AFX通信によると、航空機製造大手のボーイングとエアバスにとって、今年は大型受注が相次ぐ順調な年だったが、それでも両社の競争の激化はとどまるところを知らない。ボーイングにとって今年はまた、株価上昇の年でもあり、ダウ・ジョーンズ平均株価指数の構成銘柄である同社株は先週、旅客機の受注が相次ぐなか、過去最高値を記録している。

　　ボーイングとエアバスの戦いは、中小型主力機のボーイング737とエアバスA320の受注競争が続く一方、次世代機の競争も激化している。ボーイングは次世代中型ハイテク機787「ドリームライナー」を開発中で、同時にジャンボジェット747型より大型化したエアバスの大型次世代機A380に対抗する。エアバスもまた最新の複合素材を使用した翼を持つ機体を投入して、ボーイングのハイテク省エネ機787型に興味を持つ航空会社を奪おうと画策している。

　　両社のウェブサイトによると、11月末時点で、2005年の機体受注数はボーイングが827機に対して、エアバスが687機でボーイングが優勢。ただ年末までに、これまで交渉してきた契約がまだまとまって発表される可能性もあり、予断は許さない。

　　また、今年の旅客機受注獲得の中心は欧州、中国、中東、インドなどの航空機市場の拡大する地域だったが、来年は、米国が戦場になるとの見方もある。これまでボーイングが受注していた米空軍の空中給油機は、来年から更新に向けた入札が始まる予定。エアバスの親会社EADSとボーイングの両社が応札に向けて動いており、EADSは米国内で機体の組み立てを計画するなど、受注獲得に意欲を見せている。【了】