リサーチ・アンド・イノベーションは、酒税法改正が施行した「10月1日前後の買い物データ」を調査しました。

 

税金が下がったビールは、酒税法改正直前の1週間だけ値下がりを見越した買い控えが起きました。改正後の購入本数は元の水準近くには戻りましたが、上回るまでは伸びていません。一方で、税金が上がった新ジャンルには駆け込み購入が見られ、改正後の1週間は買い控えが続いています

 

10月1日から酒税法改正が施行しました。ビール系飲料では、ビールの税金が引き下げられ、発泡酒は変わらず。新ジャンルは引き上げられています。日本酒などの清酒は引き下げられ、ワインなどの果実酒は引き上げられました。具体的に350mlあたりの税金では、ビールが77円から70円に下がり、発泡酒は46.99円のまま。新ジャンルは28円から37.8円と上がっています。清酒は42円から38.5円に下がりました。果実酒は28円から31.5円に上がっています。

 

出典画像:プレスリリースより

税金が引き下げられたビールは、直前の1週間だけ値下がりを見越した買い控えが起きました。酒税法改正後の購入本数は元の水準近くには戻りましたが、上回るまでは伸びていません。

 

逆に、税金が引き上げられた新ジャンルには駆け込み購入が見られ、改正後の1週間は買い控えが続いています。新ジャンルほどではないですが、ワインなどの果実酒にも若干の駆け込み購入があり、改正後は買い控えられていることが分かりました。

 

メーカーによって価格に反映されないこともあるためか、日本酒である清酒は、税金が引き下げられたものの目立った変化はありません。発泡酒の酒税に変化はなかったのですが、新ジャンルと勘違いした人がいたためか、若干の駆け込み購入と、その後の買い控えが起きているようです。

 

出典画像:プレスリリースより

購入者数に焦点をあてたグラフを見ると、ビールと清酒は購入本数のグラフと同じような推移でした。新ジャンルと果実酒の「酒税法改正2週間前」と「酒税法改正前1週間」の変化が、購入本数のグラフとほぼ変わらなかったのは、「酒税法改正前1週間」に購入する人が多くいたためです。発泡酒に至っては、「酒税法改正2週間前」より「酒税法改正前1週間」の購入者が減っているものの、一部の人が酒税法改正対象と勘違いしたためか、購入本数は増える結果となっています。

 

出典画像:プレスリリースより

ビール系飲料におけるパッケージ本数の割合を見ると、値下がりしたビールでは、ほぼ変化がありませんでした。値上がりした新ジャンルでは、24本ケースが「酒税法改正2週間前」から「酒税法改正前1週間」で2倍に。一方で、「酒税法改正後1週間」では、対前週と比較して8分の1にまで減少しました。発泡酒も新ジャンルと混同した人による影響を若干受けています。

 

出典画像:プレスリリースより

性別で見ると、ビールや新ジャンルの購入本数や購入者数は、ともに男性が女性を約10ポイント上回りました。年代別にみると、新ジャンルは、どの年代も、ほぼ一律で低下しています。60代以上は他年代と比べ、低下の幅が大きい結果となりました。