旨い店はタクシー運転手に訊け! 巨大かき揚げが名物の要町『安曇野』で年越し蕎麦を楽しむ
食楽web
「旅先で旨いものを食いたければ、タクシードライバーに聞くのが一番」と言います。そこでB級グルメに精通する現役運転手・荒川治さんにイチオシのお店に案内してもらいました。
「早いもので、もう師走……」と言いたいところですが、今年はタクシー業界も新型コロナの影響をもろに受け、一年が非常に長く感じられました。でも、やっと2020年も終わりに近づき、なんとか無事に新しい年を迎えられそうです。
さて、年越しといえば「蕎麦」ですよね。今回ご紹介したいのは、東京豊島区・要町にある『純手打蕎麦・天婦羅 安曇野』(最寄駅は「千川」)です。私は、子どもの頃は両親に連れられて、そして大人になってからもしょっちゅう『安曇野』さんを訪れます。
副都心線、有楽町線「千川駅」より徒歩1分
ここは蕎麦だけでなく、うどん、ご飯もの、さらに天ぷら・お刺身・サラダといった一品料理やお酒のアテなどがたくさんあります。家族で行くと、まずは色々な料理を食べて、最後にみんなでお蕎麦を食べる、というのがお決まりのコースでした。
中でも子供心に私が一番楽しみにしていたのが、「一品かきあげ」(1580円)です。これは一般的なお店のかき揚げの倍の大きさの約15cmはある巨大サイズ。運ばれてくると、「うわ~、おっきい!」と思わず声が上がるほどです。
巨大かきあげと蕎麦が最高にウマい
左が「かき揚げ天重」(1480円)、右が単品の「一品かき揚げ」。ちなみに「かき揚げ小」(790円)というのもあります
この巨大サイズのかき揚げ、まず食感が秀逸なんです。外はカリッ、中はふっくら。しかも衣の中は、卵のフワフワ感があり、食感も軽くて、プリップリのエビがこれでもかというほど入っていて、その塩気も旨い。だから天つゆをつけなくても十分に美味しいんですよ。
プリップリのエビがごろごろ入って旨みも濃いです
単品もいいですが、実は私は「かき揚げ天重」の、おツユにくぐらせたタイプのかき揚げも好きで、両親に「どっちも食べる」と言って、よく呆れられていました。
そして、この巨大かき揚げと一緒にいただくのは、もちろんお蕎麦。『安曇野』さんのお蕎麦は、純国産の石臼挽きの最高級の蕎麦粉を使用しており、「せいろ」はみずみずしく、舌触りも香りも最高です。
せいろ600円
ちなみに、諸説ある年越し蕎麦を食べる理由の一つに、「蕎麦は切れやすいことから、今年一年の厄を断ち切る」という意味があるそうです。今年も最後に美味しいお蕎麦と巨大なかき揚げを食べて「来年は良い年になりますように」と祈りながら、年の瀬を過ごしたいと思います。
(撮影・文◎土原亜子)
●SHOP INFO
店名:純手打蕎麦・天婦羅 安曇野
住:東京都豊島区要町3-38-2 横山ビル
TEL:03-3959-1770
営:11:30~21:30
休:火曜(12月は無休)
※新型コロナウィルス感染拡大により営業日や時間に変更の可能性あり。店舗にご確認ください
●著者プロフィール
荒川治
東京都内在住のタクシー運転手。B級グルメ好きが高じて、現職に就き、お客さんを乗車させつつ、美味い店探しで車を回している。中年になってメタボ率300%だが、「死神に肩をたたかれても、美味いものを喰らって笑顔で死んでやる」が信条。写真検索で美味しそうなモノを選び、食べに行って気に入ればとことん通い倒す。でもじつは、自分で料理を作ることも好きで、かなりの腕と評判。