新天地の新潟で早くも結果を残している太田。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1第3節]新潟2―2札幌/3月4日/デンカビッグスワンスタジアム

 雪国を本拠地とするアルビレックス新潟は、例年リーグ開幕戦をアウェーで迎える。6年ぶりにJ1に舞台を移した今季も、セレッソ大阪(2-2)、サンフレッチェ広島(2-1)とのアウェー2試合を戦った後、3月4日に行なわれた第3節の北海道コンサドーレ札幌戦がホーム開幕戦となった。

「非常に楽しみ。きっと大声援をもらえると思うので、皆さんのボルテージをさらに上げるプレーを心がけたいと思います」

 新潟移籍後、初出場かつJ1デビュー戦となった前節の広島戦で先制点を挙げた太田修介は、試合前日会見でそう宣言した。

 昨季のJ2最終節、太田はFC町田ゼルビアの選手としてデンカビッグスワンスタジアムに立った。すでに新潟がJ1昇格とJ2優勝を決めて迎えたホーム町田戦には、2万5414人の観客が詰めかけていた。

 当時の声出し応援エリアはゴール裏のみだったが、スタジアムに響き渡る拍手も含めて、新潟の応援を脅威に感じていたという。
 
「すごくやりづらかった。あまり押されていないのに、すごくピンチに感じる。雰囲気で圧倒される経験をしているので、それを自分のパワーに変えられるのはめちゃくちゃ楽しみです」

 迎えたホーム開幕戦には、その時よりも多い2万5468人が訪れた。声出し応援も全席で可能になり、選手を鼓舞するコールや応援歌、ときには相手チームにプレッシャーを与えるブーイングが響く。その声援は白鳥の羽を模した屋根に反響し、選手を包み込む。

 太田はJ1デビュー戦となった前節の広島戦に続き、右サイドハーフで先発出場。チームは序盤から札幌のマンツーマンディフェンスに押し込まれ先制点を許したものの、失点から4分後の21分に伊藤涼太郎のゴールで振り出しに戻す。相手のプレスの背後を狙ってゴールに迫る場面を増やすと、45+1分、太田に待望のホーム初得点が生まれた。

 自らの仕掛けが相手のファウルで止められ、ペナルティエリア手前右からのFKを獲得。キッカーは伊藤。中央で藤原奏哉が競り勝ってヘディングでファーサイドにそらすと、そこに待っていたのが太田だった。

「サインプレーでファーサイドに、という練習をしていたので、ボールが来ると思っていた。良いところに来たので、浮かせないように足元を狙うことを意識した。思い通りのシュートが打てました」

 左足ダイレクトで打ったシュートは、相手DFの股下を抜けてゴールに吸い込まれた。鮮やかな逆転ゴールに、ホームのサポーターのボルテージも上がった。
「気持ち良かった。歓声の迫力もうれしかった」

 仲間とサポーターから祝福を受けながら、右手人差し指を鼻の下に当てるゴールパフォーマンスを披露。観戦に来ていた愛妻と1歳半になる愛娘の方向を指差し、喜びを表現した。

「あれは娘が生まれて2か月のときに、初めてとったポーズなんです。今は映像が残る時代なので、娘が大きくなったときに『点を取ったとき、こういうことをやっていたんだよ』って見せたいなと思って」

 その姿は、湧き上がるオレンジ色のサポーターを背景に、大型映像装置に映し出された。
 
 ただ、試合結果は2-2。後半、追いつかれての引き分けとなった。

「連続ゴールを取れていますけど、まだまだもっと違いを見せることが必要だと思うので、全然満足していない」と、太田は試合後、表情を引き締めた。

 昨季、町田で11得点・7アシストと結果を残した。新潟では2試合出場で2得点・1アシストをマーク。持ち前のスピードを活かして相手の背後を取り、あるいは点を取れる位置にもぐり込み、冷静な判断と狙い通りのコントロールで得点場面を演出する。

 J1でもコンスタントに結果を出し続ける中で、「ラストパスの数やシュートの数は今日も少なかったので、もっともっと増やしていかなければいけない」と課題を挙げた。

 次節は再びデンカビッグスワンスタジアムで、川崎フロンターレと対戦する。さらに大きくなるであろう大声援の中で、太田はホームに初勝利をもたらす力となる。

取材・文●野本桂子(フリーライター)

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