熱中症で考えられる病気・原因は?医師が徹底解説!

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暑さのために起こる健康障害のことを指します。人間の身体は、平常時は体温が上がっても汗や皮膚温度が上昇することで体温が外へ逃げる仕組みとなっており、体温調節が自然と行われます。しかし、体温の上昇と調整機能のバランスが崩れると、身体に熱が溜まってしまい熱中症を発症します。

熱失神、熱けいれん、熱疲労、熱射病の4つの病型があります。このうち熱射病が最重症で、多臓器不全を伴って死亡することもあります。

青少年(運動が原因)と、中高年(労働環境や生活環境の問題が原因)に多いといわれ、男性に多い傾向です。

熱中症は予防が最も重要です。体調の悪い時は無理をしないことや、涼しい服装や場所を選ぶこと、水分・塩分補給を心がけるようにしましょう。

また、熱中症を発症したら早期に体調の異常に気付き、治療につなげる事が重症化を防いで命を守ることにつながります。

重症度で症状は分類されます。

I度:軽症(現場での応急処置で対応できる):めまい、立ちくらみ、生あくび、大量の発汗、筋肉痛、筋肉の硬直
II度:中等症(医療機関への搬送を必要とする):頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感、集中力や判断力の低下
III度:重症(入院して集中治療を必要とする):意識障害(呼びかけに反応が鈍い)、ふらつき、全身のけいれん、高体温

すぐに病院に行った方が良い「熱中症」症状は?

意識がない、反応が鈍い場合

けいれんやふらつき、頭の重い感じ、大量の発汗、高体温などがある場合

吐き気や嘔吐などで水分が取れない場合

これらの場合には、すぐに病院を受診しましょう。

行くならどの診療科が良い?

主な受診科目は、救急科、内科です。

問診、診察、血液検査、画像検査(CTやMRIなど)などを実施する可能性があります。

病院を受診する際の注意点は?

持病があって内服している薬がある際には、医師へ申告しましょう。患者本人が具合の悪くなった状況を知っている人が付き添って受診してください。

呼びかけに反応しない場合は、救急車を呼び、到着までの間に応急処置を始めましょう。無理に水を飲ませてはいけません。氷嚢など冷たい物で、首や脇の下、太腿の付け根を集中的に冷やしましょう。

呼びかけに反応する場合は、涼しい場所へ避難し服を緩めて体を冷やしましょう。水分を自力で摂取できる場合には水分・塩分を補給しましょう。

治療をする場合の費用や注意事項は?

保険医療機関の診療であれば、保険診療の範囲内での負担となります。