ランボルギーニCEO「レトロカーより特別なものを作る」 新型ステラート発売を示唆
ウラカンのオフロード仕様発売か
ランボルギーニのステファン・ヴィンケルマンCEOは、先週ウラカンの派生モデルらしきプロトタイプが目撃されたことを受けて、ウラカンのオフロード仕様の発売を示唆した。
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目撃されたプロトタイプについて、2019年のコンセプト「ステラート」の市販モデルを開発しているのかと尋ねると、ヴィンケルマンCEOはAUTOCARに次のように語った。
先日目撃されたランボルギーニ・ステラートのプロトタイプ AUTOCAR
「それについて話すのは少し早いですが、驚くものとなるでしょう。ランボルギーニは常に予想外なのです。通常のフィールドから飛び出して、スーパースポーツカーの分野でこれまで見られなかった特別なことをする大きなチャンスだと思います」
この発言は、ステラートがオフロード対応のスーパーカーとして市販化され、2022年発売予定の4つの新製品のうちの1つとなることを示唆するものだ。
レトロカーには消極的なCEO
カウンタックLPI 800-4のようなレトロな雰囲気のモデルよりも、このような「予想外」のクルマのほうがCEO自身にとって面白いか、との質問に対してはこう答えた。
「もちろん。レトロなクルマもたまにはいいでしょう。カウンタックは素晴らしいものだったと思います。でも、わたし達のブランドは前を向かなければならないのです。大きなフロントガラスと小さなバックミラーが必要なのです」
公道デビューを果たしたランボルギーニ・カウンタックLPI 800-4 ランボルギーニ
「歴史を理解し、過去に何が起こったかを調べることは重要です。しかし、わたし達は革新的でなければならず、破壊的でなければならず、常に予想外でなければなりません」
2020年にランボルギーニCEOに復帰(2期目)したヴィンケルマンが、ヘリテージにインスパイアされたワンオフモデルや限定モデルに無関心であることは、よく知られている。昨年のカウンタック発表の際、彼はAUTOCARにこう話している。
「わたしは、レトロなクルマは絶対に作らないという考えで会社を辞めたんです。だから戻ってきたときに、『なぜ今、こんなことをするのか』と言いました。でも、クルマを見て話をしたら、やってよかったと思ったんです」
未舗装路に適応したスーパースポーツ
ステラート(イタリア語で「未舗装路」の意)は、ランボルギーニ・ウラカン・エボをオフローダー風に仕上げたモデルとして、2019年にコンセプトモデルが公開された。当時、同社の広報担当者は、このモデルを生産に移す計画はないと述べていた。
今回、軽いカモフラージュの施されたテスト車両が登場したことで、最終的に市販化される可能性が見えてきた。
先日目撃されたランボルギーニ・ステラートのプロトタイプ AUTOCAR
外観としては、ウラカン・エボよりもはるかに高いグランドクリアランスを有している。ルーフにはエアインテークやルーフレールを装備。フロントバンパーはストーンガードで強化され、ボンネットにはLEDライトバーが装着されている。
ランボルギーニは以前、ステラートが市販化されることになれば、3Dプリント技術で製造できるとしていた。だが、コンセプトモデルで見られたオーバーフェンダーはいまのところ装備されていない。
盛り上がりつつあるオフロード志向
2019年のステラート・コンセプトは、ウラカン・エボと同じ5.2L自然吸気V10エンジンに7速ATを搭載し、最高出力640psで4輪を駆動するものであった。
ステラートの市販モデルでは、ウラカンの後輪操舵システムはそのままに、低トラクションの路面でより効果的にグリップを発揮できるランボルギーニ・ディナミカ・ヴェイコロ・インテグラータ(LDVI)システムを採用することが予想される。
先日目撃されたランボルギーニ・ステラートのプロトタイプ AUTOCAR
スポーツカーのオフロード仕様を実験しているのは、ランボルギーニだけではない。ポルシェは911ベースの「サファリ」をテストしているところを目撃されており、モーガンは「プラス・フォーCX-T」の製造を確約している。
ステラートが、アヴェンタドールJやSC20のようにワンオフのプロジェクトになるのか、それともシアンFKP37のような限定シリーズとして少量生産されるのかは、今のところ不明である。