※この記事は2012年06月13日にBLOGOSで公開されたものです

２ちゃんねるの書き込みを転載し、編集した上で見やすくまとめた通称「２ちゃんまとめサイト」。先日、２ちゃんねる側が5つのまとめサイトに対し、転載を禁じる警告を発しました。

「第3者に迷惑をかけ謝罪しない人物に2chの著作物を使われることは、不利益が大きいため、下記のURLにおける2chの著作物の利用を禁止します。また、本人及び関係者による類似サイトへの著作物の利用も同様に禁止します」というのがその内容です。

警告の対象となった「ニュー速VIPブログ」「はちま起稿」「やらおん!」「ハムスター速報」「オレ的ゲーム速報＠刃」はいずれも従来のような転載による運営を止めています。

このような事態について、BLOGOS読者の皆さんに意見を聞いてみたところ、

「便所の落書きに、便所の管理者が著作権を主張しているようなもの」
「天に唾する、とはまさにこのこと」
「トイレットペーパー盗むなってこった。トイレで使ってこそトイレットペーパーであって、持ち出して違う用途に使うなって事」
「これは笑うところなんじゃないのかな？「第3者に迷惑をかけ謝罪しない人物」ってところがイカしてる」

などのように、２ちゃんねる側の主張に「お前が言うな感」を覚えている人が多数いました。

一方で冷静な議論が必要であるとして、

「2chは、禁止の理由を明確にすべきだろう。既に2chを悪し様に叩く人がいるが、叩くのは禁止の理由を聞いてからにすべきだ」
との声や、以下のように著作権がどこに存在するかを考えるべきとの意見もあります。

「CGMのコンテンツ著作権がどこに存在するのかっていう問題と2chに認められた場合まとめサイトによる付加価値部分（よけいな発言を取り除いたり色や大きさで読みやすくして並べ替えて提供する、ネタの抽出についてなど）に著作関連の権利が認められるのかって議論ではないかと思います」

ただ、今回の警告はあくまで警告であり、なぜまとめサイト側がこれに静かに従ったのかは疑問が残ります。そのため次のような意見も見られました。

「まとめサイトのほうも、『違法かどうかは司法が判断することだから従う義務は無い』とかなんとか、洒落で返せばいいのにな」
「他人の力を利用して利益を得ているもの同士のことなので、どっちもどっちな気もするが、大いにこじれて、司法の判断が出るまで至ると面白いと思う。警告は警告であって、なんら法的根拠もない．．ように見えるけどね」

法律の専門家による解説では弁護士ドットコムトピックスの記事が参考になります。

「２ちゃんねるによるまとめサイトへの規制は法的な根拠があるか」という記事では、（1）まとめサイトが２ちゃんねるの投稿内容を転載すること、（2）一部のコメントを任意に抽出して１つの記事のように再編集すること、（3）まとめサイトに２ちゃんねるの規制は不当だとして争う余地はあるかどうか、の3点について詳しく解説しています。ぜひご一読ください。

参考
議論：２ちゃんねるが“まとめサイト”へ警告ってどうなの？