閉店セールは賑わうが…(C)共同通信社

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 京都・四条河原町にある「京都マルイ」が来年5月末で閉店することになった。この店舗は、2010年に撤退した「四条河原町阪急」の後を継ぐ形で出店。10年間の営業で幕を閉じる。

今や16県が「県内に1つ」“百貨店ゼロ県”徳島の次はどこだ

百貨店の閉店ラッシュが止まりません。10月にはセブン&アイHDグループのそごう・西武が、西武大津店(滋賀)など5店舗の閉鎖を発表したばかりです。そのなかにはそごう徳島店もありました。徳島県は全国で初めての“百貨店ゼロ県”になります。地方の百貨店は生き残りがますます厳しくなっています」(市場関係者)

 地場百貨店の窮状は東京商工リサーチが先週公表した「2018年度決算『全国主要百貨店』業績調査」(調査対象は日本百貨店協会の加盟社で持ち株会社などを除く)にクッキリとあらわれている。主要百貨店77社の18年度の売上高合計は5兆8608億円で、前期比2・0%減。増収は全体の32%(25社)に過ぎず、68%が減収(52社)を余儀なくされた。

■トップ20のうち13社が減収

 地場独立系(大手流通グループや大手私鉄グループの傘下にない35社=地方百貨店)の業績は、とにかくヒドい。35社のうち、なんと約半数の17社が赤字だったのだ。

「赤字企業は増加傾向にあります。16年度は11社、17年度は12社、そして18年度は17社と増え続けています。売上高を見ると何とか現状を維持している百貨店もありますが、多くは前年より売り上げを落としています」(東京商工リサーチ情報本部の増田和史氏)

 地場百貨店の売上高トップ10のうち、前年の売上高をクリアしたのはトップの松屋(東京)と藤崎(宮城)、大和(石川)の3社のみ。実に7社が前期比マイナスで、天満屋(岡山)は6%以上の減少だ。

「小売りの主流は郊外にあるショッピングセンターに移っています。地方は特にその傾向が顕著で、駅前立地の百貨店は苦しくなるばかりといえます。この先、どうやって生き残っていくか。打つ手なしの状況といえるかもしれません」(増田和史氏)

 売上高の上位20社を見ても前年度を超える売上高を記録したのはタカヤナギ(秋田)、川徳(岩手)、山陽百貨店(兵庫)など7社しかない。群馬県のスズランは2ケタの減収(12・7%)に陥っている(別表参照)。

 今年はすでに10店舗の百貨店が閉鎖した。三越伊勢丹の伊勢丹相模原店(神奈川=閉店9月)と同府中店(東京=同)、岩田屋三越の岩田屋久留米店新館(福岡=同3月)は大手グループだが、残る7店舗は地場だ。井筒屋のコレット(同=同2月)、一畑百貨店の出雲店(島根=同)、大和の高岡店(石川=同8月)、ヤナゲンの大垣本店(岐阜=同)など。

「地方出身者には地元の百貨店に愛着を抱いている人が大勢います。地場百貨店を○○さんと呼ぶ習慣が残る地方もいっぱいあるでしょう。そんな百貨店の消滅はさびしい限りです」(流通関係者)

 来年は高島屋の港南台店(神奈川=同8月)や、そごう・西武の西武岡崎店(愛知=同)など5店舗以上が閉鎖される予定だが、そこに地方百貨店が上乗せされる恐れは高い。