています。
シエンタはカラー設定が豊富で、アウトドアらしくも愛着のわくデザインの面から選ばれる人が多いです。
しかし、フリードは2タイプの展開に対し、シエンタは1タイプのみの設定です。
また、6人乗り仕様はなくバリエーションとしてはフリードのほうが多いため、シエンタに好みの仕様がない場合フリードを選ぶといった人もいるかもしれません」
中部圏のトヨタ販売店担当者は次のように話します。
「新型フリードが先行公開された際にはシエンタと比較する問合せはいくつかありました。
同じセグメントのライバルではありますが、コンセプトが違うことはお客様も理解されていることが多く、最初からどちらかに決めているうえで比較検討されるお客様も少なく有りません
検討される多くはファミリー層となり、こまかなシートアレンジや使い勝手をメインに気にされています」
さらに関西圏のトヨタ販売店担当者は次のように話します。
「2023年、シエンタなどのトヨタ車が部品供給の問題で長納期化していました。
当時はシエンタを納期の問題から購入を断念し、フリードを買うという人も一定数いました。
しかし、最近では納期が改善され、シエンタを諦めてフリードを買うという人はほとんどいないといった印象です。
また、シエンタとフリードでは、メーカーの違いからハイブリッド性能や燃費、走行感覚が異なります。
そういった面で重視するポイント、好みの違いでどちらを選ぶかが分かれてきます。
新型フリードが発売されても同じような動きにはなるかと思います」
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5月9日の先行公開時点では、新型フリードのデザインやグレード、機能、安全装備などの一部が明かされました。
今後6月の発売時には詳細なスペックや価格などが明らかになり、その差異には価格&機能といった面などでシエンタと比較するユーザーは出てくると予想されます。