<日本プロゴルフ選手権 初日◇4日◇グランフィールズカントリークラブ (静岡県)◇7219ヤード・パー71>
石川遼、松山英樹、ハン・ジュンゴンの3人しか達成していない偉業に挑んでいるのが久常涼。国内男子ツアー史上4人目の10代でのツアー優勝だ。それが国内メジャーとなれば、誰も達成していない大記録である。
今季開幕から10代での優勝を目標に掲げ、今季ここまで9試合消化。6月の「ASO飯塚チャレンジド」では、首位と1打差の2位タイとあと一歩のところまで迫った。9月9日で20歳になる久常に残された10代Vのチャンスは、今大会を含めて4試合となった。
史上初の10代国内メジャー優勝のかかる久常は、インの10番からスタート。1つ伸ばして迎えた15番パー4でピンまで110ヤードで、ラフからの2打目がカップに沈んでイーグル。上がりの9番パー4は「20何メートルがガチャンと入りました」とバーディ締め。ラッキーも手伝い、初日は1イーグル・4バーディ・2ボギーの「67」、4アンダー・暫定7位タイで終えた。
「いい形で初日スタートを切れた」と汗をぬぐう久常。5週間のオープンウィークでは北陸オープンなどのツアー外競技を5試合こなした。「休んだのは最初の1週間ぐらい。試合勘がある中で今週を迎えられたのがよかった」といい流れで今大会に入れた。
「優勝は一人しかいないので毎週、その週で一番調子がいい人が勝つ。意識はしていますけど、いい位置でプレーを続けることが優勝につながると思います」と多くの優勝争いをすることが、その近道と感じている。「どの試合でもやっぱり優勝は優勝ですし、嬉しいです。それがメジャーなら、なおうれしいです」。その喜びは史上初の大記録、伝統のタイトルに加えて、5年の複数年シード付与が大きい。長期シードを手にして海外ツアーに参戦を目論む。
今大会終了時点の賞金ランキング20位以内で、希望者上位3名は欧州ツアーの出場権をかけた予選会の最終から受験できる。現在賞金ランキング15位の久常は、すでにエントリーする意向だ。また、10月10日時点の賞金ランキング5位以内であれば、米下部のコーンフェリーツアーの予選会も最終から受けられる。今大会で優勝できれば、一気に5位以内も見えてくる。
「暑さは好きではない」と話すが、ジュニア時代から結果が出るのは夏から秋にかけてという。「この試合で10代優勝を遂げて海外というのが一番理想のプランですね」と目を輝かせた。(文・小高拓)
【国内男子ツアー 10代での優勝者】
・石川遼 15歳245日 2007年「マンシングウエアオープンKSBカップ」ほか※
・ハン・ジュンゴン 19歳41日 2011年「ミズノオープン」
・松山英樹 19歳261日 2011年「三井住友VISA太平洋マスターズ」
※石川遼の10代での優勝は2010年「三井住友VISA太平洋マスターズ」までの9回

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