DeNAの本拠地、横浜スタジアム

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優勝候補のDeNAが失速している。2023年6月下旬に貯金を最多の12に増やして阪神から首位を奪回したが、その後は下降気味に。目下5連敗中で最近の10試合は2勝8敗と大きく負け越し、貯金を3に減らしている。

「少ないチャンスを生かす試合が必要」

スポーツ紙記者は、「野球の緻密さに欠けている」と分析する。

「打線がつながらない時が必ず来る。その時にいかにして点を取るか。小技やエンドランを絡めて点を取る広島とは対照的に、DeNAは個々の能力に依存した攻撃で創意工夫が見られない。優勝を狙うには少ない安打で勝ったり、相手に主導権を握られながらも少ないチャンスを生かす試合が必要になってくる」

今永昇太、トレバー・バウアー、東克樹、石田健大、大貫晋一と先発は能力の高い選手がそろい、野手陣も首位打者経験がある主将の佐野恵太、リーグトップの打率.343をマークする宮崎敏郎、WBCで侍ジャパンの覇権奪回に貢献した4番の牧秀悟、今季ブレークした関根大気と役者がそろっているが、チームとして個々の能力が最大限に生かされているとは言い難い。

守護神・山崎康晃の不調、ネフタリ・ソトの打撃不振など誤算もあったが、攻撃に連動性がないのが気になる。20盗塁はリーグワースト。ヒットエンドランなど機動力を絡めた効果的な攻撃も印象が薄く、要所で犠打の失敗や進塁打が打てないなどのミスが目立つ。310得点はリーグ2位だが、拙攻で白星を逃した試合が少なくない。

ただ、首位・阪神と4ゲーム差。まだまだ優勝を狙える位置につけている。昨年は8月に18勝6敗と大きく勝ち越し、前年の最下位から2位と奮闘した。2年連続2位ではDeNAファンも満足できない。爆発力があるチームだけにここでズルズルと負けず、優勝戦線に踏ん張れるか。(中町顕吾)