橋下市長「本当に公務員の身分保障というのは恐ろしい」―6月21日橋下市長記者会見― - BLOGOS編集部
※この記事は2012年06月22日にBLOGOSで公開されたものです
6月21日、橋下大阪市長の定例記者会見が行われた。この日は、橋下市長から「今夏の節電の取り組み」「災害廃棄物の広域処理」「公募区長」「職員の政治活動」「生活保護の本人受給者」の5つについて記者団に対し説明がなされた後に、各社からの質問が行われた。 (BLOGOS編集部)会見要旨
節電の取り組みについて
大飯原発の再稼動が決まりましたが、節電についてはしっかりやっていきます。6月14日、平成24年度の事務事業の節電方針を取りまとめました。大阪市役所としては本庁舎は17％の節電、市営地下鉄、上下水道などの事業部門では市民サービスへの影響のない程度で節電をしていきます。 市民の皆さん、事業者の皆さんにも節電をお願いしたい。電力受給が逼迫している時にはエアコンを切っていただけると節電効果が高いです。もちろん、高齢者の方などへの配慮は必要になりますので、そこを留意していただいた上でご協力いただければと思います。
また、大阪城天守閣の入館料割引や、協力が得られたプールやスポーツセンターでの割引といったキャンペーンをやります。これらは大阪市のホームページに掲載しています。家族でこうしたところに出かけていただいて、家庭の節電にご協力いただければと思います。
災害廃棄物の広域処理について
大阪市の戦略会議で廃棄物の受け入れ方針を決定しました。これは安全性が確認されている廃棄物ですので、「震災がれき」などのような特別な名前をつける必要はないでしょう。岩手県で処理できないものについては大阪市でお手伝いする。25年度から年間3万t処理していきます。安全を確認する手続きを、いままでずっと続けてきました。安全の基準をきちんと打ち立てて、それと照らして安全なものを処理していきたいと思います。この旨、住民の方々に説明する必要があると思いますので、一般住民の方には直接ご説明に上がりたいと思っています。
区長公募について
24区全員を公募にしまして、合格者が決定しました。一覧は配布している通りです。若干まだ前職との関連で氏名・会社名の非公表を希望している方がいます。合格決定を出した全員から就任の返事をいただいております。民間から18人、本市の職員が6人です。男性22人、女性2人。最年少は27歳、最年長は60歳です。
公募区長は、大阪市政改革の要になる部分です。これについては、メディアのコメンテーターが色々言っていますが、新しいことをやろうとすると反対する人が多いなと思ってます。権限の拡大についても、市役所改革の中で、区役所の権限を拡大していくという流れですので何も問題ない。ABCの「キャスト」のコメンテーターが、「市長の任命責任がどうだ」などといっていますが。
僕が考えているのは、最終的には公選区長です。市長が区長を任命するのではなく住民が選ぶというのがすべてです。今までの職員区長のあり方が問題だったわけですから、そこから一歩踏み出して、今回公募区長にしたわけですが、最終的には住民が選ぶのがよいと思います。
職員の政治活動へのペナルティについて
繰り返しになりますが、罰則規定については、違法になると正式に内閣が決定しました ですから、今回これはまだ文案ですが、条例の第4条として「任命権者は、職員が第36条第1項～3項の規定に違反して政治的行為を行った場合は"『地方公務員の政治的行為に関する質問趣意書』に対する国会法第75条第2の規定による項内閣の答弁の趣旨の踏まえ、当該職員に対し原則として懲戒処分として免職の処分をするなどの必要な措置を公正かつ厳格に行うものとする」。要は閣議決定の趣旨を踏まえてしっかりと免職をしますよという形で議会に条例案を出したいと思っています。
生活保護の受給者の本人確認について
以前、生活保護受給者の本人確認ついて、手続きがまずいのではないかとの指摘が読売新聞からあったので、その後確認しました。未確認のものが確かにありました。 5月28日の段階で248件の未確認が発覚したのですが、戸籍確認が実はできていたものも110件ありました。つまり、138件が未確認だった。ただし、そのうち66件が確認不能でした。当人が認知症、重度の精神疾患などだったということです。つまり残りは、72件ですので、これについては、しっかりと対応していきたいと思います。
質疑応答
―不祥事事案が、またありました。地下鉄千日前線の回送列車の中で、職員が喫煙という事案です。今回の事案についてのお考えを（幹事社・関西テレビ）
これは最悪ですね。どうなってるんですかね。民間じゃ考えられません。交通局の現場は、聞きやしませんね。前回よりも重い処分でお願いしますということで、交通局長に戻しました。
市民の皆様には、お詫びいたします。本当にお詫びを繰り返してばかりですので、職員に対しては厳正に対処していく。前回停職3ヶ月ということで処分を下したにもかかわらず、僕のところには「魔がさした」といって報告が来てるんですね。これは本当に免職にしなければいけない。それぐらいしないと交通局は直らないんじゃないですかね。僕以前の平松市長までの間、交通局が選挙の実働部隊になっていて、「俺らがトップを選んできた」という意識が根底にあるんじゃないですかね。
トップのいうことをこんなに軽んじる現場とか組織を僕は知りません。考えられませんよ。民間なら左遷あるいはクビですよ。本当に公務員の身分保障というのは恐ろしいですね。僕は1回裁判になってもいいと言っています。あり得ないです、こんなの。
―公募区長について、民間の数については満足しているのか？
バランスというのは考えていません。純粋に絶対基準で、適正があると思った方を採用しました。
―選考の過程で重視したことは？
行政の知識というのは局の幹部クラスに敵う訳がない。その中で、どのような議論の仕方をするのか？区長の役割をどう考えているのか？。知識でまともに議論しようと考えてしまう人は難しいと思います。今回選ばれた方も知識は足りないかもしれませんが、選択・判断をするという部分を重視している人を採用しました。
―公募区長の件。天王寺区の27歳の方、あと民間で女性が一人。この2人について、どのあたりを評価されたのか（ABCテレビ）
城東区は非常に個性の強い方です。一度取材をしてもらいたい。おそらく普通の役所の選考過程では厳しい評価になるかもしれませんが、僕や中田さんの感覚からすると非常に頼りがいのある方です。ずっと城東で事業をされていた方でかなりエネルギッシュです。ビジネスの発想も豊かです。こういう方が上に立つとなると今までの役所の感覚だと辛いだろうな思います。
天王寺区の水谷さんは、非常に深く考えているし、論理的で27歳の年齢に似つかわしくない能力を持っている。
―区内居住を義務付けるのですか
これは義務付けません。今も義務付けていませんから。
―区内にすんでいないとわからないところもあると思うんですが
それは各区長の判断に任せます。市内への居住は義務付けていますから。あるいは住民の皆様の声を聞いて、区長が判断すればいいと思います。
―西成区に富永さんを任命した理由は（朝日新聞）
西成区は課題が多いところであり、斬新なアイデアも必要もあるのですが、経験というものを重く見て町長経験者ということで採用しました。安定感もありながら、いろんな発想のある方ですし。
―町長になられる前はライターをしていたのですが、このあたりも含めてということですか？
そういういろんな現場を見て、状況を知るという資質があるということですね。
―北区の中川さんについては市長選に出ていた方ですよね？
僕は選挙で闘ったかどうかなんて、過去のこととして水に流していますので。絶対基準で選びました。市長経験者ですし、改革マインドというのは基本的には僕と一緒ですから。
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このほかにも、各社から区長の人物に対する質問や、原発再稼動の経緯、中之島図書館などについての質問がされた。
