by 蘋果日報

2020年9月7日に、中国北部にあるロケット発射場から打ち上げられたロケットの一部が、陝西省(せんせいしょう)にある学校の近くに落下したと報じられています。

Chinese rocket stage appears to crash near school during Gaofen 11 satellite launch | Space

https://www.space.com/china-launches-gaofen-11-satellite-rocket-crash.html

中国の山西省太原市にある太原衛星発射センターでは9月7日の現地時間13時57分(日本時間の14時57分)に、長征4号Bロケットの発射が行われました。中国の国営通信社である新華社によると、このロケットには防災や測量に使用される新型の光学式リモートセンシング衛星「Gaofen 11-02」が搭載されていたとのこと。長征4号Bロケットの発射は、今回で通算345回目でした。

同日、中国のソーシャルメディア・Weiboに、ロケットらしき物体が落下し、毒々しいオレンジ色の煙が立ち上る映像が投稿されました。その映像をTwitterに転載したものが以下。



ムービーが始まると、棒状の物体が一直線に空から落下してくるのが見えます。



物体は猛スピードで地表に落下。よく見ると、かなり大きな物体を遠くから撮影したものだということが分かります。



物体が地表に墜落する前に場面が切り替わり、オレンジ色の煙がもうもうと立ち上っている様子が映し出されます。



さらに場面が切り替わり、学校の校庭のような場所からオレンジ色の煙を見ている映像に。たくさんの子どもが大声で騒いでいるのが聞こえます。



落下地点らしき場所の映像には、地面が大きくえぐられて土が露出している様子や、折れた木などが映っていました。



Weiboにムービーを投稿した人によると、映像が撮影されたのは陝西省(せんせいしょう)の洛南県高耀鎮にある里龍村付近の山だとのこと。台湾のニュースメディアである蘋果日報は、落下時の様子について「ロケットに似た正体不明な物体の落下により、強い揺れと渦巻く煙が発生し、周囲の民家の窓が粉々に割れました。落下物についての公式声明はありません」と報じました。

また、中国のポータルサイト網易新聞は「山中に散乱した物体には『中国航』の3文字がはっきりと書かれているのが見えます」と報じて、上記の映像とは別の人物が撮影したものと見られる映像を公開しました。



テンセントが運営するポータルサイトQQ.comが公開した写真には、建物の窓が粉々になっている様子が写っています。





今回落下した物体は、9月7日に打ち上げられた長征4号Bロケットの第1段目だと見られています。以下は、組み立て中のロケットの第1段目を撮影した写真です。「中国航天」と書かれたロケットの部品と、現場に立っている人の大きさを比べると、ロケットの部品がいかに巨大かが分かります。



天文学関連のニュースを扱うSpace.comは、「長征4号Bロケットの第1段目には、推進剤として有毒なヒドラジンと四酸化二窒素の混合物が用いられており、どちらも接触すると健康に深刻な影響を及ぼす危険性があります」と述べて、落下地点から立ち上ったオレンジ色の煙は有毒な推進剤によるものだとの見方を示しました。

宇宙開発分野で近年目覚ましい発展を遂げている中国ですが、2019年11月にも長征3号Bロケットの部品が民家を直撃し、火災や有毒な煙が発生する事故を起こすなど、安全を軽視する姿勢が度々問題になっています。

中国の長征3号Bロケットのブースターが民家を直撃し猛毒の燃料が飛散したと報じられる - GIGAZINE